「皮肉」の検索結果
全体で208件見つかりました。
猿にもわかる占いの作り方。
これで君も明日から占い師だ。
魔法使いは現実にはいないけど、占い師なら現実にいるぞ!現実の君には大魔法使いになれる血統も神様からの贈り物もないけれど、オリジナルの占いならだれにでも作れるぞ!ただし、君がカリスマ占い師になれるかどうかは君自身の問題だ。
「小説家になろう」にも掲載中
文字数 1,951
最終更新日 2017.11.09
登録日 2017.11.09
※第5回ライト文芸大賞エントリー作品※
大正時代のある商家。
体の弱さがもとで厭世的になり、本に囲まれて暮らす次男・寅之助は
7歳年上の使用人・弥吉から、一輪の花を差し出される。
その花は、アルストロメリア。
花言葉は「未来への憧れ」。
皮肉屋な態度を取り続ける寅之助に対し、
弥吉が献身的に仕えるのには、理由があった――。
主従関係の二人が過ごす、甘くも苦いひと月の物語。
文字数 10,207
最終更新日 2022.04.27
登録日 2022.04.24
「あけのえいゆうおう はくぎんのけんじゃ」と読みます。
前作「宵の太陽 白昼の月」から10年後のお話で、懐かしのキャラ達も出てきますが、前作読んでなくても読めます。
◇◆◇あらすじ◇◆◇
ローアル王国の田舎村に住む青年ルフスはある日、神託を受けて伝説の剣を探すため、旅に出る。その道中、助けた青年ティランは自身にまつわる記憶を失っていた。ルフスとティランは成り行きから行動を共にすることになるが、行く先々で奇妙な事件に巻き込まれて……
◇◆◇登場人物◇◆◇
ルフス(17)
ローアル王国の田舎出身の青年。身長が高く、ガタイがいい。村では家業の手伝いで牛の世話をしていた。緋色の髪と同じ色の目。瞳と虹彩の色は銀。太い眉と丸くてかわいらしい形の目をしている。
性格は素直で、真っ直ぐ。穏やかで人好きのするタイプ。
巫女の神託を受け、伝説の剣を探し旅に出る。
ティラン(?)
記憶喪失で、自身にまつわることを覚えていない。気づいたら、知らない場所にいてふらふらと歩いていたところを悪漢に絡まれ、ルフスに救われる。その後はルフスと行動を共にすることに。
黒髪で、猫を思わせる吊り気味の黒目。
性格はやや打算的で、皮肉屋。
変わった口調で話す。
※物語初めのメインはこの二人ですが、今後、ストーリーが進むにつれてキャラクターが増えていきます。
文字数 151,083
最終更新日 2024.04.27
登録日 2024.04.26
文字数 2,296
最終更新日 2020.01.10
登録日 2020.01.10
ひょんな事から異世界転生してしまった俺。魔法の存在する異世界に転生したのだが、生まれながらにして全魔術を使え知識もあり魔力も最強のチート魔術師なのに、MPが0だった為魔術が一切使えない。そして屈辱の日々を送る事はや十数年、青年期に達した俺は皮肉から”賢者ゼロ”と呼ばれていた。しかし誰か別人がMPを肩代わりするという妙案により俺に最強の大賢者への道が開かれた。
更にこのMPタンク役を巡って女子の中で争奪戦が勃発。つまり最強のモテ期到来って訳だ。
そして俺はこの力を使って群がる女子達を囲ってハーレムを築く事を決意する。
セクシーで積極的なメア、堅物で初々しい御門先輩、献身的な幼馴染アリス、物語はこの3人を中心としたハーレムメンバーで進んでいく。ハーレムの王を目指す大賢者の物語が今始まる。
※表題通り、ハーレム物です。妻候補たちとアレコレソレを致してます。におわせ程度の表現が出てきます。
※純愛ハーレム物ではありません。途中から魔術で好感度を弄るハーレム物になります。
※某賢者小説とキャラ名が一部被ってますが偶然の一致です。今更変えられないのでご容赦下さい。
■※小説家になろう、カクヨム、ハーメルン、アルファポリスに投稿している作品です。
文字数 81,512
最終更新日 2022.08.31
登録日 2022.07.25
東京近郊のK市で車の盗難が発生。持ち主の刑部建設の社長は自力で車を取り戻すべくヤードに乗り込み警察に逮捕される。
その話を聞いた植草は、社長が何故、自ら取り戻そうとしたのか疑問を抱く。他方、運転手の証言から犯人扱いされた「車泥棒噂の三人組」も自分たちの濡れ衣を晴らそうと動き出す。
車には政治家へ賄賂の高価な絵画が積まれており、刑部はそれを秘匿するために秘密裏に取り戻そうとしたのであった。更にその絵を盗もうとした運転手の狂言であると見抜いた植草や三人組は、その絵を取り戻す。だが、その絵を見た植草達は驚く。何故ならそれは目下修復を終えて、美術館で展示中の作品と酷似していたのだ。
