江戸小説一覧
残影の艦隊の番外編です。残影の艦隊の中から伊庭八郎(一部新選組)の登場部分だけを抜いて、若干の修正を加えた短編です。したがって本編を見た方にとってはそれほど真新しいことは書いていないので、ご了承ください。ただし五話目は本編にはありません。また最後の話しは本編より先を行っており、ネタばらしとなりますその点もご了承ください。
なお読者の中には、伊庭八郎の交友関係がやたらめったら広いので驚く方もいると思いますが。史実の中で確認できるのは榎本と新選組くらいで、後は筆者の創作だと思ってください。
ただし、筆者はかって伊庭道場のあった場所の目と鼻の先で働いていたことがあり、あの周辺の地理は熟知していますが、とにかくあの周辺は伊庭道場や千葉道場、久坂が通っていた塾の他にも、幕末維新の志士と呼ばれた人たちに関わる屋敷などが探せば探すほどでてきます。(例えばこの物語の剣客関連でいえば清川八郎、芹沢鴨、永倉新八あたりはこの近辺にゆかりの人です。もちろん榎本もまたこの周辺に屋敷を持っていました。余談ついでいえばさっき大河で死んだ平岡円四郎もこのあたりの生まれであるようです)そこから筆者なりになんらかの交流があったのではということを想像して書いてみました。とりあえず伊庭八郎を通して幕末・維新の志士といわれた人たちの夢と野望そして愛を描いてみようと思った次第であります。
文字数 29,967
最終更新日 2021.05.29
登録日 2021.05.29
世は、天保の改革の真っ盛りで、巷は不景気の話が絶えないが、料理茶屋「鶴久屋」は、お上のおみねを筆頭に、今日も笑顔が絶えない。
そんな店に足しげく通う若侍、仕事もなく、生きがいもなく、ただお酒を飲む日々……、そんな彼が不思議な話をしだして………………
小さな料理茶屋で起こった、ちょっと不思議な、悲しくも、温かい人情物語………………
文字数 26,958
最終更新日 2021.05.29
登録日 2021.05.29
ようやく春らしくなった江戸の空のもと、町奉行所同心秋山小次郎が駆けていた。火付(放火)である。
ボヤであったが、最悪江戸を焼く大火となる可能性もある。火付けは大罪 ―― 死罪である。
どんな馬鹿野郎が犯人かと、囚われている自身番に飛び込むと、そこにはうら若き乙女の姿が………………
天和三(一六八三)年三月二十九日、ひとりの少女が火付けの罪で、死罪となった。世にいう、八百屋お七事件である。
なぜ、少女は火付けを犯したのか?
これは、その真相を探り、なんとか助けてやりたいと奮闘する男たちの物語である。
文字数 105,530
最終更新日 2021.05.28
登録日 2021.05.28
幼子を助けた十兵衛の達した境地こそ、父宗矩も到達した無の境地であった…… 島原の乱も終わった頃、柳生十兵衛三厳は江戸にいた。昼と夜、人と魔、生と死の狭間で生きる十兵衛の明日は、無明の先にある。
文字数 52,118
最終更新日 2021.05.28
登録日 2021.05.28
ダリル・バスケスは傭兵を生業とするバスク人の剣士だった。
彼は雇われたジャカルタ行きのオランダ商船で、一人の日本人奴隷の若者トウジと知り合う。
彼の剣技に魅せられたダリルは、彼と剣の練習に励み、友情を育んでいった。
しかし、インドを経由して間もなく、トウジはマラリヤを患い、あっけなく死んでしまう。
ダリルはトウジの遺品である日本刀を携え、彼の遺族に会うため、そして、日本の剣術を知るために、長崎へと向かうのだった。
文字数 175,662
最終更新日 2021.05.22
登録日 2021.05.22
屋台を営む三人が遭遇する、小話。
時代設定は江戸頃としていますが、江戸時代でも、場所が東京ではなかったりします。時代物はまぁ、侍が多めなので、できれば庶民目線の話が読みたくて、書いてみようかなと。色々と勉強不足の部分が多いですが、暇つぶしにどうぞくらいなら、いいかなとチャレンジしました。
文字数 3,879
最終更新日 2021.05.03
登録日 2021.05.03
■■アルファポリス 第3回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
天明六年(1786年)五月一五日――
失脚の瀬戸際にあった田沼意次が祈祷を行った。
その願いが「大元帥明王」に届く。
結果、21世紀の現代に住む俺は江戸時代に召喚された。
俺は、江戸時代と現代を自由に行き来できるスキルをもらった。
その力で田沼意次の政治を助けるのが俺の役目となった。
しかも、それで得た報酬は俺のモノだ。
21世紀の科学で俺は江戸時代を変える。
いや近代の歴史を変えるのである。
2017/9/19
プロ編集者の評価を自分なりに消化して、主人公の説得力強化を狙いました。
時代選定が「地味」は、これからの展開でカバーするとしてですね。
冒頭で主人公が選ばれるのが唐突なので、その辺りつながるような話を0話プロローグで追加しました。
失敗の場合、消して元に戻します。
文字数 248,021
最終更新日 2021.03.30
登録日 2017.05.28
―― ヤツだ! 間違いない!
