現代文学 純文学小説一覧
中下大学に通う大学二年生、辺野人成は、軽音サークルで出来た友人達と平和な夏休みを過ごそうとしていた。そんなある日、辺野の元に高校時代の同級生、初恋の人青井空が訪ねてきて言った。
「また高校のメンバーとバンドを組んでほしい」
なんでも、高校時代の恩師、川瀬先生が重い病にかかってしまい、その川瀬先生が最後の願いとして、辺野がかつて組んでいたバンド、『バンドリバース』の演奏が聴きたいらしいのだ。ためらう辺野だったが、高額の報酬に目がくらみ、結局その提案を承諾してしまう。その後、順調に元メンバーを集める辺野達だったが、一人のメンバーが既に死亡していることを知る。しかもその元メンバーは呪い殺されたというのだ。これをきっかけに辺野達は、呪いとはなにか、そして呪いに関わる人々の苦悩と後悔を知ることになる。
文字数 11,341
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.06.09
2020年、世界中を襲った感染症。主人公が営む居酒屋も大打撃を受けた。だが、家族のため、従業員のため仕事を守らなければならない。全力を挙げ経営維持に努める中、主人公が体調を壊す。感染が疑われる症状が出たが、幸いにも陰性だった。その直後、今度は腰を痛める。2度続いて経験した体調不良に健康の大切さを肌で感じた。その経験から主人公は一大決心をする。その内容とは・・・。責任者としての心の苦悩をリアルな時代背景の下、克明に綴っていく。
文字数 14,846
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.06.06
文字数 15,046
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.04.28
宅配便の配達をしている僕の小学生の息子が学校でほとんど話をしていないらしい、と分かる。幼稚園の時は元気な子だったのに。夫婦で思い悩みつつ、内向的な性格を今も完全に克服はできていない自分自身の半生についても思いを巡らせる。
文字数 24,701
最終更新日 2024.06.11
登録日 2024.05.04
両親が養育機能不全で、施設と自宅をいったりきたりして育った少女リコは、
愛着障害と気分障害を抱える。
何度も自傷を繰り返し、入院したリコは、病棟でレンという同じ境遇の男の子に出会い、恋や生きる意味を初めて見つける。
しかし、レンは……。
人生の苦しみを描きながらも、はかない恋の美しさを描いた物語。
※エロ、グロ、ありません。
文字数 8,688
最終更新日 2024.06.09
登録日 2024.05.23
主人公伊藤夏生は、物心つく前から同性の幼なじみ、酢谷海里に恋をしている。人一倍他人の目を気にする海里に対し、夏生は青春の全てを捧げてきた。だがある日、海里が初恋を経験したことで、夏生の日常は急変する。
文字数 256,876
最終更新日 2024.06.09
登録日 2024.03.31
【短編小説】
社会人二年目の日向葵は仕事終わりにいつものように帰路につく。
——今日は残業で遅くなってしまった。お腹の虫も鳴いている。
葵は今日の自分へ「ご褒美」として、行きつけの居酒屋へ美味しいものを食べに向かう。
読んでいるうちに、貴方もきっとお腹が減ってくる。そんな作品。
文字数 3,409
最終更新日 2024.06.08
登録日 2024.06.08