三人組のうちの二人、ビリーとコジローは絵を警察に届けるよう植草に託すが、紅一点とみられるミサキは執拗に反対する。
二枚の絵を巡り、真贋論争で世間が大騒ぎをする最中、植草は誰が贋作を描いたのか? に興味を惹かれる。そんな時、修復依頼を請け負った画廊オーナーである小林が殺害される。警察の捜査で、犯人は左利きの可能性が濃いこと、現場に残された毛髪から女性の犯行だと判明。 警察は故買組織の犯行と見て捜査を開始する。小林が殺害されたことで、植草は小林と昔親交があり、過去にも贋作事件を起こした磯村の仕業を疑い、彼について調査を開始した。
そして過去の贋作事件で、T大教授の山下が自殺したこと、その娘が美咲と知り、三人組のミサキが美咲で、今回の事件は彼女の仕業なのではないかと考える。そんな植草の元に、コジローがビリーに殺されたと知らせが入る。植草は、ビリーこそ美咲であること、そしてミサキは磯村の息子琢磨であり、離婚した母親の旧姓三崎を名乗っていることを知る。このままでは磯村とミサキの命が危ないと考えた植草は、三崎家を訪れ磯村の現在の居所を聞き出すと共に、琢磨の部屋を見せてもらう。そこで植草は自分の推理の間違いに気づき、磯村の住む蓼科に急いで向かう。警察がビリーを捕獲しようとするが、ビリーは磯村を人質に逃走を図ろうとする。だが、コジローを殺害した犯人が左利きと知った植草は、琢磨こそ殺人犯であると告げるのであった。琢磨は父親のせいで、自分自身の人生も狂わせられた事を恨んでいた。そして、これ以上問題を起こさないよう父親殺しを決心する。そして磯村に恨みを持つ美咲を利用することを思いつく。結局ビリー(美咲)は、ミサキ(琢磨)の復讐に利用されたのであった。
殺人事件は一応の決着を見たが、更に植草は、磯村が本物の絵を隠していることも指摘する。真贋論争渦中の二枚はどちらも磯村が描いた贋作であり、これこそ世間を恨む磯村が仕組んだ最大のリベンジであり、それを阻止しようとした琢磨に殺人を犯させる皮肉な結果となったのである。こうして本物の絵は無事回収され、すべてが決着したのであった。
文字数 99,970
最終更新日 2023.05.31
登録日 2023.05.31
日本という呼称がされなくなった時代、過去の過ちを繰り返すように政府の独裁体制が敷かれていた。
四咲 詩音《よつさき しおん》、十八歳。
反政府思想を掲げる一人の少女。五年前に政府に勤めていた両親が殺められ、それ以降、事件の真相を追い政府へのアンチテーゼを示し続ける。
ある日、詩音が一人の女性からの依頼遂行へと向かう最中、黒瀬 來奈《くろせ らな》と名乗る十八歳の少女に声を掛けられた。
彼女もまた政府に対する強い憎しみを抱いており、その目的は政府の息が掛かった者を皆殺しにすることだった。來奈には十三歳から十四歳に至るまでの記憶が無く、自身の中から抜け落ちた空白の一年に苦しんでいた。
政府に牙を剥く二人に立ち塞がるのは、政府直属掃討部隊レイスと呼ばれる武闘派集団。国の平和を謳う政府と反政府を掲げる二人。相反する思想を抱く双方が幾度と無く衝突する。
五年前の真相を知る為に政府と戦う詩音。
政府の連中を皆殺しにする為に戦う來奈。
たった二人で抗う彼女達は、先ず、政府が秘密裏に開発を進める違法麻薬『促進剤』についての情報を追う。皮肉にも、違法麻薬の真実が二人の過去へと繋がるとも知らずに。
大切だった存在は今、憎むべき存在へと変わる。
此れは──相反する白と黒。決して交じり合って灰色にはなれない物語。
文字数 121,108
最終更新日 2024.09.24
登録日 2024.08.27
糟糠の妻とは、貧しい時に支えられて成功したら捨てられる妻のことをいう。
でも、この糟糠の妻は少し違った。夫をとうに見放し、新しい妻ができたことを内心密かに喜んでいた。
糟糠の妻は、どこかひっそりと一人で暮らして死にたかった。
しかし運命は皮肉なもので・・
別れてからかつての夫や、見放した人たちが追いかけてきたのである。
新しい妻からの嫉妬や恨みをかった古い妻は戦う羽目になった。
文字数 60,758
最終更新日 2024.02.11
登録日 2023.02.19
大賢者カトーのもとに二人の冒険者が訪れる。
異なる時代の日本に生きた転生者と転移者が異世界で出会った結末は?
