五月ふう

五月ふう

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恋愛 連載中 長編 R18
「ねえ、ブレイブ。自分でも分かっているんでしょう?あなたは妻《ティーナ》を愛していないの。あなたが愛しているのは、最初からあたしだけ。」    思いがけず聞こえたその声に私はその場に立ち止まる。海岸にある大きな岩の影から、二人の男女が見つめ合っているのがはっきりと見えた。 「リリー……僕は……。」 「ずっと昔に約束したでしょう?二人で幸せになろうって。ねえ、ブレイブ思い出して。」  茶髪の女性を見つめる男はブレイブ・ヴィギルト。ブレイブは一ヶ月前に結婚したばかりの私の夫だ。  その夫を目に涙を浮かべて見つめる女の名はリリー。リリーはブレイブの幼馴染みで、元婚約者らしい。2人は親によって無理矢理、婚約破棄させられた過去がある。  二人は私の姿に気がついていないようだ。私は、岩の影に隠れてブレイブとリリーの姿を食い入るように見つめた。  「僕には妻がいるんだよ……リリー……。」  「だからなに?」  「それは……守られなくちゃいけない契約だ……君だってわかるだろ?」  ブレイブの言葉を聞いて、私は心臓のあたりを押さえた。 「あたしとの約束はそれよりずっと前に結んだでしょう。ティーナとの結婚の様に嘘にまみれた汚らわしいものじゃなくて、もっと美しくて純粋なものよ。」  リリーが一歩ブレイブに近づく。ブレイブはこちらに背を向けていて、彼がどんな表情を浮かべているのか分からない。  「リリー……、分かってくれ。僕らはもう、あの時の二人じゃないんだ……。」  「あたしはなにも変わらないわ。ブレイブの事を愛している、リリーのまま、ずっとあなたを待っていた。」 「リリー……。」  苦しげな声で、ブレイブは幼馴染の名前を呼ぶ。  私がブレイブと結婚してから、ずっと抱いていた違和感。彼はとても優しかったけれど、いつもどこか遠くを見つめていた。 「わかってよ、ブレイブ。あなたがあたし以外のものになるなんて許せないの。」    リリーがゆっくりとブレイブの頬に手を伸ばした。ブレイブはその手を振り払わない。彼は微動だにせずその場に立っている。二人の影が、長く砂浜に伸びていた。 「愛しているわ、ブレイブ。嘘の結婚なんて終えて、あたしを愛してよ。」  リリーはブレイブの顔を両手で挟んで言った。  逆光がまぶしくて、私は目を閉じる。もしくは二人の姿を見ていたくなかったからかもしれない。  再び目を開けたとき、ブレイブとリリーは口づけをしていた。   *** 最初からわかっていた、私たちの結婚が嘘だって。それでも、信じたかったの。
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小説 38 位 / 195,795件 恋愛 32 位 / 58,154件
文字数 49,252 最終更新日 2025.03.14 登録日 2025.03.01
ここは、南の小国オークス国。国王の一人娘ランの魔法研究室。久しぶりに一人の男が魔法研究所に訪れる。大柄な体に、短髪の黒髪に、黒目の男。その顔を見るなり、ランは顔をしかめた。忘れたくとも忘れられない男が、そこに立っていたからだ。 「えーと、そのぉ、確かにお飾りの婚約者を募集すると言ってましたけど…。」 「その看板を見て来た。何か問題があるか?」 「問題ありすぎですよ。君、つい一年半前、私と婚約破棄しましたよね?」 「そうなのか。記憶にない。」 「はい??あのねぇ、流石に酷いですよ。他に好きな人ができた、とか言って、一方的に婚約破棄して出て行ったのは、君の方です。しかも、この研究所に火をつけて燃やそうともしましたよね?」 「そりゃあ酷いな。」 「しらばっくれないでください。全部君がしたことですよ?マレー君。」 なぜあなたは私を捨てていなくなったのですか?
