恋愛 解放小説一覧
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藤木里桜・二十六歳。彼女は輸入食品を扱う会社の社長令嬢だったが、会社の経営悪化で多額の借金を抱えてしまった父親を救うため、借金を肩代わりしてくれた大企業の御曹司と愛のない結婚をさせられた。
自分に全く関心がないくせに自分を家の中に閉じ込めたがる夫・正樹との息のつまりそうな毎日に、里桜はウンザリしていた。数少ない息抜きは小説を書くことと、小さな印刷会社での事務のパート。
そんな里桜はある日、パートの帰りに大学時代の恋人・大沢大智とばったり再会。彼のことが今も忘れられない里桜は、彼が起業したITベンチャー企業の仕事を手伝うことに。
大智と過ごす新しい日々の中で、里桜は生活に潤いを取り戻していくが、正樹が出張中のある日の夜、里桜は「いけないことだ」と分かっていながら大智と一線を越えてしまい……。
文字数 29,617
最終更新日 2024.12.17
登録日 2024.12.09
古の森の娘ユーラは、使命を持って叔父と一緒に生まれて初めて人の国へと旅立った。山脈と古き森に抱かれ外界と隔絶されたその国では、王太子である息子に相応しい妃をと、王妃が国中から年頃の令嬢たちを招待していた。だが王太子リューセドルク本人は、くだらない催しだと興味がない。彼は、昔森の民から国に託された大切な竜たちが、この数年衰弱していることに頭を悩ませていた。竜について情報を得るためだけに、リューセドルクは代々森と交流を保つ辺境領の領主の娘と接触しようとする。だがその娘は、辺境から城まで同道したユーラたちを何故かひどく嫌っていた。一方ユーラは、王城で竜を探すうちに見かけたリューセドルクを、自らの運命の相手と確信する。だが、リューセドルクは竜のことのみならず、母から押し付けられる理想の王太子像に辟易し、疲弊していた——。
王太子と彼を救う娘の定石通りの物語、けれども実は、誰もが悩み、誰もが臆病で、そして誰かを想っている。
文字数 105,673
最終更新日 2022.06.05
登録日 2022.05.15
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