我文芸にあらず。灯火は消えんとす。我汝に問う。学業の神がいるならば、その神はきっと、不公平なのだろう。我文学にあらず。その打ちひしがれた心は抉られて、胸のうちで泣いている。達せられなかった思いとは、数知れず。それは星の数ほどになるだろう。囲炉裏が、宮中にて、舞いながら、上を行く。その姿を見てもなお、我の心はここにはなく、戦時中の足音に気圧されて、慄くばかりだ。足音は次第に大きくなりながら、我の心を疑心暗鬼とならせる。我思いを馳せる。故郷に残された、偉人たち。彼らは、今日もひねもす。その心は、掌までが、暗中模索にあり。消えかけた、月の欠片を眺めては、安らぎという名前の「安里」を思い返す。踵を返して立ち去ろうにも、焼けた野原にかつての国の栄華はない。栄枯盛衰の如しである。数々の試練を受けて、心が張り裂けんと泣いている。それでも時代のうねりとは、まごうことなき烈火となって、我の身を焼き尽くす。広島長崎に原爆が落ちた時。今の未来を誰が望んだであろうか。我の心は失墜した。ひらひらと掌を翳して、日本国へと思いを馳せる。馳せた思いは、空回りしながら、宙で回り続けた。それら回転木馬というべき、メリーゴーランドは、いつまでもいつまでも。我の心に「ぽかーん」と開き続ける空洞となる。ドーナツの穴のような開き切った傷跡に、埋めるものはなし。あるのは、時の経過という偽善であるかのようである。川は流れる。雨が「しとしと」と降り続けている。そう、こんな、五月雨の季節にこそ、我の心は洗われるかのようである。枯渇した安らぎの遠吠えは、今日か明日かには消えんとす。悲しみの色だけを残して、川は流れ続けている。色褪せない思いと故郷への思いだけが、我を「ふかい深い」海の藻屑へと安らぎを求めて彷徨う魂となる。ぼーっとする。ぼーっとする時だけが、心のケアになるかのようである。新陳代謝とでもいうべきか。今日は西へ東へと安らかな思いを求めて、彷徨う魂。我の思いとは何処へ……。そんな唸り声を上げているのである。その汽笛に似た、暴走列車は、今日もたゆみなく、運行し続けている。枯渇し切った故郷への思いと安らぎへの思い。思いとは、重なり合いながら、二重瞼の奥へと消えてゆく。自己憐憫とたしょうなりの「ユトリ」を残して……。安里は消えた。未だに、その心は、日本にはいないという。
文字数 975
最終更新日 2024.06.05
登録日 2024.06.05
【短編小説】
男は疲れていた。人間として、この世で生きるしがらみに。
夜風に充てられ一人、見知らぬ芒野原で思考し時には夢想する。
—— 今にもかぐや姫でも降りて来そうな、そんな美しい満月の夜だった。
作者自身が屈辱、裏切り、妬み、自殺未遂など様々な苦しみを経て今に至るまで生き抜き、考え抜いた哲学的な短編。
私と主人公を重ねつつも、秋の季節の美しさと交えた脚色。
老若男女問わず、心が疲れてしまった人達に何か共感できる部分があるかも知れない。
文字数 3,444
最終更新日 2024.06.05
登録日 2024.06.05
【短編小説】
人生山あり谷あり。そんな人間の一喜一憂する様を見て、猫は普段何をどう思っているのだろうか?
猫の目線から人間を観察する、そんなお話。
文字数 1,025
最終更新日 2024.06.04
登録日 2024.06.04
兵士が戦場から帰ると、家は空襲で焼け落ち、迎えてくれる家族は誰もいなかった。ただ庭の隅に宵待草が一輪咲いているだけなのだった。
文字数 547
最終更新日 2024.06.04
登録日 2024.06.04
文字数 9,463
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.31
純文学の公募に出した作品になります。
主人公の 美甘健人(みかもけんと)は小説家を夢見て目指していた。デビューした後に、天才の兄 美甘玲(みかもれい)が「自分も目指そうかな」と言い出し、兄の玲も小説家になる。自分よりも有名になる兄の存在に自信がなくなる健人。
そんな有名小説家になった玲が交通事故で亡くなり、小説家としてもウジウジしている健人が再起する物語。
ハッピーエンドまではいかないけど、小説家として再度スタートしようという感じて終わります。
主人公の恋人 木下 花梨(きのした かりん) 健人の癒しでもある。
主人公の編集者 後藤さん(男) 敏腕編集者。兄の玲の編集も担当していた。
文字数 28,892
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.23
時給一万円の文学祭。
「一時間で書き上げた文章、優勝したら一万円」。
テーマに沿って一時間で書いて出す!