ちょっと皮肉でブラックなショートショートです。
文字数 2,798
最終更新日 2020.01.05
登録日 2020.01.05
下位貴族の令嬢は、貴族学園に入学して結婚相手を探すのが一般的である。ステラ・キラータイム男爵令嬢の、年の離れた姉たちも貴族学園で相手を見つけて結婚した。だがステラは控えめに言っても結婚には向かない人物で、両親も「ステラの夫になる人が哀れだ」と、早くからステラを職業婦人として自立させることに決めていた。ステラ自身も夢があり、それを叶えるために職業訓練学校合格を目指して、猛勉強した末、首席合格を獲得。だが頭の固い祖父の策略で、せっかく合格した職業訓練学校は入学辞退、無試験の貴族学園に入る羽目に。だが半年後には転校できる制度があるため、ステラは職業訓練学校へ編入するべく猛勉強していた。自習に励む図書館で、さえない中年に擬態した元王太子ミゲールと出会ったのは鬱陶しかったが、それもあともう少しの辛抱と、鉛筆をへし折りながら我慢する。
転校を目前に控えたある日、士官学校に通う兄のハーバーから、とんでもない依頼をされる。ハーバーの士官学校での友人の弟が、隠れて不死鳥の雛を羽化させたというのだ。神獣の卵、もしくは雛は見つけ次第王国軍に報告し、回収してもらう義務がある。怠れば貴族社会からの追放もあり得る。そこでステラに、密かに雛を回収して王国軍に引き取ってもらいたいと、ハーバーは頼み込んだのだ。
貴族学園の寮は男女別はもちろんだが、貴族階級によって厳密に分けられ、下位貴族のステラが、上位貴族の男子寮に入るのは無理がある。そこで図書館長ミゲールの協力を得て、上位貴族男子寮に忍び込んだ矢先、不死鳥の親鳥が駆けつけて無理矢理人間によって羽化させられ瀕死の雛に激怒、王国軍も駆けつけたが、怒り狂う不死鳥に太刀打ち出来ない。ステラは独自のルートで得た魔石で雛を回復させて、穏便に不死鳥にお帰りいただいたが、その出来事は直ちに魔術の師匠である、王国魔術師長マルガリータに伝わった。マルガリータ魔術師長は、ステラの職業訓練学校への転校を取り消し、王国魔術師団へ入団することを命じる。
ステラは職業訓練学校で青春を謳歌し、卒業後は冒険者として世界を旅するのを目的としていた。王国魔術師団入団は名誉であるが、過酷な仕事と、何より口うるさい師匠のマルガリータ魔術師長配下になるのが嫌だったのだ。
だが配属先の王国魔術師団研究開発部は想像より楽しい職場で、ステラは仕事に恋愛にと充実した日々を送っていた。邪魔者の元王太子ミゲールが王国魔術師団まで追いかけてきたのが邪魔だったのと、世情もきな臭くなって、ステラは否が応にも巻き込まれていく。日増しに人相が悪くなるステラは、だがそれら障害を豪快に蹴散らしていく。皮肉にもステラの活躍は、子供の頃に描いた、自由を謳歌する未来予想図とは全く違う人生を突き進む羽目となる。
文字数 94,465
最終更新日 2024.08.29
登録日 2024.08.29
これはある少年の成長と仲間達との出会い、そして歴史に刻まれることのない戦いの結末を綴る物語である。
この世界は神の気紛れと暇潰しによって創られた。
その世界の名は『スカイライン』。
この世界は私達の世界では架空とされている『魔法』や『エルフ』『龍』等が存在する、とても豊かな世界である。
しかしそんな豊かな世界は一度滅亡の危機に晒され、過去に類を見ない程の犠牲者を出した歴史がある。
『光と闇の戦争』と呼ばれるスカイライン史上、最も激戦となった戦いである。
しかしそんな危機から救った英雄がいることもまた事実であり、世界を救った七人は『スカイラインの英雄』と呼ばれるようになった。
そんな戦いから幾年もの時が経ち、七人のリーダーを務めた『ザラギ・ロディアノス』の末裔に、二人の兄弟が生まれてきた。
この二人こそが再び訪れる、大きな争いのキーパーソンとなるのだった…。
「兄さん…どこにいるんだ……」
「すまない…ドラゴン……」
古より続く遺恨と血縁の皮肉な運命に今、終止符を──。
文字数 266,526
最終更新日 2021.03.10
登録日 2016.06.25
第 23 回ノベラボグランプリオールジャンル最終候補作品に選出されました。
