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「よくもぬけぬけと……今まで隠していたのだな」
昨日まで優しく微笑みかけてくれていた王太子はもういない。
双子の妹として産まれ、忌子、とされ、王家に嫁がせ発言力を高めるための『道具』として育てられた私、メルクール。
一つ上の姉として生きてきたブレンダが、王太子に私たちが本当は双子でという話をしてしまった。
この国では双子の妹ないしは弟は忌子として嫌われる。産まれたその場で殺されることもある。
それを隠して『道具』として育てられ、教育を施された私はまだ幸せだったかもしれないが、姉が王太子妃の座を妬んで真実を明かしてしまった。
王太子妃教育も厳しかったけれど耐えてきたのは、王宮に嫁ぎさえすればもうこの嘘を忘れて新しく生きることができると思ったからだったのに…。
両親、そして婚約していた事すら恥とした王室により、私は独身で社交性の無い、顔も知らない『野獣』と呼ばれる辺境伯の元に厄介払い、もとい、嫁ぐ事となったのだが、辺境伯領にいたのは淡い金髪に青い瞳の儚げに見える美青年で……?
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義にて掲載予定です。
文字数 33,435
最終更新日 2021.05.30
登録日 2021.05.20
「あら、ご存知ありません?」
この言葉の後に続くのは全て嘘八百……だけれど、ソニア・ヘイドルム侯爵令嬢の言葉にはその場にいる誰もがそれを分かって耳を傾ける。
その場にいる人を幸せにする『嘘』を吐くのが彼女であり、それは王太子妃として諸外国と渡り歩くための社交性の一つとして評価されていた。
しかし、当のソニアは『王太子妃、引いては国母なんてなりたく無いわい、嘘吐き女として精々振る舞ったるわ!』という、王太子妃候補からふるい落とされたい一心での振る舞いだった。
王太子妃候補は5人。そして王太子であるランドルフ・ディ・ヴァレンティヌは紺の絹糸のような髪に黒曜石の瞳の美丈夫であり、『氷の貴人』と呼ばれる無表情、無感情な男だ。見た目と帝王たる威厳、知識と知性はあるが、愛される、とは程遠い。
そんな彼を支える妻として王太子妃を選ぶべく、1ヶ月の間離宮を与えられた王太子妃候補『リリィクイン』たち。
ソニアは平和に、平穏に、誰の家とも不和を起こさず、実家に帰る事を目的にしていたが、何故か他の候補が勝手に身を引いていく……?
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※小説家になろう様でも別名義で掲載中です。
文字数 31,730
最終更新日 2021.05.20
登録日 2021.03.17
フリージア・ドントベルン侯爵令嬢は、自分のことをどこにでもいる平凡な令嬢だと思っている。内心で自分のことを『テンプレート』『判で押したような』と思っているが、それを口に出すのは避けていた。
ブルネットの髪に茶色の瞳、中肉中背で、身分に見合ったドレスを着ていなければ、きっと誰からも見落とされると。
しかし、見るからに『ヒロイン』な分家の従姉妹であり幼馴染のジャスミン・ユルート伯爵令嬢からの強い崇拝を受けている。お陰で少しでも「私なんて」と言ってはいけないとクセがついていた。言えば、100倍の言葉で褒め称えてくるからだ。怒りもするし泣きもする。
彼女の金の眩い髪に夏の空色の瞳、メリハリのある何を着ても着こなす身体。
一体何が良くてフリージアを崇拝しているのかは謎だが、慕われて悪い気はしないので仲良くしていた。
そんなフリージアとジャスミンは同い年で、デビュタントの日も一緒となり……そこに招かれていた公爵家のバロック・レディアン令息と侯爵家のローラン・フュレイル令息は、それぞれ一目惚れをした。
二人の美形青年令息と従姉妹命のヒロイン属性令嬢による、テンプレ令嬢を中心にしたドタバタ恋愛騒動、開幕。
※コメディ風味です、頭を緩くしてお読みください。
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※小説家になろう様でも別名義で掲載中です。
文字数 29,986
最終更新日 2021.05.02
登録日 2021.02.25
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
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※小説家になろう様でも掲載予定です。
文字数 33,999
最終更新日 2021.04.01
登録日 2021.03.20
「ルシアナ、今日も綺麗だね」
私、ルシアナ・ユーグレイシアの朝はこの一言に始まる。
侍従長を務める伯爵のお父様、その後継として遠縁から引き取られたお義兄様、優しく穏やかなお母様、侍女、そして王立学園に行けば、登校中から教室に入ってまで。
見てくれだけを褒められ続けた結果、私の心は荒み、荒廃し、内心やさぐれていた。
白銀の髪にアイスブルーの瞳、白くて大理石のように滑らかな肌に、細くて長い手脚とメリハリのある体。
暴飲暴食、夜更かしに偏食、何をやっても変わらないこの見た目。
いつしか私の見た目を褒める人は皆敵と思って無表情で過ごすようになれば高嶺の花ときた。
仕方がないので、笑顔で躱す癖もつけました。
そんな時、隣国からの留学生として第一王子が転校してきた。
彼はとても愛想が良く、万人に優しく、そして私にとっても救いの神だった。
「君、すっごく可愛くないね」
爽やかな笑顔で言われた言葉の裏には、彼の秘密があって……?
