「成り」の検索結果
全体で2,216件見つかりました。
駿河国由比ヶ浜にかつての住人弥右衛門と息子の喜平次がやって来て、私の命の恩人だと吉岡次郎之介と妻の早苗を紹介し、ここで染め物屋をすることになったのでよろしくと言った。あばら屋となっていた弥右衛門の旧家は建て直され、翌年には女の子が生まれ夕と名付け、11年後には男子が誕生し、治三郎と命名した。だが夏の終わり、地震と津波が襲って来て大きな被害を被った。夕も津波に飲み込まれる寸前だったが、次郎之介の機敏な動きに助けられ危難を逃れ、父は尊敬の対象になった。そして翌年、大阪の陣が切って落とされ、かつては石田三成の家臣だった次郎之介は夕に後を託し、大阪に向かった。だが豊臣は滅亡し、次郎之介は戻って来なかった。
男の子二人が三歳になると、夕による教育が始まった。基底は徳川憎しと大義の確立である。だが治三郎にはその気が全くない。ホラを平気で振りまく。対して久米之介は真面目そのものである。だが祖父の命の恩人の孫だから忠義を尽くせと言う親の方針には疑念を持っていた。彼の悩みは治三郎に対する忠義は虚であり、優しく接してくれる夕に対する思いは実であることだった。治三郎の虚言癖は止まることを知らず、遂には時の最高権力者徳川家光に対する誹謗となり逮捕されたが、喜平次の工作で釈放された。夕は修行を命じ久米介という家来付きで仏門に入った。だが坊主見習いとなって得たものは悪所通いだけであった。
三年後、寺を辞したが、久米之介は自称楠木正成の血を引く者だという楠木大膳なる怪しげな老人と知り合い、家に連れ帰った。夕は胡乱なやつと危ぶんだが、幕府を倒すためには江戸に行かなければならない、その時がやって来たのだと思い江戸行きを許した。大善の持つ楠木正成の兵法書と幟を我が物にせんと狙う治三郎、二人まとめて有り金全てを奪おうと企む大膳、治三郎では夕様の言う大義は確立出来ない。ならば私が成り代わって実現させようと思う久米之介、それぞれの思惑を秘めて三人は江戸に旅立った。
二百六十余年もの幕政の基礎を築いた知恵伊豆こと松平信綱は累々たるキリシタン信者の屍を見ながら、次なる標的に的を絞っていた。キリシタンはこれで闇の中に潜むであろう。外様大名は牙を削ぎ落とすであろう。残るは武人派南海の龍こと徳川頼宣、たとえ御三家だろうとも安寧を脅かす者は許さない。
知恵伊豆は『楠木流軍学 張孔堂』の門を潜り、由比正雪の登場を待った。やがて三十代半ば総髪の人物が出てきた。静かな出だしである。だが次第に激してくる。
客も高揚し、「然り!」などと声を挙げている。「虚に生きるべきではない。虚に走るはたやすく、実に止まるは困難を要する。だが恐れてはならぬ。それが誠の武士道である。大義に生きよう」
知恵伊豆の射るような視線を浴びながら正雪は自らも陶酔していた。
戦いの幕はまだ切られたばかりである。
文字数 122,961
最終更新日 2024.04.24
登録日 2024.04.14
A級クラン【黄金の槍】で雑用係として働く"エレン"は、日々の雑用をこなしながら、いつか伝説のS級冒険者になるという夢を見ていた。
そんなある日。エレンがいつものように雑用に汗を流していると、クランリーダーのバッカスから「お前に払う給料が勿体ない」という理由でクランをクビになってしまう。
そんなエレンに追い討ちをかけるように、不幸は続く。
落ち込んで家に帰ると、幼馴染で魔法使いとして同じクランに入っていた恋人が、最近クランに入ったイケメン治癒士に寝取られていた。
更に更に、ショックで倒れたエレンは、ブラック企業で死ぬまで働かされ過労死したという前世の記憶を思い出してしまう。
三重苦で八方塞がりになったエレンは、最後の力を振り絞り、自らのクラン【ホワイトカンパニー】を立ち上げる。
しかし、募集に集まった者達は、【躁鬱】の清楚系と【無鉄砲】なギャル系美女コンビや、【嘘つき】後輩キャラなど、様々な理由で他のクランをクビになっていた追放者達だった。