我が義父の仇 ―― 本間宗太郎だ!
数年前、原田新之助の義父で、藩主の剣術指南役であった原田半平太が、御前試合で宗太郎に敗れ、腹いせにと門弟とともに宗太郎の道場を襲ったのだが、本間家の秘剣である『白雨』を使って返り討ちにあい、宗太郎は出奔してしまう。
武士の面目として娘の綾乃が仇をとらねばならぬが、女ひとりの身ではと、婿様子に入った新之助とともに宗太郎を捜して敵討ちの旅にでたのだが………………
文字数 23,091
最終更新日 2021.01.21
登録日 2021.01.21
京都の女子大生結衣は、彼氏と一緒に大阪城ホールで行われたコンサートへ行き、その帰りの電車が脱線事故を起こし、異世界召喚に巻き込まれた。実は聖女は3人いた。
聖女認定はなかったものの、元聖女で魔法というチートスキルをもらった。
日本へ無事、帰還したものの実家の蔵から、再び、江戸時代にタイムスリップした。というお話です。
卒論を書くため、江戸→現代の京都→異世界→現代の京都→江戸時代の京を舞台に行く先々で陰陽師と間違われ、様々な事件を解決していく予定です。
「巻き込まれ召喚聖女は、商人として成り上がる」の続編です。もう一人の元聖女。一緒に召喚され、日本へ帰還した人のその後のお話です。
作品内のセリフは、京都弁で書いています。
11/19タイトルを変更しました。
文字数 13,829
最終更新日 2021.01.14
登録日 2020.11.18
時は天明、幼少のみぎりには定火消の役屋敷でガエンと共に暮らしたこともあるバサラな旗本、鷲巣(わしのす)益五郎(ますごろう)とそんな彼を取り巻く者たちの物語。それに11代将軍の座をめぐる争いあり、徳川家基の死の真相をめぐる争いあり、そんな物語です。
文字数 1,198,865
最終更新日 2021.01.11
登録日 2020.05.01
戦国乱世の真っ只中。
慎ましく、強く生きた姫がいた。
その人の名は『千姫』
徳川に生まれ、祖父の謀略によって豊臣家へ人質同然に嫁ぐ事となった。
伯母であり、義母となる淀殿との関係に軋轢が生じるも、夫・豊臣秀頼とは仲睦まじく暮らした。
ところが、それから数年後、豊臣家と徳川家との間に大きな確執が生まれ、半年にも及ぶ大戦・「大坂の陣」が勃発し、生家と婚家の間で板挟みに合ってしまう。
これは、徳川家に生まれ、悲劇的な運命を歩んで参った一人の姫が、女としての幸福を探す波乱万丈の物語である。
*この話は史実を元にしたフィクションです。
文字数 81,300
最終更新日 2020.12.31
登録日 2020.11.22
浪人で無垢(童貞)の不栗万之介は、絵師、戯作家を目指す若者だった。
故あって、故郷の久留里藩を出て江戸で暮らし2年。
しかし、その生活は日雇い仕事と、貸本屋からの「春画」「黄表紙」を読ん自分を慰める毎日だった。
そんな彼も、北斎に弟子入りを願う。
そこで、出会った美麗の女。その外見はまるで童女のようだった。
しかし、彼女こそ「鬼を喰らう」存在。
鬼に憑かれた者から鬼を祓い、その鬼を喰らう「鬼喰らい師」だった。
そして、鬼狂の仕事を手伝うことになる万之介。
それは、怪異と幻想の世界へ足をふみいれることであった。
■参考文献
邪教・立川流(著)真鍋俊照
江戸の社会構造 (著)南和男
江戸春画 性愛枕絵研究 (著)吉崎淳二
江戸の枕絵師 (著)林美一
江戸時代のすべてがわかる本 (著)大石学
エロティック日本史 (著)下川 耿史
江戸の性生活 (著)歴史の謎を探る会
江戸の大誤解 (著)水戸計