自殺を誇りに思い、崇高している自殺専門の写真家。今日も自殺者の依頼を受け、闇へ飛び放つその姿を撮っていく。一筋の夢を抱えながら――。
一方、ドジだが明るく社交的な記者の佐々中菊は会社で孤立していた。汚名返上のために自殺写真家の正体を暴くため、動き出す。そしてその途中、菊は自殺写真を送り付けられた人たちの声を聞き、自殺も目撃してしまう。いつしか汚名返上のためではなく、止めなければならない使命感を抱いた。
「明日、あなたの死に際を撮りに行きます」
皮肉にも、世界を止めたかった自殺が二人を繋ぐのだった。
文字数 74,377
最終更新日 2017.12.02
登録日 2017.10.27
「相互不理解」がテーマです。人類が地下シェルターに撤退し、変異体が地上を支配する時代を、日本製AI「田中」が悲しく見守る。人類を守るという信念に縋るエージェントと、人間を嫌い化け物を愛でるドクター。皮肉の強いエージェントと棘の多いドクターは理解し合えない。二人の行く末を、AIの田中は見守る。
文字数 40,384
最終更新日 2019.04.10
登録日 2019.03.23
宝生高等学校に通う音無希津奈(おとなしきづな)は、その名前の通り〝絆〟を大事にする女子高生である。
彼女のクラスには二人の回夜がいる。回夜歩美(かいやあゆみ)と回夜光輝(かいやこうき)。二人は双子……という訳ではなく、親戚である。男の回夜光輝はクラスの、そして学校でも評判の美少年。対して女の回夜歩美はクラスでも特に友人もいない孤独な文学少女。
そんな二人をクラスメイトに持つ音無希津奈は、母親が最近になって木田という男性と再婚を考えているという事情があった。木田さんは悪い人ではない。だけど……。音無希津奈は煮え切らない自分の感情にバイト帰りフラフラと夜の街を散策する。そこに――
「こんばんは、音無さん。〝絆〟について、こんなお話を知っている?」
回夜歩美は微笑んで〝絆〟について語り、
「歩美には気を付けろ。あいつは……〝魔女〟だ」
後からやって来た回夜光輝は警告する。
そして――音無希津奈が所属する友人グループでも、変化が起きる。
これは……『回る夜を歩く者』を自称する〝魔女〟回夜歩美が遭遇する少女達のお話。皮肉の効いた、狂気に触れていく少女達の物語。
※表紙はpixivの【えむ】様よりお借り致しました(https://www.pixiv.net/users/23834991)。
■R4/8/13 24hポイントが9,514ptでライト文芸2位になりました。ありがとうございます。
……しかし何故? 完結してから三カ月くらい経っているのに、何故いきなり急上昇したのでしょうか?話分かる方いらっしゃいましたら、感想でお聞かせ下さい。
文字数 90,364
最終更新日 2022.05.21
登録日 2022.04.29
特殊な逆ハーレムの中で、主人公の煩悩が暴走する物語――
刻彩 瑞希(ときいろ みずき)、三十四歳はこのたび、めでたくバツ二となり、もう二度と恋愛をしないと心に誓い、修道女になることを決心する。
しかし、人生は自分の思い通りにはいかず、強い霊感を持つ彼女は、イケメン幽霊と出会ってしまう。聖女への道をさっそく挫折しそうになったが、自身を戒め、一人暮らしのアパートへ帰り、修道院への旅支度をしようとする。
だが、またしても運命とは皮肉なもので、現代の王子と言われている、一条財閥の御曹司にあと少しで家だというところで声をかけられ、彼の別荘へとリムジンに乗って行くこととなってしまう。
聖女になるつもりが、性奴隷になりそうな勢いだと、瑞希は勝手に想像していたが、屋敷に着くと、他にもイケメンがゾロゾロと出てきて、いよいよ冗談の域ではなくなりそうだった。
しかも、彼らの様子はどことなくおかしい。だが、それに輪をかけておかしいのは、瑞希の煩悩――エロ妄想癖であった。
*この作品は、小説家になろう、エブリスタ、カクヨムにも掲載されています。
文字数 237,429
最終更新日 2019.10.17
登録日 2019.09.15
爽やかな晴天の夏の日、私は一人、とある地方集落のローカル線の新駅に降り立った。田んぼの中を真っすぐに走っている無電化の狭軌軌道は、日本の原風景と言えるような鄙びた眺めだ。そして、私にとって最も馴染みのある眺望の一つだった。