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小説 1,198 位 / 195,795件 恋愛 703 位 / 58,154件
文字数 16,070 最終更新日 2025.03.08 登録日 2025.03.08
「アリス……!!君がロゼッタの食事に毒を入れたんだろ……?自分の『正妃』としての地位がそんなに大切なのか?!」  今日は正妃アリスの誕生日を祝うパーティ。園庭には正妃の誕生日を祝うため、大勢の貴族たちが集まっている。主役である正妃アリスは自ら料理を作り、皆にふるまっていた。 「私は……ロゼッタの食事に毒を入れていないわ。」  アリスは毅然とした表情を浮かべて、はっきりとした口調で答えた。  銀色の髪に、透き通った緑の瞳を持つアリス。22歳を迎えたアリスは、多くの国民に慕われている。 「でもロゼッタが倒れたのは……君が作った料理を食べた直後だ!アリス……君は嫉妬に狂って、ロゼッタを傷つけたんだ‼僕の最愛の人を‼」 「まだ……毒を盛られたと決まったわけじゃないでしょう?ロゼッタが単に貧血で倒れた可能性もあるし……。」  突如倒れたロゼッタは医務室に運ばれ、現在看護を受けている。 「いや違う!それまで愛らしく微笑んでいたロゼッタが、突然血を吐いて倒れたんだぞ‼君が食事に何かを仕込んだんだ‼」 「落ち着いて……レオ……。」 「ロゼッタだけでなく、僕たちの子供まで亡き者にするつもりだったのだな‼」  愛人ロゼッタがレオナルドの子供を妊娠したとわかったのは、つい一週間前のことだ。ロゼッタは下級貴族の娘であり、本来ならばレオナルドと結ばれる身分ではなかった。  だが、正妃アリスには子供がいない。ロゼッタの存在はスウェルド王家にとって、重要なものとなっていた。国王レオナルドは、アリスのことを信じようとしない。  正妃の地位を剥奪され、牢屋に入れられることを予期したアリスはーーーー。
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文字数 126,169 最終更新日 2025.02.28 登録日 2023.07.04
ここは、上空600メートル。豪華飛行船の中。  青い空にぽっかりと浮かぶ飛行船の中で、タイラス家の女主人ラーニャは、にっこりと笑みを浮かべて、夫レンビードに言い放った。 「今日は、貴方と結婚して3年目です。離縁するのにちょうど良い日だと思いませんか?」 「は…馬鹿を言うなっっ。今日はわざわざ俺たちの結婚を祝うために、飛行船まで借りたんだだろうがっ!」 「結婚記念旅行の飛行船の上で浮気をする馬鹿に、馬鹿と言われたくありませんけど…(この馬鹿が。)」 「今馬鹿にしたろ?!」 「あら、勘が鋭いこと。」 ラーニャは、西の大国クサーズ国の貴族タイラス家の女主人。ラーニャはクサーズ国の女性にしてはかなり珍しく、国軍の騎士をしている。そんな彼女はほんの数刻前、この部屋でメイドの女ミルと裸で戯れるレンビードを目撃した。 (でも残念、罠にはまったのはあなたのほうですよ?)
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文字数 11,421 最終更新日 2025.02.28 登録日 2025.02.28
恋愛 連載中 長編 R15
ここはロマリア国の大神殿。ロマリア歴417年。雪が降りしきる冬の夜。 「最初から……子供を奪って……離縁するつもりだったのでしょう?」  ロマリア国王子エドワーズの妃、セラ・スチュワートは無表情で言った。セラは両手両足を拘束され、王子エドワーズの前に跪いている。 「……子供をどこに隠した?!」  質問には答えず、エドワーズはセラを怒鳴りつけた。背が高く黒い髪を持つ美しい王子エドワードの顔が、醜く歪んでいる。  「教えてあげない。」  その目には何の感情も浮かんでいない。セラは魔導士達が作る魔法陣の中央に座っていた。魔法陣は少しずつセラから魔力を奪っていく。 (もう……限界ね)  セラは生まれたときから誰よりも強い魔力を持っていた。その強い魔力は彼女から大切なものを奪い、不幸をもたらすものだった。魔力が人並み外れて強くなければ、セラはエドワーズの妃に望まれることも、大切な人と引き離されることもなかったはずだ。  「ちくしょう!もういいっ!セラの魔力を奪え!」    「良いのかしら?魔力がすべて失われたら、私は死んでしまうわよ?貴方の探し物は、きっと見つからないままになるでしょう。」    「魔力を失い、死にたくなかったら、子供の居場所を教えろ!」  「嫌よ。貴方には……絶対見つけられない場所に……隠しておいたから……。」  セラの体は白く光っている。魔力は彼女の生命力を維持するものだ。魔力がなくなれば、セラは空っぽの動かない人形になってしまう。  「もういいっ!母親がいなくなれば、赤子はすぐに見つかるっ。さあ、この死にぞこないから全ての魔力を奪え!」  広い神殿にエドワーズのわめき声が響いた。耳を澄ませば、ゴゴオオオという、吹雪の音が聞こえてくる。  (ねえ、もう一度だけ……貴方に会いたかったわ。)  セラは目を閉じて、大切な元婚約者の顔を思い浮かべる。彼はセラが残したものを見つけて、幸せになってくれるだろうか。  「セラの魔力をすべて奪うまで、あと少しです!」  魔法陣は目を開けていられないほどのまばゆい光を放っている。セラに残された魔力が根こそぎ奪われていく。もはや抵抗は無意味だった。  (ああ……ついに終わるのね……。)  ついにセラは力を失い、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。  「ねえ、***…………。ずっと貴方を……愛していたわ……。」  彼の傍にいる間、一度も伝えたことのなかった想いをセラは最後にそっと呟いた。  
