婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
文字数 34,763
最終更新日 2024.02.09
登録日 2023.01.31
クリぼっちは寂しい。
雪の降る寒い夜だと殊更それが身に染みる。
だから仕事で披露して変なテンションになってしまった俺は道端で思わず叫んだんだ。
「クリスマスなんて……。クリスマスなんて、クソくらえだー!!」
と、どこからともなくドスンという重い音が。
驚いた俺はその音の方へと見に行くことに。
「えっ?」
そこにいたのは紛れもなくサンタクロースはわけで……。
いや、今日は25日ですよ?
寝ぼすけサンタクロースですか?
「いや、違うんですよ」
――そんな奇跡的に出会ってしまった俺が聞いた、聞いてしまった『サンタクロース』のお仕事事情とは?
<カクヨムにも掲載中>
文字数 2,044
最終更新日 2023.12.25
登録日 2023.12.25
百年以上続く小氷期、それに伴って世界中に広がった戦乱――。
それ以前とは180度変わった世界では人々には格付けが当たり前とされ、少ない食糧は選ばれた特権階級だけのものとなった。
そんな過酷な世界で信じられるのはアイツただ一人だけ。
この新しい世界において人権というものが存在しない下町、『忘却都市』で育った2人。
上司でもある『エイデン 樹』と2歳年下の部下となった幼馴染の『フィークス 亮』。
ともに憧れの軍人となったが入ってみればそこに救いはなく、敗北の血脈のせいで迫害を受けることが日常に。
翌日には亮にとって初めての戦争を控え、二人きりになれば精神的に不安定な亮。
戦争を終えても生きているかも分からない事を知る樹はどこかイライラとしてソワソワとする。
伝えなければ――っ!
「亮、好きなんだ!」
★以前書いていた『忘却都市 ~君との愛に溺れたい~』の改稿となりますが同じではありません。
※一部、差別的表現を含みます。
※残酷描写あります。
【とりあえず第一部・完】
文字数 24,624
最終更新日 2022.12.02
登録日 2022.10.28
「まったく……ついてない」
思わずそうぼやいてしまうほどの貧乏な漁村に僕は生まれた。
人生2度目、異世界で人生やり直しをと思っていたのにまさかのこんな場所。
金持ちとは言わないからもっと平凡な人生を望んでいたのにと思い、どうにか改善できる手段を考えていた。
ある日、いつものように商人が村で獲れた魚を買いに来た。
それと同時にたまに面白いものを売ってたりするのだが……。
「これ、かわない?」
そう言って見せられたのはあのよく見慣れた『すり鉢』だった。
これがあれば――蒲鉾が作れるんじゃないか!?
雑魚が雑魚のままなら二束三文だが、美味しい蒲鉾にしちまえば付加価値が付いて儲かるのでは?
そう思って作って隣町で売ってみたが見事に売れずに挫折……。
「なんでだ……」
と、悩むだけはもったいない。
借金を抱えてまで勝手に買ったすり鉢の代金も払わなきゃならないのでここで折れるわけにはいかない。
そう思ってマーケティング!
したらば今は貴族や金持ちたちの間でカニがブームだそうで……。
「よしっ! カニカマを作って今度こそ、ひと儲けだ!」
文字数 9,440
最終更新日 2022.11.23
登録日 2022.11.23
私はある日、生前遊んだことのある乙女ゲームの世界の中に転生してしまった。
それも――ヒロインとして。
悪役令嬢よりは良いかとホッとしていたがそこではたと気付く。
本来の乙女ゲームにて設定されていた性格、言動でなければこの地位も確固たるものではないという事に……。
そして明日はその事が揺らぎかねない重要な場面が待ち構えている日であるのだ。
前夜にひとりパンツを目の前にし、私は延々と悩み続けるのだった。
その為に必要な重要なアイテム――。
「ヒロインのパンツって何色ですか?」
文字数 1,380
最終更新日 2022.07.25
登録日 2022.07.25
これは私がまだ十歳にも満たない頃の話。
お盆休みということで祖父母の家へと今年も遊びに行った。
毎年来ているが海の近くにあるにもかかわらずもうお盆という事で泳ぐことも無く、それでも楽しく過ごしていた。
そんなある日のこと、ふらりと一人で浜辺へと散歩に出かけた私は波打ち際で光る真珠を見付ける。
ただキレイだな~という思いだけで拾って帰ったそれに魅了され、誰にも見つからないようポケットにしまった秘密の宝物となったのだった。
だがその宝物をうっかりとしたミスによって呑み込んでしまい――。
文字数 2,855
最終更新日 2022.07.18
登録日 2022.07.18
7月7日、とある年の七夕でのできごと。
天の川を挟んで彦星の住む側の街にある繁華街は、年に一度しか愛しの妻に会えない彦星の寂しさを埋める第二の安らぎの場所。
その中でも常連となっていた一軒の店で今夜も、彦星は大事な大事な七夕を控えている前日だというのにまたホステスである天女に手を出そうとする程に泥酔しちゃっているのです。
毎年のこととはいえ、この日ばかりはと見かねたこの店の経営者であるママは追加注文をストップ!