それでもエレンは諦めず、前世の記憶で得た知識『PDCAサイクル』というものを使い【ホワイトカンパニー】を世界一のクランへと導いていく。
そして自身も、【雑用】ジョブを進化させていき、数々のスキルを獲得しながら、伝説のSランク冒険者の道を歩んでいくのだが――
※なろう、カクヨムでも投稿中
※なろうの方が若干投稿先かもしれません。
文字数 97,703
最終更新日 2021.04.16
登録日 2021.03.06
大原美術館に来た大学生の僕は、ルノワールの「泉による女」の前でくぎ付けになってしまう。それはまるで一目惚れのような感覚だった。そしてそこには僕と同じく、モネの「睡蓮」の前で動けなくなっている女性、ハルがいた。
成り行きで共に昼食をとることになった僕とハルは、そのまま一緒に美観地区を歩いたり絵の感想を話し合ったりする。僕には微笑んでいるように見えた絵が、ハルには悲し気に見えた。僕にはただ睡蓮を描いただけの絵が、ハルには眩しく見えた。こうした会話を通して、僕は絵というものに込められた画家の想いに触れたくなった。
そんなことを思いながら過ごした、僕とハルの一日。
文字数 13,447
最終更新日 2021.04.28
登録日 2021.04.28
魔法が使えない体の主人公ソフィリア。それがコンプレックスで友達もおらず自分の人生に意味を見出せないでいた。
そんなある日、転機が訪れ、子供のころに命を救ってもらった少女に思わぬ形で再会する。
ソフィリアは少女への憧れで魔法を子供のころから愛していた。再会を機に彼女は自分の人生をかえるべく、エリート難関の
魔法専攻学園 ハープネスへ入学する。 すべては人生の意味と自分の価値を見つけるために―。
魔法が使えない少女が一人で奮闘する群像劇の異世界学園ファンタジーの伝承譚。
彼女がこの学園を去るとき、彼女は何を想い何を与えるのか。
文字数 6,112
最終更新日 2023.07.17
登録日 2023.07.16
二年前、魔王を倒した功績を持ちながら、それをひた隠しにし、最下級のEランク冒険者として成り済ます転生者の少年ライハ。
唯一無二の生産スキル《創造》を隠しながら、田舎と蔑まれる辺境の地で、薬草採取などの依頼の報酬で生計を立て、細々と暮らしていたのだが------------
魔王が復活して、事態は一変する。
世界中に魔物が溢れ、当然、その影響はライハが住む辺境の地へと襲い始めた。
ライハは面倒がりながらも、ありえない方法で、魔物の侵攻を食い止められた。
だが、運悪く、その姿を"あの時の勇者"に目撃され--------
文字数 160,637
最終更新日 2020.06.14
登録日 2020.03.21
(旧:異世界チート転生する予定が転生先が未来だったんで、未来人に生きる楽しさってヤツを叩き込んでやろうと思ってる)
ファンタジー世界でハーレムするんだと、知識も体力も準備万端だった俺が目をさましたのは、グレー一色の無機質な狭い空間。丸窓から見えるのは、深くきらめく宇宙空間。扉は開閉の概念を捨てて、一瞬にして消え去る仕様になり、ハーレム予定の俺を迎えにきたのは、むきむきマッチョ。与えられた仕事はまさかの戦闘機のエサ。
それでも俺はあきらめない。ぜったいハーレムしてやるぜ。チートだって、チートだって……神様そりゃ無いぜな成り上がりストーリー。
登録日 2016.03.28
「俺にしろよ。俺ならアンタに……特大の幸せと金持ちの老後をやるからよ…!」
私――いや俺は、こうして辺境のド田舎貧乏代官の息子サイラスになった。
性別を偽り、代官の息子となった少女。『魔の森』の秘密を胸に周囲の目を欺き、王国の搾取、戦争、さまざまな危機を知恵と機転で乗り越えながら、辺境のウィリス村を一国へとのしあげてゆくが……え?ここはゲームの世界で自分はラスボス?突然降りかかる破滅フラグ。運命にも逆境にもめげず、ペンが剣より強い国をつくることはできるのか?!