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文字数 47,685 最終更新日 2023.10.10 登録日 2023.09.20
恋愛 完結 短編 R15
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
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文字数 80,997 最終更新日 2023.09.15 登録日 2023.06.10
「ヴァンブリート伯爵家令嬢アリーチと婚約破棄し、ラウラ・アップルと婚約することをここに宣言する!」  皇太子リッカルドの宣言が広間に響き渡った。人々は信じられない思いで二人の令嬢を見つめる。令嬢アリーチは幼いころから皇太子の婚約者であった。美しい容姿と、完璧な立ち振る舞いをするアリーチが皇太子の妃になる日を、皆が心待ちにしていた。 「僕はラウラを愛しているんだ。」 だが、皇太子リッカルドが愛していたのは、ラウラ・アップル。ラウラは、この国の人間ではなく、ただの踊り子に過ぎなかった。礼儀作法どころか、読み書きさえできないラウラ。皆がこの婚約に反対していた。 「私が王妃になんてなれるはずないでしょ!」 一番、皇太子との婚約を反対しているのは、ラウラ自身だった。彼女は、皇太子リッカルドとの婚約を望んではいなかった。だが、彼女には拒否権がない。孤児であったラウラはお金で皇太子に売られている。 「これは決まったことだよ。ラウラ。」 リッカルドに一目ぼれされてしまったせいでラウラは命を狙われ続けていた。令嬢たちからは、激しいいじめを受け、いつも独りぼっちだった。だが、皇太子リッカルドは、ラウラを守ろうとはしない。 そしてついに、ラウラは何者かに襲われ命を落としてしまう。 ねぇ、リッカルド。貴方はこうなるって気が付かなかった? 愛して入ればすべて解決するとおもった? 再び目を覚ました時、ラウラは令嬢アリーチに生まれ変わっていた。
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文字数 15,444 最終更新日 2023.08.04 登録日 2023.05.19
「好きな人ができたら婚約破棄。  この約束で僕と婚約しないか?」 第二王子ステフ・ミラントは令嬢ココ・ウィーセルにそう尋ねた。ココ、ステフともにまだ10歳。彼らは幼馴染だった。 「こん・・やく?お互いに好きな人ができるまで?」 ココは戸惑いの表情を浮かべ、ステフを見つめる。ベットの上に横たわるココの全身は包帯で覆われている。昨日、起こった火事でステフをかばい、彼女は大やけどを負ったのだ。 「ああ。」 ココの両親はすでに伝染病にかかって亡くなっており、ココは独りぼっちだった。火傷の痕は一生消えないだろうとお医者さんに言われている。居場所は無く、美しさを失い、ココはステフと約束するしかなかった。 「わかったわ。  ”好きな人ができたら婚約破棄”の約束で婚約しましょう。」 ココとステフの婚約はステフの両親である国王夫妻には認められなかった。ステフの同情のみが支える二人の婚約は、10年後のある日突如終わりを迎える。 「他に好きな人ができたから、婚約破棄してくれないか。」 ステフのその言葉と共に―――。
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文字数 40,076 最終更新日 2023.07.02 登録日 2023.05.12
ザルトル国に来てから一ヶ月後のある日。最愛の婚約者サイラス様のお母様が突然家にやってきた。 「シエリさん。あなたとサイラスの婚約は認められないわ・・・!すぐに荷物をまとめてここから出ていって頂戴!」 「え・・・と・・・。」 私の名前はシエリ・ウォルターン。17歳。デンバー国伯爵家の一人娘だ。一ヶ月前からサイラス様と共に暮らし始め幸せに暮していたのだが・・・。 「わかったかしら?!ほら、早く荷物をまとめて出ていって頂戴!」 義母様に詰め寄られて、思わずうなずきそうになってしまう。 「な・・・なぜですか・・・?」 両手をぎゅっと握り締めて、義母様に尋ねた。 「リングイット家は側近として代々ザルトル王家を支えてきたのよ。貴方のようなスキャンダラスな子をお嫁さんにするわけにはいかないの!!婚約破棄は決定事項です!」 彼女はそう言って、私を家から追い出してしまった。ちょうどサイラス様は行方不明の王子を探して、家を留守にしている。 どうしよう・・・ 家を失った私は、サイラス様を追いかけて隣町に向かったのだがーーー。 この作品は【王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!】のスピンオフ作品です。 この作品だけでもお楽しみいただけますが、気になる方は是非上記の作品を手にとってみてください。