性タブーのない日本 (著)橋本治
読みだしたら止まらない裏日本史 (著)日本裏日本史研究会
江戸の二四時間 歴史と人物増刊
葛飾北斎・春画の世界 (著)浅野秀剛
国芳の春画 (著)浅野秀剛
春画に見る江戸老人の色事 (著)白倉敬彦
江戸の春画 (著)白倉敬彦
文字数 71,578
最終更新日 2020.12.06
登録日 2017.05.25
江戸時代、安永年間。
時の老中・田沼意次と松平武元によって設立された、老中直属の秘密武装警察・逸撰隊。
武力を行使する事も厭わない組織の性格上、〔人斬り隊〕とも揶揄される部隊でも、最精鋭と呼ばれる一番組を率いる明楽紅子は、日々江戸に巣食う悪党を追っていた。
そんなある日、紅子は夫を殺した殺人宗教集団・羅刹道の手がかりを得る。再び燃え上がる復讐心が、江戸を揺るがす大きな騒乱に繋がっていく。
警察小説のスピード感と時代小説を融合させた、ネオ時代小説!
時代小説は自由でいいんだ!という思想に基づいて描く、女主人公最強活劇!
文字数 135,874
最終更新日 2020.11.16
登録日 2020.10.01
深川 花街たつみ屋のお料理番
レンタル有り旧題:深川 悪女の深情け
深川の遊郭で行き倒れていたところを、春画描きの浮世絵師に拾われた醜女の「猿」。
彼女は浮世絵師のために飯を作る約束で、遊郭の引き手茶屋で住むことを許されて……。
という、江戸飯テーマの人情小説です。
髪結い師の男、化粧師の男、引き手茶屋の婆に郭の台所を任された男、門番の男。など、花街に住む人達の視点で、1話完結の連作短編です。
完結しました。
※なろうでも同じ小説をアップしています。
文字数 140,449
最終更新日 2020.10.29
登録日 2019.04.13
大伝馬町、木綿問屋街にある葉茶屋三好屋の一人娘『おみつ』は、
他の江戸娘と比べ少しふくふくとした娘である。
『おみつ』がふくふくとする原因は『おみつ』のとある力にあって……。
歌舞伎役者のように美しい藍屋若旦那『一太』からの溺愛に気づかず、
今日も懸命に菓子などを頬張る『おみつ』の少し不思議な日常と恋のお話。
第五回歴史・時代小説大賞で大賞&読者賞を頂きました。応援ありがとうございます。
文字数 62,551
最終更新日 2020.10.29
登録日 2019.04.15
先のオオマガドキで、実体なき常世の王・不浄王によって命を狙われ、母の命と引き換えに蘇った少年・志(ユキ)は、死した肉体に結界魂を宿した「傀もの(くぐつもの)」となった。弟の生命線である「結界魂」を守るために強くなることを望んだ実兄・神座真道(カムクラ マミチ)は最年少で特級術師となり、不浄王の消息と弟を救うすべを探していた。
これは、兄弟の絆と、術師と常世の異形たちとの戦いを描いた和風ファンタジーである。
文字数 16,558
最終更新日 2020.10.26
登録日 2020.09.11
プロレス団体「アーク」に所属するトップレスラー「古橋ケンタ」は、乗っていたバスが起こした交通事故により時空を飛び越え、元禄時代の日本へとタイムスリップしてしまう。
その地で無頼漢たちに襲われていた武家の娘「秋山葵」を救ったケンタは、名のある武芸者と勘違いされ秋山家で居候することに。
そんなおり、突如として勃発する藩のお家騒動。
そして、葵をかどわかさんと次々に襲いかかる忍者、達人、裏柳生。
単なるいち武家のひとり娘に過ぎない葵が背負う出生の秘密。
はたしてケンタは、葵の身を守りきることができるのか?