武闘派ヒーロー、巨乳ライバル令嬢、愉快なキノコ、スペック高すぎる村人他、ぶっ飛びヒロイン(※悪役)やお馬鹿な王子様など定番キャラも登場!
◇毎日一話ずつ更新します!
◇ヒーロー登場は、第27話(少年期編)からです。
◇登場する詩篇は、すべて作者の翻訳・解釈によるものです。
文字数 743,776
最終更新日 2020.08.11
登録日 2019.12.01
※『猫耳忍者娘の成り上がり1 〜旅立ち〜』より改題。
※これは、前世と今生、二度に渡って戦争の被災者となった少女が、戦争を殺すために世界の経営者へと成り上がる物語。
※第一部『旅立ち』完。
第二部『宮廷円舞』につづく。
※第一部『旅立ち』あらすじ
三歳にして戦争に生命を奪われた幼女。異世界の少女へと転生し、戦争を殺すことを決意。冒険者として名を馳せ、やがて、戦乱を引き起こした覇者マヤカに相対する。
※『ノベルアップ+』、『カクヨム』にても公開。
文字数 101,346
最終更新日 2022.11.17
登録日 2022.10.01
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私は生まれた理由はは、単に親がセックスのし過ぎだと。射精を誤って産まれてきただけだと思う。
出勤くらい産婦人科でお願いしたいが、貧困な思想は「汚い風呂場で出産」カビだらけのボロ屋の浴室で、私は4人兄弟の三番目として産声を上げる。典型的な放置児として、生きるより無かった。
重度の喘息持ちだったが、3さいからタクシーで一人通院していた。受診も点滴も吸入も、手慣れたもんだ。昼時に空腹感に襲われても、誰一人として病院には来なかった。
無論学校ではイジメられ、家庭では親兄弟から虐待の日々。
もはや、生きる事や死にも一切の感情を無くした。それは、幼少期であろう。
私は18才の頃、どうにから見つけた職場で初めて微々たる「賞与」を貰った。
母から突然電話があり、借金返済が出来ないかり死ぬとの事だった。毒親から逃げたくて、早々と同棲したいたが。母親は、当時付き合っていた彼氏がバイト代で大切にしていた…何故か彼氏のバイクまで、現金化された。
また姉が10万出してくれて、自分で車の免許を取った際。ローンで車を購入したが、既に多重債務者である親からいつの間にか、奪われていた。
20才の誕生日の日、母から仕事を休む様に言われた。何処か食事でも?甘い考えだった。
20才の朝イチから、プロミス〜アイフル〜アコム〜しんわ。といった、サラ金ツアーに連れて行かれた。借り入れ可能額は全額母に渡した。
私は20才になり、ほんの1〜2時間で。自らの意思では無く、どれだけ抵抗しようが無駄だった。
同級生が大学時代には、私は多重債務者と成り果てていた。自分の浪費やギャンブルなはまだしも。
その後学生時代から憧れだった人から告白され、初めて本当に好きな相手といる幸せを噛み締めた。
しかし、貧富の差は大きくかった。
私はずっと遠い憧れだった相手と、結婚して子を持つ母になった。一緒に歩くと誰もが振り向いていた。芸能人と大差無い最初の夫、モデル事務所に所属する私。
何故あの時。たかが親戚のイジメ如き無視しなかったか?今尚悔やまれる。
離婚後は、母がガラガラのスナックを経営していたので、100万円位ボーナスがらあった為リニューアルオープンを捧げた。
しかし、この母親にとって。
人より見た目に恵まれた娘は、ドル箱だ。援助交際を持ちかけられ、私はこどを置いて逃げ出した。
未だに伝説の存在であるが、遅めな26才が風俗デビューだった。全く業種の違いも知らなかったが、熊本で一番高額なソープランドで働く事にした。
あれからいくつの年月が過ぎたか?