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文字数 14,184 最終更新日 2023.04.30 登録日 2023.04.28
「どういうことですか・・・?私は、ウルブス様の婚約者としてここに来たはずで・・・。その女性は・・・?」 城に来た初日、婚約者ウルブス王子の部屋には彼の愛人がいた。 デンバー国有数の名家の一人娘シエリ・ウォルターンは呆然と王子ウルブスを見つめる。幸せな未来を夢見ていた彼女は、動揺を隠せなかった。 なぜ婚約者を愛人と一緒に部屋で待っているの? 「よく来てくれたね。シエリ。  "婚約者"として君を歓迎するよ。」 爽やかな笑顔を浮かべて、ウルブスが言う。 「えっと、その方は・・・?」 「彼女はマリィ。僕の愛する人だよ。」 ちょっと待ってくださいな。 私、今から貴方と結婚するはずでは? 「あ、あの・・・?それではこの婚約は・・・?」 「ああ、安心してくれ。婚約破棄してくれ、なんて言うつもりはないよ。」 大人しいシエリならば、自分の浮気に文句はつけないだろう。 ウルブスがシエリを婚約者に選んだのはそれだけの理由だった。 これからどうしたらいいのかと途方にくれるシエリだったがーー。
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「ガイゼル王の子供を妊娠したので、   報告しに参りました。」 アメリアは今朝、 王の子供を妊娠したと言い張って 城に無理やり入ってきた。 「ガイゼル、、ほんとうなの?」 私の名前はレイシャ・カナートン。 この国の有力貴族の娘であり、来月にもガイゼルの正式な妻になる予定だ。 「ご、ごめん、レイシャ。  ほんとうだと、思う、、多分。」 「それでどうするの?」 「子供を妊娠してしまったんだから、  城に迎えるしか、  無いだろう、、?」 あんな、身元の分からない女を 城に入れるなんて冗談じゃないわよ。 「ガイゼル様。  当然私を、  妻にしてくれますよね?」 「冗談じゃ無いわよ!」 「ねぇ、ガイゼル様。  こんな怖い女とは婚約破棄して、  私と結婚しましょうよ?」 そして城にはいってきたアメリアは 私にさらなる苦しみをもたらした。
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残虐な国王として知られるロマルド国王レオポルドは、辺境の村の巫女リリアルを妻にした。 侵略した国の人質としてーー。 国王レオポルドはリリアルより歳が20上で、すでに10人以上の妻がいるという。 皆、彼女の不幸を憂いていたがーー。
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文字数 2,471 最終更新日 2023.04.07 登録日 2023.04.07
「愛人に会いに隣国に行かれるのですか?リリック様。」 朝方、こっそりと城を出ていこうとする国王リリックに王妃フィリナは声をかけた。 「違う。この国の為に新しい取引相手を探しに行くのさ。」 国王リリックの言葉が嘘だと、フィリナにははっきりと分かっていた。 ここ数年、リリックは国王としての仕事を放棄し、女遊びにばかり。彼が放り出した仕事をこなすのは、全て王妃フィリナだった。 「待ってください!!」 王妃の制止を聞くことなく、リリックは城を出ていく。 そして、3ヶ月間国王リリックは愛人の元から帰ってこなかった。 「国王様が、愛人と遊び歩いているのは本当ですか?!王妃様!」 「国王様は国の財源で女遊びをしているのですか?!王妃様!」 国民の不満を、王妃フィリナは一人で受け止めるしか無かったーー。 「どうしたらいいのーー?」
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「私と離縁してくれますか?公爵様?」 16歳のとき、ユナ・ハクストルは公爵リューク・イタルクに嫁いだ。 愛とは何か。恋とは何か。 まだ何も知らない彼女は公爵との幸せな未来を夢見ていた。だが、リュークには10人を超える愛人がいて、ユナを愛するつもりは無かった。 ねぇ、公爵様。私を馬鹿にしていると痛い目を見ますよ?
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「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)
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