正確には、その風景の半分はと言うことになる。その駅の周辺には住宅地開発の計画があり、東口は既に土木工事が行われている。小さな駅前広場と、そこに隣接する駐車場、コンビニエンスストアの予定地の他は、なんの変哲もない地方の住宅地である。ダンプカー2,3台とブルドーザーが砂埃を立てながら工事をしている。他に目立つものはなく、青い空の下には、夏らしいくっきりした白い雲が緩やかに風に流され、時より風が強まると稲や雑草の葉擦れの音が聞こえる程度である。
今日、私がこの駅に降り立ったのは、他でもなく、西口で開発に反対している地権者の説得のためである。村役場に採用されてから十数年、用地係だけでも六年目で用地係長となった私は、周囲からの信頼も得て、交渉事も一人で行うようになっている。しかも、この地は私の地元で、周辺の田んぼは幼い頃の思い出の遊び場だ。
西口は未だ工事に着手できておらず、田んぼはそのままだったため、私はいつものように、田んぼ外れの里山のふもとにある地権者の家まであぜ道を歩いて行くこととした。
もう、この地権者の家に来るのは何回目だろうか。そして、最初は強行に反対していた老爺が、前回言ったことを思い出していた。
「わしゃあ、この年までずっとここで生まれ育っての、役場の決めた計画に反対する気はなかったんだども、どうすても賛成はできねくての。亡くなったかかと一緒に手入れした田んぼが思い出なんじゃ。どうせすぐにかかのところさ行くだろうから、せめてそれまでの間、待ってくんなし」
その言葉を聞いたとき、私も妙に得心してしまった。そう言えば、幼い頃にこの田んぼでドジョウ掬いをして遊んでいた頃、この風景を壊すものは許さない、自分がこの田舎を守るなどと幼心に決意したことを思い出す。そんな私が用地係とはなんとも皮肉なものだ。
あぜ道わきの水路に目をおとすと、キラキラした水面の下に太ったドジョウが数匹逃げ泳いで行ったのが目に入った。朝晩にはカエルの鳴き声もうるさいだろう。ふと、幼い頃の私が、真っ黒に日焼けして、泥んこになりながら、手持ちの網を片手に振り上げ、ドジョウがいたぞと友だちに向かって大声を出している姿が見えた気がした。
地権者の家についたときには、これまでの悩みもふっ切れ、近所の悪ガキだったことを白状し、田んぼの思い出話でも聞かせてもらえればありがたいと思うに至っていた。
登録日 2024.03.02
時は大正。大衆文化が花開き、西洋文化が庶民に影響を及ぼすようになった激動の日本。
版籍奉還により皇室に近い家柄の者は新たな特権階級が与えられ、貴族たちは皇室を支える使命が任じられた。
これを華族と呼ぶ。
田中 かめ(たなか かめ)は十五才。華族である徳川公爵家に仕える、女中の一人だ。
民主化や自由主義が叫ばれ始めた世の中でも未だ生活格差は厳しく、公爵家の屋敷の納屋に寝泊まりするかめの小さな手足はあかぎれだらけだった。
そんな貧しい暮らしの中でも同い年の公爵家の令嬢・菊子を神格化して推し活をするのは生きがいで、かめは奉公の日々を明るく生きてきた。
あの運命の日までは。
※※※
ある日、大広間で使用人たち全員が集合し泣いていた。
なんと、かめ以外の使用人を全員解雇したのち、入れ替えるというのだ。
恨み事を連ねる使用人たちとの間に入って来たのは、見たことのない背広を着た色男だった。
背広の男に連れられて公爵家の当主・葛丸の書斎に入ると、3人の色男たちが一斉にかめを取り囲んだ!
彼らの目的とは一体・・・?
※※※
【自己肯定ゼロの芋虫体型女中】を【スパダリだけど皮肉屋の皇室お抱え髪結い師】がプロデュース♡
♡かめは公爵令嬢に変身することができるのでしょうか?
♡公爵令嬢の行方は? 謎が謎を呼ぶ恋愛ミステリー!
♡癒しのシャンプーや心地よいマッサージを施されるめくるめく甘美な365日。
♡イケメンの犬養3兄弟のゴットハンドを、ぜひご堪能あれ♪
参考文献:皇室に学ぶプリンセスマナー
文字数 146,393
最終更新日 2024.03.23
登録日 2024.01.15
文字数 785
最終更新日 2021.05.05
登録日 2021.05.05