彦星に「もう帰ったら?」と帰宅を促して送り出すのですが……。
すっかりと中年になったダメダメ彦星とポンコツ織姫の2人の七夕物語。
きっと今年もあの空の上で2人は――。
文字数 3,423
最終更新日 2022.07.07
登録日 2022.07.07
俺の名前は里中アキト、二十六歳。
プラモデルを作り続けて15年のただのヲタクだ。
休日である今日も日頃のストレス解消をと、せっせといつもの様にプラモデル作成!
「よしっ! これで――完成!」
しかし喜びも束の間。
パシャリと写真を撮ったのを合図にしてか突然消えた俺のプラモデル。
そして数分後に現れた手紙には――!?
文字数 1,885
最終更新日 2022.06.21
登録日 2022.06.21
バレンタインデーなんて毎年、姉2人の為に尽くす日でしかない……。
そんなのが当たり前の毎日だから女に夢を抱くなんてできず、未だに彼女が居たこともない18歳、高校最後の冬。
いつも通りに自分勝手な姉に振り回されてむしゃくしゃして余り物のチョコレートケーキを食べたらうっかりと中に入れていたお酒で酔っ払ってしまい……。
「えっ? ここは…どこ?」
「お願い! 聖女として兄様と精霊の子を作ってほしいの!!」
「えぇー!? 俺は男なのに?」
★読む前に近況ボード〔1〕にある注意書きを読んでね!( ^^)/
【5話完結+外伝2話】
★少しばかり男尊女卑となる表現を含みます。
注意書きを新たに書き加え、内容を更新しました。(2020.02.27)
文字数 29,836
最終更新日 2022.06.05
登録日 2020.02.14
我が家に先祖代々、しかも男にだけ受け継がれてきた呪い。
俺はその抗い様のない呪いを受け入れ、来たるべき日まで自由に過ごすことに決めたのだった。
その呪いとは……『ハゲ』。
何の因果か、この呪いの所為で俺は異世界へと導かれてしまう。
そこで待ち受けていたものとは――っ!
「俺はまだ死にたくなーい!」
文字数 4,869
最終更新日 2022.05.21
登録日 2022.05.21
牛丼が大好き過ぎて某有名チェーン店に就職した三原篤(みはらあつし)。
人生は順風満帆かと思われていたその矢先――それは起こった!!
「えっ!? ここ、どこ?」
神の悪戯か運命か……思いがけずに異世界転移しちゃったのである。
もう二度と帰れぬ故郷、地球……。
それが分かって落ち込むが命の恩人とも言うべき家族の姿を見て奮起する。
己のアイデンティティ、牛丼をこの世界で流行らせると――。
文字数 5,276
最終更新日 2022.03.05
登録日 2022.03.05
同級生の女子からは常に弟扱いしかされず、モテない君だった俺は流れ星に導かれて異世界へと転移した。
ここでならと今までの人生を反省して行いを改め、積極的に振舞うように変えたのだ。
そうしていくと――男の夢! ハーレムができちゃった!
ところが……1、2――と順調に増えていく中、3人目の妻を娶ってルンルンだった俺に悲劇が!?
