【完結】王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!

「どういうことですか・・・?私は、ウルブス様の婚約者としてここに来たはずで・・・。その女性は・・・?」

城に来た初日、婚約者ウルブス王子の部屋には彼の愛人がいた。

デンバー国有数の名家の一人娘シエリ・ウォルターンは呆然と王子ウルブスを見つめる。幸せな未来を夢見ていた彼女は、動揺を隠せなかった。

なぜ婚約者を愛人と一緒に部屋で待っているの?

「よく来てくれたね。シエリ。
 "婚約者"として君を歓迎するよ。」

爽やかな笑顔を浮かべて、ウルブスが言う。

「えっと、その方は・・・?」

「彼女はマリィ。僕の愛する人だよ。」

ちょっと待ってくださいな。
私、今から貴方と結婚するはずでは?

「あ、あの・・・?それではこの婚約は・・・?」

「ああ、安心してくれ。婚約破棄してくれ、なんて言うつもりはないよ。」

大人しいシエリならば、自分の浮気に文句はつけないだろう。

ウルブスがシエリを婚約者に選んだのはそれだけの理由だった。

これからどうしたらいいのかと途方にくれるシエリだったがーー。


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