※感想については近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義にて掲載中です。
文字数 29,105
最終更新日 2021.03.08
登録日 2021.02.06
王侯貴族の令息令嬢が通う王立学園の卒業パーティーにて、ユーグレース・ザイン伯爵令嬢は、婚約者のリンク・ユシュグライド第一王子に、キリアン・ルーチェ子爵令嬢を虐めたという虚偽の罪で公の場で断罪され、婚約破棄を申し渡される。
リンク殿下とキリアン様の周りには取り巻きのように控える騎士を目指す男爵令息、魔導師として将来を嘱望される伯爵令息、宰相閣下の息子である公爵令息、教皇令息が控えていた。
※小説家になろう様でも別名義で掲載しています。
※思いつきの1話完結です。
※色々頭を緩くしてお楽しみください。
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文字数 3,217
最終更新日 2021.01.27
登録日 2021.01.27
辺境伯令嬢バーバレラ・ドミニクは日夜剣と政治、国境の守りに必要な交渉術や社交性、地理といった勉強に励んでいた。いずれ、辺境伯となった時、騎士として最前線に立ち国を守る、そんな夢を持っていた。
社交界には興味はなく、王都に行ったこともない。
一人娘なのもあって、いつかは誰か婿をとって家督は自分が継ぐと言って譲らず、父親に成人した17の時に誓約書まで書かせていた。
そして20歳の初夏に差し掛かる頃、王都と領地を往来する両親が青い顔で帰ってきた。
何事かと話を聞いたら、バーバレラが生まれる前に父親は「互いの子が20歳まで独身なら結婚させよう」と、親友の前公爵と約束を交わして、酒の勢いで証書まで書いて母印を押していたらしい?!
その上王都では、バーバレラの凄まじい悪評(あだ名は『怪物姫』)がいつの間にか広がっていて……?!
お相手は1つ年上の、文武両道・眉目秀麗・社交性にだけは難あり毒舌無愛想という現公爵セルゲウス・ユージーンで……このままだとバーバレラは公爵夫人になる事に!
そして、セルゲウスはバーバレラを何故かとても溺愛したがっていた?!
そのタイミングを見計らっていたように、隣の領地のお婿さん候補だった、伯爵家次男坊まで求愛をしに寄ってきた!が、その次男坊、バーバレラの前でだけは高圧的なモラハラ男……?!
波瀾万丈のコメディタッチなすれ違い婚姻譚!ハッピーエンドは保証します!
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※小説家になろう様でも別名義で掲載予定です。
※1日1話更新、できるだけ2話更新を目指しますが力尽きていた時はすみません。長いお話では無いので待っていてください。
文字数 33,431
最終更新日 2021.01.24
登録日 2021.01.15
第二王子のアンドリュー・メルト殿下の婚約者であるリーン・ネルコム侯爵令嬢は、3年間の期間を己に課して努力した。
しかし、アンドリュー殿下の浮気性は直らない。これは、もうだめだ。結婚してもお互い幸せになれない。
婚約破棄を申し入れたところ、「やっとか」という言葉と共にアンドリュー殿下はニヤリと笑った。私からの婚約破棄の申し入れを待っていたらしい。そうすれば、申し入れた方が慰謝料を支払わなければならないからだ。
この先の人生をこの男に捧げるくらいなら安いものだと思ったが、果たしてそれは、周囲が許すはずもなく……?