全て一時間で書き上げるアンソロジー(になる予定)。
必然的に、一話は短め。
文章は読みやすく、さらっといけます。
文学祭が開催される時期だけの不定期更新。
文字数 2,030
最終更新日 2024.05.30
登録日 2024.05.30
文字数 3,444
最終更新日 2024.05.23
登録日 2024.05.23
「さて、ここで解け落ちた氷の話をしよう。氷から解け落ちた雫の話をしようじゃないか」
解け落ちた氷は、社会からあぶれ外れてしまう姿によく似ている。もともと同一の存在であったはずなのに、一度解けてしまえばつららのように垂れさがっている氷にはなることはできない。
「解け落ちた氷」と言える彼らは、何かを探し求めながら高校生活を謳歌する。吃音症を患った女の子、どこか雰囲気が異なってしまった幼馴染、そして密かに禁忌の愛を紡ぐ主人公とその妹。
そんな人たちとの関わりの中で、主人公が「本当」を探していくお話です。
※この物語は近親愛を題材にした恋愛・現代ドラマの作品です。
5月からしばらく毎日4話以上の更新が入ります。よろしくお願いします。
関連作品:『彩る季節を選べたら』:https://www.alphapolis.co.jp/novel/114384109/903870270
「解け落ちた氷のその行方」の別世界線のお話。完結済み。見ておくと、よりこの作品を楽しめるかもしれません。
文字数 191,400
最終更新日 2024.05.21
登録日 2024.04.28
文字数 4,142
最終更新日 2024.05.21
登録日 2024.05.21
文字数 3,936
最終更新日 2024.05.20
登録日 2024.05.20
文字数 907
最終更新日 2024.05.19
登録日 2024.05.19
パソコン教室を通して偶然に知り合った、主要人物が、ローリングストーンズの『ギミーシェルター』の曲に触発されて、新たなる人生に踏み出していきます。
文字数 29,033
最終更新日 2024.05.13
登録日 2024.05.13
ゴールデウィーク中の世の中で休日出勤を余儀なくされた社会人二年目のサラリーマンが通りすがりの老婆に聞かされた鬱金桜の木を見に行く、不可抗力で大人になってしまったことに対する往生際の悪さを描いた作品。
本作は金ピカ桜の蜜の味の連作小説であり、都合上別作品として投稿していることご承知おきください。
文字数 3,221
最終更新日 2024.05.12
登録日 2024.05.12
金色に輝く桜(クロロフィルの極端に少ない鬱金桜)の木を見つけたすずめが密を吸う、ポップな幼さを強調したお話です。
本作はカナリーイエローの花車の連作小説であり、都合上別作品として投稿していることご承知おきください。
文字数 407
最終更新日 2024.05.12
登録日 2024.05.12
カレンは天国の大天使、ミカエルから地上に派遣された天使である。
「吾がエンジェル、カレンよ。お前は栃木県宇都宮市に赴き、悩める宇都宮の子羊たちを救うがよい」
「はいミカエル様、仰せのとおりに」
カレンは名前を「宇都宮カレン」と名乗り、宇都宮のオリオン通りアーケードに『カレンの占の館』をオープンさせる。
宇都宮の人たちにカレンが希望へと導いてゆくという、シリアス・コメディである。
文字数 21,238
最終更新日 2024.05.11
登録日 2024.05.06
砂抜きで塩水に浸けられている浅蜊(あさり)たちは、数珠玉の実の色に似ている。
子供の頃、数珠玉の実の中身を穿り出すのが好きだった。
出てきた中身は愛おしかったが、外殻は祖母に渡していた。
これでアクセサリーを作るかと聞かれたが、断った。
――空っぽになるのは、あっけなかった。
文字数 2,586
最終更新日 2024.05.11
登録日 2024.05.11
油絵の具で汚れたボートを湖にひっそりと浮かべ、その上で19歳の彼は死んだ。それは自殺だった。
恵まれたはずの彼が自殺した理由を求めて訪れた避暑地の別荘で、私は左手の薬指がないパン食動物の女の子と出会い、絵狂いだった彼との記憶を小説に書き起こしていく。
世界で最も嫌われた画家、右寄りの女教師、悪態つきの少女V、眼つきが悪い蛇坊主、痛みを忘れた幽霊くん、個人売春のワンコインばばぁ、片想いする焼肉屋の乙女、堅物の本官くん、盲目の天才画家、そして芸術の悪魔。そんな奴らと彼は戦う。
※暴力表現や性描写が含まれるため、苦手な方はご注意ください。
文字数 148,611
最終更新日 2024.05.11
登録日 2024.02.25
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