天下の副将軍が見守るなか、二十一世紀の豪腕が元禄の世に炸裂する!
超時空プロレスファンタジー、ここに開幕!
文字数 506,939
最終更新日 2020.10.24
登録日 2020.08.26
一八五三年七月(嘉永六年六月)浦賀沖に黒船が来航。
その指揮官は有名なペリー。教科書にも出てくる。
ペリーは禿でカツラを着用していた。これも歴史的事実である。
そして、そのカツラが奪われた!
幕末日本最強の男が黒船に単身殴りこみ。
ペリーのカツラを奪って行ったのだ。
幕府はこの緊急事態に大混乱。
米艦隊・黒船側からは、カツラを返さなければ江戸を砲撃すると宣言。
ヤバイ。すさまじく危機。
幕府は一人の男・鎖々木究を使者として出し、最強の忍者にカツラ奪還を依頼する。
だが、そいつはとんでもない女忍者だった……
全裸で戦う。
しかも、鎖々木に全裸を見せつけているときこそ最強になるのだった。
スラップスティック幕末コメディです。
※性描写はありますが、R15規定に従い全体の1/5未満になっています。
文字数 48,192
最終更新日 2020.10.14
登録日 2020.05.31
ドイツの南の小さい一つの湖から注ぎ出て、深い峡谷の間を流れ、やがて葡萄の美しく実る地方を通って、遠くオランダの海に河口を開いている大きい河がある。それは有名なライン河である。太古の文明はこのライン河の水脈にそって中部ヨーロッパにもたらされた。ライン沿岸地方は、未開なその時代のゲルマン人の間にまず文明をうけ入れ、ついで近代ドイツの発達と、世界の社会運動史の上に大切な役割りを持つ地方となった。
文字数 3,844
最終更新日 2020.09.25
登録日 2020.09.24
文字数 108,245
最終更新日 2020.09.01
登録日 2020.08.24
近藤勇、土方歳三、沖田総司――
激動の幕末を生き抜いた男たち。
思想、理想、信念、それぞれの思いを胸に懸命に生き抜く姿を描く短編集。
文字数 47,111
最終更新日 2020.08.12
登録日 2020.06.25
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
尾張徳川家(尾張藩)の第14代・第17代当主の徳川慶勝が、美濃高須藩主・松平義建の次男・秀之助ではなく、夭折した長男・源之助が継いでおり、彼が攘夷派の名君となっていた場合の仮想戦記を書いてみました。夭折した兄弟が活躍します。尾張徳川家15代藩主・徳川茂徳、会津藩主・松平容保、桑名藩主・松平定敬、特に会津藩主・松平容保と会津藩士にリベンジしてもらいます。
もしかしたら、消去するかもしれません。
文字数 64,349
最終更新日 2020.07.27
登録日 2020.05.30
春夜夢人は破落戸浪人である。
頼れるものは己の腕一つ。斬った張ったの毎日を、どこ吹く風とばかりに飄々と過ごす。
そんな夢人がとある藩の国元、江戸、そして幕府、三つ巴の暗闘に巻き込まれてしまう。
しかし夢人はそんな中でも飄々と過ごす。
邪魔するものは斬り捨てて……
文字数 33,198
最終更新日 2020.07.13
登録日 2020.05.04
風呂屋の新入り、勘太郎(かんたろう)、後の巨勢(こせ)六左衛門(ろくざえもん)が八代将軍吉宗の縁者という事で、江戸城に召し出され、旗本に取り立てられるまでの物語。
《主な登場人物》
勘太郎…本作の主人公
十左衛門…勘太郎の叔父、養父。
善之助…十左衛門の倅、勘太郎の従兄。病弱。