調子に乗りすぎた婚約者は、どうやら私の周囲には嫌われていたようです。皆さまお手柔らかにお願いします……ね……?
※幾つか同じ感想を頂いていますが、リーンは『話を聞いてすら貰えないので』努力したのであって、リーンが無理に進言をして彼女に手をあげたら(リーンは自分に自信はなくとも実家に力があるのを知っているので)アンドリュー殿下が一発で廃嫡ルートとなります。リーンはそれは避けるべきだと向き合う為に3年間頑張っています。リーンなりの忠誠心ですので、その点ご理解の程よろしくお願いします。
※HOT1位ありがとうございます!(01/10 21:00)
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義で掲載予定です。
文字数 30,300
最終更新日 2021.01.17
登録日 2021.01.09
魔力無しの烙印を押されたノア・ベイクスは、恥晒しと罵られベイクス公爵家を勘当される。
この国の貴族で魔法が使えない者は『泥の血』と呼ばれ、平民落ちとされる決まりもある。泥の血……つまりは、農作業位にしか使い道がないという意味だ。
勘当される事を国王に告げるため謁見した折に、国王はノアの才能に気付く。
「その青年、要らぬと言うなら私が貰い受けよう」
『泥の血』のノアは国王によって見出され、やがて影となって市井の問題を解決していく。
※いずれ二章〜を書きたいと思いますが一旦完結とします。
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義で連載予定です。
文字数 20,550
最終更新日 2021.01.05
登録日 2020.12.28
「おっきくなったらミーシャのこと、お嫁さんにしてくれる?」
「当たり前だろ。ミーシャは俺がいないと何にもできないんだから、ずっと俺が守ってやるよ」
そんな約束をしたこともあったな、とミーシャ・ジェニック伯爵令嬢は窓の外を見て溜め息を吐いた。
小さな頃は身分なんて関係なかった。大好きだった男の子のヴァンツァーは、今この領地にいない。7年前に「冒険者になる」と出て行ったのだ。
私は約束を忘れられず、お見合いを断り社交も避けて、もうすぐ20歳になろうとしていた。
いつまでもこのままではいけない、そろそろちゃんと身を固めないと……、と思っていた所にヴァンツァーが帰ってきて。
「ミーシャ、俺と結婚してほしい」
帰ってきて第一声の、いきなりのプロポーズに私は何がどうしてそうなったのか、全く理解ができずに、一度保留にして素っ気ない態度をとってしまう。
しかし、ヴァンツァーは全くあきらめる気配は無く……。
※気が向いたら番外編を書きますが、一旦完結とします。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義にて連載しています。
文字数 24,907
最終更新日 2021.01.02
登録日 2020.12.26
「ニア・ユーリオ伯爵令嬢、君との婚約は破棄する。そして、アリアナ・ヴィンセント子爵令嬢への殺人未遂で捕らえさせてもらう」
グレアム・ミスト侯爵子息からの宣言に、私は死を悟った。
学園の卒業パーティー、私からグレアム様を掠め取ったアリアナ嬢が憎くて、憎くて、憎くて……私は、刃物を持ち込んでしまった。そして、殺人を犯す間際にグレアム様に刃物を叩き落とされた。
私の凶行によって全て無くし、死刑を待つ牢屋の中で、どうしてこうなったのかを考えていたら……そもそも、グレアム様に固執するのがよくなかったのでは無いか?あんな浮気男のどこがいいのか?と、思い至る。
今更気付いた所でどうにもならない、冷たい鉄の板に薄布が敷かれた寝台の上で「やり直せるなら、間違わないのに」そう呟いた瞬間、祖父からもらった形見のネックレスが光を放って……気付けば学園入学時に戻っていた?!
よくわからないけどやり直せるならやり直す!浮気男(共)の本性はわかっている、絶対に邪魔はしない、命あっての物種だ!
だから私、代表して晴の舞台で婚約破棄というざまぁをされます!
さぁ皆さん、ヒロインのアリアナ嬢はあちらです!
