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精神科病棟の保護室の監視モニターに映っていたものは……。
看護師が体験した、ゾッとする話。
ショートショート。
文字数 1,947
最終更新日 2024.05.04
登録日 2024.05.04
※2023年、ポプラ社ズッコケ文学新人賞の最終選考に残った「船は空に、思い出は花に。」を、修正加筆したものです。
《あらすじ》
絵って何だろう。
以前なら、ただのひまつぶしだった。
退屈な時間、
なじめない場所、
人との隙間、
いろんなところにぽっかりと空いた穴をうめるものだった。
だけど、今は違う。
晴空が、私にある言葉をかけてくれたからーー。
主人公南海音(みなみみお)は、自閉スペクトラム症(ASD)の少女。
自閉スペクトラム症は、
コミュニケーション、対人関係の困難とともに、
強いこだわり、限られた興味をもつという特徴がある発達障害。
なぜか、クラスにうまくなじめない。
なぜか、生きづらい。
そんな悩みを抱えていた海音は中学校三年生の春に転校し、夏川晴空(なつかわはるく)という少年に出会う。
晴空は発達障害の姉を持つ。
発達障害に理解がある晴空は、海音の存在をうことめ、少しずつ心の距離を縮めていく。
海音は、晴空との出会いを通して、人とつながることを学んでいく。また、スクールカウンセラーからの支援にも、晴空の助言をきっかけにつながることになる。
五月。運動会が開かれる予定となる。絵がうまかった海音は、クラスの目標を文字と絵で表現したフラグの制作を任されることとなる。
その過程で同じクラス生徒たちとの距離感が微妙に変化していく。
海音は、フラグに、
クラスの生徒全員をのせた空飛ぶ船と、
大地を埋め尽くす赤い花を描く。
その絵の意図とは?
また、絵の制作過程を通じて、変化していく海音と晴空の関係性は、どうなっていくのか?
発達障害の悩みを抱えた少女の生き様と、淡く純真な恋を描いた物語。
文字数 69,691
最終更新日 2024.04.29
登録日 2024.04.13
ーー自業自得だ。
だって、私は家族を捨てたのだから。
誰かを不幸にした後で、他の誰かと幸せになろうなんて都合の良いことを願ったから、天罰が下ったのだーー
アパートの汚部屋で孤独に暮らす、ヘビースモーカーのアキ。
彼女はとある事情から、〝母親になり損ねた〟女だった。
ーーあの時の気持ちのまま、母親になれたら良かったのにーー
アキの心によぎる後悔とは?
文字数 2,776
最終更新日 2024.04.26
登録日 2024.04.26
シンドレア伯爵家に泥棒に入った私は、伯爵家に代々受け継がれる宝玉を盗み出す。
完璧な計画のはずだった。
なのに、計画は崩れた。
シンドレア伯爵家の長男エルバートと、次男エリスの手によってーー。
女泥棒リアを捕まえたエルバートと、エリスの魂胆は?
昨略に塗れた出会いが、いつしか恋に変わっていったわけは?
リアは二人のどちらを結婚相手に選ぶのか?
伯爵と女泥棒の恋模様を描く。
文字数 4,329
最終更新日 2024.04.18
登録日 2024.04.18
統合失調症。
それは、百人に一人の割合で発症する病気。
世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。
おそらく世間一般には、
統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。
しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。
自我とは、
《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。
統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。
それによって、さまざまな症状が出現する。
高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。
そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。
私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、
先に精神に異常をきたしたのは兄だった。
高校三年生の夏、私の兄は、
統合失調症の診断で、
精神科病院に入院した。
兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、
精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。
そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。
兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。
私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。
文字数 42,151
最終更新日 2024.04.08
登録日 2024.03.14
ある夜、精神科外来に通院する二十歳の女性患者が、夜間用のインターホンを鳴らしました。
彼女はその時、重大な決断に迫られていたのです。
「看護師さんは私をよく知っているでしょう?
看護師さんならどう思う?」
精神科の外来看護師が、ある患者さんの人生の課題に向き合った話。
文字数 2,280
最終更新日 2024.03.29
登録日 2024.03.29
精神科病棟での患者さんの死は、
身体科の病棟とは〝違う意味合い〟をもつことがあります。
私たち、精神科看護師が向き合う死についてのエッセイ風小説。
文字数 1,700
最終更新日 2024.03.24
登録日 2024.03.24
僕は、高二のある日、幼なじみのりっちゃんを抱いた。
学校のプールの脱衣所で、僕とりっちゃんは体を重ねた。
その日、りっちゃんは謎の言葉を残して唐突に姿を消した。
「ヒーローの身近にいる人って、地球の危機にはなぜか気が付かないものなの」
りっちゃんの言葉の意味は?
謎にせまる僕は、少しずつ非日常の世界へ迷い込んでいく。
文字数 4,760
最終更新日 2024.03.24
登録日 2024.03.24
バスツアーの帰り、
私はバスの車窓から、
林に打ち捨てられた廃バスを目撃する。
奇妙なことに、走るバスの車窓からチラリと見ただけのその景色が目に焼きついてしまう。
その後、私の日常は、廃バスにだんだんと侵食されていくこととなる。
短編ホラー。
文字数 2,648
最終更新日 2024.03.23
登録日 2024.03.23
ある患者の母親が、私にこんな言葉を語った。
精神科閉鎖病棟の看護師が体験した、感動できるエピソード。
文字数 827
最終更新日 2024.03.21
登録日 2024.03.21
ある日、研修医が、
精神科閉鎖病棟に長期的に入院している患者に、
「あなたの夢は何ですか」
と尋ねました。
看護師である私は、その返答に衝撃を受けます。
精神科閉鎖病棟の、
今もなお存在する課題についてつづった短編。
文字数 1,188
最終更新日 2024.03.16
登録日 2024.03.16
ある夏の夕方、黄昏の光が窓から差し込む精神科診療所の待合に幽霊が現れた。診療所の院長をしているのは、三十八歳の医師、森怜太郎。もっさりした癖っ毛頭に分厚いメガネ、ひょろりとして猫背気味の、垢抜けない男である。彼に対して幽霊が要望したことは、〝治療〟だった。
幽霊と精神科医の奇妙な夏が始まる。
文字数 17,486
最終更新日 2024.03.15
登録日 2024.03.13
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