徳川吉宗…八代将軍。十左衛門(じゅうざえもん)の甥。
加納遠江守久通…御用懸御側衆。
有馬兵庫頭恒治…御用懸御側衆、後の氏倫。
本目権左衛門親良…奥右筆組頭。
河内山宗久…時斗之間肝煎坊主、恒治付。
一部、差別的な表現がありますが、この時代の風俗上、どうしてもやむを得ぬもので、ご諒承下さい。
文字数 34,718
最終更新日 2020.07.12
登録日 2020.05.31
仕事は糞ほど忙しいのに肥える今日この頃。休日に無駄な外出しないから太るんだな…、そして、ストレスで物食い…、また、太る……。こんな私ですが、第6回歴史・時代小説大賞に参加してました。
舞台は江戸時代の新吉原ww粗筋は、姉に虐められて白くなっちゃったけど取り敢えず、働きます。女郎になる条件満たしてないんで、それ以外の仕事で♪取り敢えず、飼い主の正義を貫きますが…、作者が見切り発車で書いた為、所々、最後にまで腐女子が浸食してました。
文字数 71,634
最終更新日 2020.07.09
登録日 2020.04.30
浅草は観音様のお膝元、雷門と駒形堂を繋ぐ参道沿いの、駒形は駒形でもちょいと西に入った裏小道に、小洒落た赤紫の暖簾を垂らし、涼しげな表を構える水茶屋『はなや』。この粋な水茶屋には、看板娘が二人いる。華奢で艶やか、すわ石楠花(しゃくなげ)かと見紛う花盛り、看板娘の『お玉』……は、まあさておき。裏看板と名高い娘のほうは、その名ひとつ表にゃ出てこない。裏と言うにゃあ訳がある。訳あり客が、訳ありの訳を持て余し、尋ねて問うて、ようやく辿り着くのが『はなや』の裏看板。こちら世間様にゃちょいとお話出来ない、隠れ話にございます。
***
短編を思いつくまま追加していく予定です。
江戸が舞台ではありますが、詳しい時代考証はしてありません。
あまり難しく考えずに、なんちゃって時代劇ドラマ程度でお楽しみいただけると嬉しいです。
注:このお話は江戸を舞台にしてますがフィクションです。実在の事件他、どれほど似てようが、絶対に間違いなく作者の妄想フィクションです!お間違いのないようお願いしますm(_ _)m
文字数 29,515
最終更新日 2020.06.30
登録日 2020.05.31
わらわは豊前守の養女の田鶴(たづ)と申す。
さる大名の御世継の妻となることになった。
なれどこの御世継の隆邦(たかくに)様という方、たいそうな美形というのに、これまで四人の方と婚約し、そのうち三人がはかなくなられ、四人目も故あって破談となったという。
五人目の許婚者となったわらわは無事に嫁いだものの、世の中はそれでめでたしとはいかぬもの。
なにしろ隆邦様にはすでに側室がおり、姫までも儲けておいで。
離縁の話まで持ち上がってしまった。
子どもの頃から愛されないのには慣れているわらわなれど、果たしてどうなることやら。
なお、この話はムーンライトノベルズの「『香田角の人々』拾遺」「わたくしたちのお殿様」のエピソードを再構成し増補改訂したものゆえ、そこは御含みおきを。
18歳以下の方が見てはならぬエピソードのタイトルの末尾には★があるゆえご注意召されよ。
文字数 107,841
最終更新日 2020.06.30
登録日 2020.05.30
四軒の長屋がポツンとある。そこには大家さんと、一人暮らしの娘っ子がいて、二つの空いた部屋を貸し出すが、なかなか居付かない。なぜだろうと思いつつのんびり過ごしている人情もの
文字数 11,547
最終更新日 2020.06.27
登録日 2020.05.20