「旦那様! あなたを訴えさせていただきます!!」
「えぇー!! どうしてこうなった!?」
文字数 4,997
最終更新日 2021.11.29
登録日 2021.11.29
今年もまた夏がやってきた。
そう言えば小学生の頃は毎年祖父母の家へと泊りがけで遊びに行っていたなと思い出す。
あれをやった、これをやった……いろんな思い出が浮かんでくるが一番は「オムライス」のこと。
洋食を作るのが苦手な祖母が、いつも和食が苦手な僕の為に一生懸命作ってくれる料理。
だけどあの日は祖父との初デートの時の思い出話を祖母から聞いて……。
文字数 2,654
最終更新日 2021.07.22
登録日 2021.07.22
暑苦しい日が続く夏。
今年も好物の胡瓜が美味しい季節がやってきた。
だけども何故か、いつも買って2日で必ず腐る。
何をどうしようが必ず2日で……。
そんなある日の晩、目が覚めた私は喉の渇きを覚えて冷蔵庫へ。
冷たい麦茶を飲み干し、麦茶のボトルをしまおうと再び冷蔵庫を開けると――っ!
文字数 1,266
最終更新日 2021.07.07
登録日 2021.07.07
成人して間もないとある女は華やかな青いドレスに身を包み、結婚式を挙げていた。
傍らにいる新郎は老紳士……世間の目から見れば政略結婚の為に老人の元へと嫁がされた可哀そうな貴族令嬢だと見えることだろう。
だが、申し訳なさげに肩をすぼめる老紳士――。
「すまない――。」
その言葉に女は「分かっています……」と。
女は不幸から脱出する為、神への大罪を犯すことも覚悟して今ここに居ます!
文字数 3,251
最終更新日 2021.06.24
登録日 2021.06.24
《あの有名な「茶色の小瓶」という歌、あなたは憶えていますか?》
《これはその歌をモチーフにした、不思議な物語です。》
ある日少年は唯一の肉親であり、大好きだった爺様を亡くした。
それを機に、その爺様に「大きくなったら譲る」と言われていた『茶色の小瓶』を手にする。
生きていく為にと田舎を出て、大きな隣街で子供の頃から修行の日々……。
形見となった『茶色の小瓶』を手放さず、爺様に話しかけるような気持ちで少年はいつも大事に磨き続けるのだった。
だが修行先の飯屋にてそこの娘と恋仲になり、その娘が成人すると結婚を決意するようになる。
子供の頃からの生まれ故郷に店を出すという夢を叶える為、田舎に連れて行くことを悩みもしたが……。
文字数 3,773
最終更新日 2021.05.28
登録日 2021.05.28
ダンジョンから溢れ出て街を襲おうとしたモンスターを一人で討伐したオデュッセウス。
彼は英雄と呼ばれるようになり、叙勲もされた。
だが国王は、平民であるオデュッセウスをただの道具としてしか思っておらず……。
「出て行ってやる!!」
とうとうパワハラに耐え兼ねたオデュッセウスは逃げてしまう。
並の場所ではすぐに見つかってしまうし人間不信にもなってきていたオデュッセウスは隠れ家にと、寂れた観光地となっていたダンジョンを選ぶ。
オデュッセウスはそこへ住み着き、道中で買ったスクロールより小間使いを召喚した……はずだった。
されども偶然の産物で『おかん』は召喚され、オデュッセウスを甘えさせて自堕落な生活へと変貌させていく。
「ニート最高♪」
文字数 2,944
最終更新日 2021.05.26
登録日 2021.05.26
勇者に憧れた某国の王女様……。
結婚適齢期になったが求婚してきた男性たちを軒並み断り、父である国王に甘え――王族であるが故の義務を放棄してでも憧れの人と結婚したいとちょっと特殊な婚活にでることに……。
「いや、貴様――こっち付いてくんな!!」
文字数 1,658
最終更新日 2021.05.18
登録日 2021.05.18
ある日、目覚めると……俺は暗闇の中に寝ていた。
ここはどこなのか……恐怖に足が竦む。
暗闇しか無い中で右往左往するがどこへ行っても闇、闇、闇――。
手探りでしか進めぬこの中で、やっとの思い出で入口を俺は見付けた!
だがしかし、暗闇は続くだけで何もなし……と思ったが!?
最期に分かるは、希望か――絶望か――。
文字数 3,133
最終更新日 2021.05.08
登録日 2021.05.08
これはどこにでもある日常の風景……。
毎朝奏でる家の音は、今日もどこかで鳴っている。
これはそんな音だけで表した、あなたの朝の一つ。
あなたが主人公のプロローグ。
さぁ、想像してみてください。
気持ち良く目覚めた朝は朝ごはんも美味しいね♪
今日の朝食は何でしたか?
身支度を済ませて今日も学校へと――レッツゴー!
文字数 427
最終更新日 2021.05.03
登録日 2021.05.03