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。
※小説家になろう様でも別名義で連載しています。
文字数 32,087
最終更新日 2020.12.17
登録日 2020.12.11
アナスタシアは18歳の若さで聖女として顕現した。
聖女・アナスタシアとなる前はアナスタシア・リュークス侯爵令嬢。婚約者は第三王子のヴィル・ド・ノルネイア。
王子と結婚するのだからと厳しい教育と度を超えた躾の中で育ってきた。
アナスタシアはヴィルとの婚約を「聖女になったのだから」という理由で破棄されるが、元々ヴィルはアナスタシアの妹であるヴェロニカと浮気しており、両親もそれを歓迎していた事を知る。
聖女となっても、静謐なはずの神殿で嫌がらせを受ける日々。
どこにいても嫌われる、と思いながら、聖女の責務は重い。逃げ出そうとしても王侯貴族にほとんど監禁される形で、祈りの塔に閉じ込められて神に祈りを捧げ続け……そしたら神が顕現してきた?!
虐げられた聖女の、神様の溺愛とえこひいきによる、国をも傾かせるざまぁからの溺愛物語。
※HOT1位ありがとうございます!(12/4)
※恋愛1位ありがとうございます!(12/5)
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも別名義にて連載開始しました。改稿版として内容に加筆修正しています。
文字数 38,726
最終更新日 2020.12.08
登録日 2020.12.02
小さい頃から山猿姫と呼ばれて、領民の子供たちと野山を駆け回り木登りと釣りをしていた、リナ・イーリス子爵令嬢。
成人して社交界にも出たし、今では無闇に外を走り回ったりしないのだが、元来の運動神経のよさを持て余して発揮しまった結果、王都でも山猿姫の名前で通るようになってしまった。
もうこのまま、お父様が苦労してもってくるお見合いで結婚するしか無いと思っていたが、ひょんな事から、木の上から落ちてしまった私を受け止めた公爵様に婚約を申し込まれてしまう。
しかも、公爵様は「私の天使」と私のことを呼んで非常に、それはもう大層に、大袈裟なほどに、大事にしてくれて……、一体なぜ?!
両親は喜んで私を売りわ……婚約させ、領地の屋敷から王都の屋敷に一人移り住み、公爵様との交流を深めていく。
一体、この人はなんで私を「私の天使」などと呼ぶのだろう? 私の中の疑問と不安は、日々大きくなっていく。
ずっと過去を忘れなかった公爵様と、山猿姫と呼ばれた子爵令嬢の幸せ婚約物語。
※小説家になろう様でも別名義にて連載しています。
文字数 34,041
最終更新日 2020.11.29
登録日 2020.11.24
「ユーリカ……、どうか、私の愛を受け止めて欲しい」
何を言ってるんだこの方は? という言葉を辛うじて飲み込んだユーリカ・クレメンス辺境伯令嬢は、頭がどうかしたとしか思えないディーノ・ウォルフォード王太子殿下をまじまじと見た。見つめた訳じゃない、ただ、見た。
何か否定する事を言えば不敬罪にあたるかもしれない。第一愛を囁かれるような関係では無いのだ。同じ生徒会の生徒会長と副会長、それ以外はクラスも違う。
そして何より……。
「殿下。殿下には婚約者がいらっしゃいますでしょう?」
こんな浮気な男に見染められたくもなければ、あと一年後には揃って社交界デビューする貴族社会で下手に女の敵を作りたくもない!
誰でもいいから助けて欲しい!
そんな願いを聞き届けたのか、ふたりきりだった生徒会室の扉が開く。現れたのは……嫌味眼鏡で(こっそり)通称が通っている経理兼書記のバルティ・マッケンジー公爵子息で。
「おや、まぁ、……何やら面白いことになっていますね? 失礼致しました」
助けないんかい!!
あー、どうしてこうなった!
嫌味眼鏡は今頃新聞部にこのネタを売りに行ったはずだ。
殿下、とりあえずは手をお離しください!
※小説家になろう様でも別名義で連載しています。
文字数 32,960
最終更新日 2020.11.25
登録日 2020.11.20
「君は悪くない。だけど私は、君と結婚するのが嫌なんだ。さようなら」
シュヴァルツ・バルディン第二王子はそう告げると、笑って婚約者のリディア・マルセル侯爵令嬢を底の見えない谷底に崖から突き落とした。
リディアが次に目を覚ました時には、無傷?!
