海野幻創

白血病に侵され死を迎えた日向梨沙（ひゅうがりさ）のたどり着いた先は、あの世ではなく異世界だった。 『助けて欲しい』 見上げても全貌が見えないほどの大きな生き物──竜としか形容できない──が言った。 『この世界の者たちが困らないように、魔法がなくても生きていける生活を教えてもらいたい』 つまり魔法を使えるのとが当たり前のこの世界で、私がいた世界の日常生活を教えてあげればいいわけか。 死ぬ寸前だったんだから生き残って丸儲け。それくらいお安い御用よ。 私は竜の頼みを聞いて、この世界を助けることにした。

公爵令嬢であるエマ・ヴァロワは、最高の結婚をするために幼いころから努力を続けてきた。 そんなエマの婚約者となったのは、多くの人から尊敬を集め、立派な方だと口々に評される名門貴族の跡取り息子、コンティ公爵だった。 夢が叶いそうだと期待に胸を膨らませ、結婚準備をしていたのだが── 「おそろしい女……」 助けてあげたのにも関わらず、お礼をして抱きしめてくれるどころか、コンティ公爵は化け物を見るような目つきで逃げ去っていった。 なんて男！ 最高の結婚相手だなんて間違いだったわ！ 自国でも隣国でも結婚相手に恵まれず、結婚相手を探すだけの社交界から離れたくなった私は、遠い北の地に住む母の元へ行くことに決めた。 遠い2000キロの旅路を執事のシュヴァリエと共に行く。 仕える者に対する態度がなっていない最低の執事だけど、必死になって私を守るし、どうやらとても強いらしい── しかし、シュヴァリエは私の方がもっと強いのだという。まさかとは思ったが、それには理由があったのだ。

Xで描いた絵を投稿する毎日を送っている中学二年生の咲は、ある日開発中のお絵描きアプリ《D-NEXT》のモニターに選ばれる。そのアプリを使い始めると、一夜にして1000バズしてしまうほどの絵を描けるようになった。 人気者の生徒会長に絵を褒められてデートに誘われた咲は、クラスの陽キャグループとも仲良くなったり、絵ばかり描いていたこれまでとは違った日々を送るようになる。 親友の絵里と、その幼馴染の匠海くんと一緒に切磋琢磨しながら、咲は自分の本当にやりたいことを探していく。 何をしてもいい。何にでもなれる。選ぶのは自由だ。

【※】一話目から過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 【※】「その溺愛は伝わりづらい」の続編です。この作品単体で読んでも大丈夫なようには書いているつもりです。 久世透（くぜとおる）は、国会議員の秘書官として働く御曹司。 ノンケの生田雅紀（いくたまさき）に出会って両想いになれたはずが、同棲して三ヶ月後に解消せざるを得なくなる。 時を同じくして、首相である祖父と、秘書官としてついている西園寺議員から、久世は政略結婚の話を持ちかけられた。 前作→【その溺愛は伝わりづらい！気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました】 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/33887994

人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀（いくたまさき）は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。 しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。 偶然出会った久世透（くぜとおる）は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。 御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。 これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。 【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】 【続編も8/17完結しました。】 「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785 ↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

夫のDVにより植物状態になった早苗は、異世界でサンドリーヌという貴族令嬢として目を覚ました。 子爵の娘であるサンドリーヌは社交界デビューを果たしたばかりで結婚や紳士のことなど全く興味がない。 そんなとき、次期宰相と目されている国一番の出世頭で、容姿端麗、職務有能なシャイン伯爵が３年の外遊から帰国した。 そのシャイン伯爵と一二を争うほどの人気を誇るベルタン侯爵は、サンドリーヌに淡い想いを寄せていたが、サンドリーヌは突然王太子殿下に見初められてしまう。 友人の恋を心配したシャイン伯爵は、なんとかこの結婚を破断にできないものかと奔走する。 彼を慕う令嬢エマ、結婚の裏に秘めた思惑を抱える王太子殿下など、サンドリーヌは周囲に巻き起こる感情の波に翻弄されることになる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「さらば、愛しき夫よ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/413877132 サンドリーヌが見ていた夢の向こうの異世界の、過去の話です。読む必要はありませんが、虐げられてDVで倒れるまでの話が書かれています。ご興味があれば是非読んでみてください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「その溺愛は伝わりづらい！気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/33887994 エピローグの前の話を書きました。BLです。完結しています。 もう一組のカップルをお気に召された方がいらっしゃいましたら読んでいただけると嬉しいです。

モラハラ旦那からの束縛は増し、生活に疲れ切った早苗の前に現れた同僚の生田。親切で気にかけてくれる生田に、早苗は人妻の身でありながらも淡い恋心を抱き始める。 社長の一人娘で不自由なく育てられた絵麻は、政略結婚をした夫から見向きもされず、虚しい孤独な日々を送っていた。自宅へ帰らない夫の側から片時も離れない義姉の存在が絵麻を悩ませる。 モラハラ旦那とシスコン旦那に悩む二人が、ネットで出会って意気投合。 早苗と絵麻の二人は現状を打破し、明るい未来を手に入れられるのか。 【全49話で完結しました。読んでくださってありがとうございました。】 【続きっぽいのがこちらで完結してます】➔「サンドリーヌは早苗の夢を見るか」https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/46887907

6歳のときに山賊に攫われたエリザベス。その年齢の少女とは思えぬ冷静さに驚いた山賊たちは、頭脳明晰さで智略に富んだエリザベスを自らの手で育てることにした。 美しく成長したエリザベスは山賊一の腕前を持つ首領のバンパにも引けを取らぬほどの力も身に着けた。 ある日、そんな王女を狙う刺客が現れ、王に仕える騎士団に助けられる。 エリザベスを死守することを厳命された騎士団長のクリストファーと、自分よりも弱い男に守ってもらう必要はないと突っぱねるエリザベスの、奇妙な関係が始まった。