私はデビュー2カ月で系列グループの、No.1になり。
当然稼げないブス共に、陰湿なイジメを受けて中洲へとんだ。
母親の借金は、億以上全て完済した。しかし私はまだ過払金があると思った…1.000万円の払い戻しがあった。
一緒で。
文字数 1,864
最終更新日 2019.07.27
登録日 2019.07.27
「なんというか、虚しい」それでも――
天と地の狭間を突き進む、硬派中華ファンタジー。
《あらすじ》
鼎国(ていこく)は伝説の上に成り立っている。
また、鼎国内には鬼(き)が棲んでいる。
黎王朝大統二年十月、それは起こった。
鬼を統べる冥界の王が突如、朝議の場に出現し、時の皇帝にひとつの要求を突きつける。
「我が欲するは花嫁」
冥王が、人の花嫁を欲したのだ。
しかし皇帝には、求められた花嫁を譲れない事情があった。
冥王にも譲れない事情がある。
攻防の末、冥王が提案する。
「我の歳を当ててみよ」
言い当てられたら彼女を諦める、と。
冥王は鬼であり、鬼は己のことは語らない。鬼の年齢など、謎そのもの。
なんの前触れもなく謎解きに挑戦することになった皇帝は、答えを導きださねばならず――。
朝廷がぶちあたった前代未聞の不思議話。
停滞する黎王朝(れいおうちょう)に、新たな風が吹き抜ける。
《国と中央機関》
① 国名は、鼎(てい)。鼎国の皇都は、天延(てんえん)。
② 現在、鼎国を統治しているのは黎家(れいけ)であり、黎王朝では二省六部を、史館(しかん)と貴族院の一館一院が支える政治体制をとっている。
③ 皇帝直属の近衛軍を神策軍(しんさくぐん)という。
④ これらの組織とは別に、黎家を護る三つの家・護三家(ごさんけ)がある。琉(りゅう)、環(かん)、瑶(よう)の護三家はそれぞれ異能を駆使できる。
《人物紹介》
凛丹緋(りん・たんひ)
美人だが、家族から疎まれて育ったために性格の暗さが顔に異様な翳をつくっている。人を寄せつけないところがある。後宮で夫人三妃の選別のため、采女として入宮したばかり。
黎緋逸(れい・ひいつ)
見たものが真実であるという、現実主義の皇帝。
凶相といえるほどの三白眼(さんぱくがん)をもつ。
黎蒼呉(れい・そうご)
緋逸の実弟。流罪となり、南の地で暮らしている。恋魔(れんま)とあだ名されるほど女癖が悪い。多くの文官武官から見下されている。
黎紫苑(れい・しおん)
緋逸の異母弟。これといった特徴のない人。皇帝の異母弟ということもあり、半ば忘れ去られた存在。詩が好き。
崔美信(さい・びしん)
殿中監。殿中省は皇帝の身辺の世話だけでなく、後宮の一切合財を取り仕切る。まだまだ男社会の中でとくに貴族の男を見下している。皇帝相手でも容赦ナイ。
環豈華(かん・がいか)
美信によって選ばれ、丹緋付きの侍女となる。見鬼の能力を有する環家の出だが、無能。いらない存在だった身の上が、丹緋との距離を近づける。
文字数 101,172
最終更新日 2022.11.18
登録日 2021.12.25
(🌸約10年前に書いた作品のリメイク版です)
この物語は、親バカ×幼女×ロリコンの方程式で成り立ちます。
「そんなにスペック上げまくってお前は大統領でも目指してるわけ?」
「……! その手があったか……」
「いや、その手だけは無いわ。お前に国を握らせたら真っ先に俺の人生が終わる!」
1話(時々2話)完結型の日常系どたばたギャグストーリー。
異世界転生、異能力、バトル、ハーレム、胸糞、閲覧注意シーンやバッドエンド要素は一才ありません。
ハイスペックなパパと自称・婚約者のロリコンが、ただのんびり幼女の成長を見守るだけのお話です。
☆ジャンル別ランキング最高4位!ありがとうございます!(*´∀`*)
文字数 54,801
最終更新日 2021.03.18
登録日 2021.03.07
社畜の成瀬が仕事帰りに出会ったのは、ケモミミの生えた幼女だった。
訳あって行き場を失っていた彼女──化け狐の葛葉ちゃんを助けた結果、成り行きで同居することになる。
そして始まったのは、癒しの生活だった。
「なるせお姉ちゃん、肩もみもみしてあげるね~」
「なるせお姉ちゃん、あーんってして」