蝶よ花よと大事に育てられたせいで誰にも気付かれなかった、生命神の加護を持つリディア。
「まぁ、なぜ正式な婚約破棄になさらなかったのかしら。お伺いしませんと、私で無ければ死んでしまいますわ」
きっと彼は崖から人が落ちたら死ぬという事を知らなかったに違いない。うっかりさんには、帰ってちゃんと説明しなければいけないと王都に帰る事を決めるリディア。きっと周りの人には死んだと思われているだろうから、一人でぼろぼろの姿で帰ることで身分を証明しよう。
しかし、なぜも何も、うっかりなどではなくシュヴァルツ王子は殺す気満々でリディアを突き落としたのだ。
脳内お花畑の侯爵令嬢リディアによる、甘いマスクの中身はドクズ下衆野郎の第二王子シュヴァルツへの、どたばたほんわか復讐ざまぁが、今、始まる。(なお、当人に自覚なし)
※小説家になろう様でも別名義で連載しています。
11/16 19:00 小説家になろう様にて、ジャンル別、総合日間 1位ありがとうございます!!
文字数 32,962
最終更新日 2020.11.19
登録日 2020.11.13
婚約者であるパーシバル殿下に婚約破棄を言い渡されました。それも王侯貴族の通う学園の卒業パーティーの日に、大勢の前で。わたしより格下貴族である伯爵令嬢からの嘘の罪状の訴えで。幼少時より英才教育の過密スケジュールをこなしてきたわたしより優秀な婚約者はいらっしゃらないと思うのですがね、殿下。
わたしは国のため早々にこのパーシバル殿下に見切りをつけ、病弱だと言われて全てが秘されている王位継承権第二位の第一王子に望みを託そうと思っていたところ、偶然にも彼と出会い、そこからわたしは昔から想いを寄せられていた事を知り、さらには彼が王位継承権第一位に返り咲こうと動く中で彼に溺愛されて……?
陰謀渦巻く王宮を舞台に動く、万能王太子妃候補の恋愛物語開幕!(ただしバカ多め)
小説家になろう様でも別名義で連載しています。
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照してください。
文字数 31,082
最終更新日 2020.11.06
登録日 2020.10.30
「もう要らないわ、お姉様にあげる」
サリバン辺境伯領の領主代行として領地に籠もりがちな私リリーに対し、王都の社交界で華々しく活動……悪く言えば男をとっかえひっかえ……していた妹ローズが、そう言って寄越したのは、それまで送ってきていたドレスでも宝飾品でもなく、私の初恋の方でした。
ローズのせいで広まっていたサリバン辺境伯家の悪評を止めるために、彼は敢えてローズに近付き一切身体を許さず私を待っていてくれていた。
そして彼の初恋も私で、私はクールな彼にいつのまにか溺愛されて……?
妹のおさがりばかりを貰っていた私は、初めて本でも家庭教師でも実権でもないものを、両親にねだる。
「お父様、お母様、私この方と婚約したいです」
リリーの大事なものを守る為に奮闘する侯爵家次男レイノルズと、領地を大事に思うリリー。そしてリリーと自分を比べ、態と奔放に振る舞い続けた妹ローズがハッピーエンドを目指す物語。
小説家になろう様でも別名義にて連載しています。
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)
文字数 37,953
最終更新日 2020.10.30
登録日 2020.10.23
あらぬ罪を着せられ婚約破棄を言い渡されたジュリア・スカーレット伯爵令嬢は、ある秘密を抱えていた。
それは、元婚約者モーガンが次の婚約者に望んだジュリアの妹マリアが、モーガンの実の妹でもある、という秘密だ。
本当ならば墓まで持っていくつもりだったが、ジュリアを婚約者にとモーガンの親友である第一王子フィリップが望んでくれた事で、ジュリアは真実を突きつける事を決める。
※エピローグにてひとまず完結ですが、疑問点があがっていた所や、具体的な姉妹に対する差など、サクサク読んでもらうのに削った所を(現在他作を書いているので不定期で)番外編で更新しますので、暫く連載中のままとさせていただきます。よろしくお願いします。
番外編に手が回らないため、一旦完結と致します。
(2021/02/07 02:00)
小説家になろう・カクヨムでも別名義にて連載を始めました。
恋愛及び全体1位ありがとうございます!
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)
文字数 25,142
最終更新日 2020.10.21
登録日 2020.10.17
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