「葛葉、なるせお姉ちゃんのことだいすき!」
葛葉ちゃんの健気な姿に癒されたり、てぇてぇすぎる葛葉ちゃんに癒されたり、葛葉ちゃんの優しさに癒されたり……。
さらには悪魔幼女も加わって、成瀬はよりいっそう癒されていくことになる。
これは、癒されたい成瀬と成瀬のことが大好きな幼女たちによる、ほのぼのハートフル生活を描いた物語。
文字数 40,531
最終更新日 2022.09.22
登録日 2022.09.03
冒頭からクライマックス、魔王と勇者の戦いが、勇者の勝利で終わろうとしていた。
長らく続いた魔物と人間の争いに終止符が打たれ、世界は人間が支配する、そのはずだった。
しかし魔王は、その死に際に、魔王にだけ伝えられる秘術である「転生魔法」を発動した。
記憶と魔力を引き継いで新たに生まれ変わるというこの魔法で、今度こそ人間を打ち滅ぼすと強く誓いながら、一旦その生涯を閉じた。
そして次に目が覚めると、何と憎き人間に生まれ変わっていた。
体質的に人間は体内の魔力を放出できないらしく、せっかく引き継いだ魔力も全て無駄になり、魔王は平凡な人間に成り下がってしまった。
それでも人間を打ち滅ぼすことを諦めきれない彼は、人として魔界に貢献していくと決意した。
魔王として滅ぼすはずだった人間の世界で、人に仇なそうと企む元魔物の物語がひっそりと幕を開ける。
文字数 73,281
最終更新日 2024.05.23
登録日 2024.04.22
物語の主人公は、持ち主であるお婆ちゃんが大好きな、意思を持つ市松人形。例え直接の会話が出来なくとも、お婆ちゃんが話し掛けてくれるだけで彼女は幸せだった。
しかしその幸せな日々も、長くは続かなかった。お婆ちゃんは患っていた病により、外出先で帰らぬ人となってしまったのだ。それを知らぬまま市松人形は、三日間も彼女の帰りを待ち続けた。
主人不在となった家へ最初に訪れたのは、お婆ちゃんの子供達ーー年齢で言えば四十代後半程ーーだった。
彼らは遺品整理と言う建前で金目の物を持ち出し、更にはお婆ちゃんの大切にしていた物を構わず捨てていった。無論市松人形も、その例外ではなかった。
ゴミステーションに捨てられた市松人形は、全てを諦めかけていた。だが偶然通りかかった轆轤首と言う妖怪によって、彼女は家へと持ち帰られる。
新しい居場所が見つかったことで安堵する市松人形だったが、轆轤首に体を触れられた途端、ある大きな異変が起きた。なんと市松人形は話せるようになっており、更には自身の体をも動かせるようになったのだ。
事の成り行きから、市松人形はツクモノと言う名を与えられる。しかし体が動くようになった事から、市松人形は自分と言う存在がわからなくなってしまった。
市松人形ーーもといツクモノは果たして、無事自分の正体を掴む事が出来るのか。
これは生まれてくる時代を間違えてしまったとある妖怪の、苦悩と葛藤を描く物語である。
※この物語はフィクションです。実在する人物や団体とは関係ありません。
※この作品は他の小説投稿サイトにも投稿しています。
文字数 145,065
最終更新日 2019.03.13
登録日 2019.03.07
己の業を律して世界を侵す、理不尽な運命に立ち向かう物語。
十一の都市から成り立つ大国フォルフヨーゼ。
その主要都市、マルクティアで暮らす一人の男。
キャストールと呼ばれる特殊な鋳物師である男には、
イェフナという血の繋がらない唯一の家族がいた。
年に一度、マルクティアで行われる降誕祭に参加した二人。
そこではフォルフヨーゼに平和と繁栄をもたらした律業の巫女と大地の守護神、
ゴウレムを祝福するための式典が例年通り催される。――はずだった。
フォルフヨーゼの治安を維持し、降誕祭を成功に導く要とも呼べる存在。
己の業を律し、世界を侵す力を持つ者――律業の系譜達でも予期することが出来なかった
最悪の事態に、男はイェフナと共に巻き込まれてしまう。
それが災厄の始まり。
世界に溢れた悪しき業が、男の人生を大きく歪ませていく。
登録日 2020.05.05
文字数 3,323
最終更新日 2024.08.05
登録日 2024.08.05