自民比例トップ…初の漫画家国会議員赤松健氏に聞く参院選

 先日、ちばてつや先生、里中満智子先生、弘兼憲史先生と岸田(文雄)総理との漫画家座談会を組む機会がありました。岸田総理からは「『鬼滅の刃』を読んでいる。猗窩座(あかざ)が好きだ」などという話が出てきて、盛り上がりました。ちば先生の『ハリスの旋風』も読んだと言っていて、さすがのちば先生も喜んでいました。

 その際、岸田総理からは「漫画外交は素晴らしい。ぜひやってください」と声をかけられました。

――フランスのマクロン大統領も“日本漫画好き”を公言しています。

赤松 欧州で日本漫画が一番好きなのはフランスです。私の印税も多いです。文化大国で、国家政策としてクリエイターの保護にも力を入れるなど、国をあげて本気で文化を守っています。良い部分を日本にも取り入れていきたいです。

 日本は、国として文化を“守っていこう”という考えがあまりありません。「好きでやっているんでしょ」と思われてしまうところがあると思うんです。

政治の実態を漫画で解説

――そのほか、現役の漫画家議員として取り組んでいこうと考えていることはありますか。

赤松 公式Twitterで月、水、金に『赤松健の国会にっき』という漫画(下記参照)を掲載しています。

 まずは若い人たちに政治に興味を持ってもらいたい。入口になるよう、すごくわかりやすくて、やさしい内容にするよう心掛けています。SNSを使って、若い人に参加してもらって未来に夢を持ってもらいたいです。

――若年層のSNSでは、政治や将来に関する投稿内容も暗い話題が目立ちますよね。

赤松 諦めてしまっている若い人たちが多いということはあると思います。(若い人や漫画やアニメファンらが)団結したら、政権与党の自民党でトップ当選させることができる。それを示すことができたのなら、みんな、ちょっとやる気がでるんじゃないかと思うんです。

「どうせ俺らが投票しても変わらないだろう」ということではなく。

 また、子どもたちが私の漫画をきっかけに政治に興味を持って、「国会議員になって日本をよくしたいな」と思ったらすごいですよね。みんなが参加して、日本を良くしていくと良いと思います。

 そのためには文字や動画ではなく、漫画やイラストだと思うんですよね。動画はすごく人の時間を奪います。文字もぱっと見ではわかりません。

 イラストや漫画であれば、速く読みたい人はすぐ読めるし、ゆっくり読みたい人はじっくり読める。コレクションしたい人はコレクションできます。ネットとの親和性が高いと思っています。選挙期間中、投稿したイラストのインプレッション数が350万に達したこともありました。漫画・イラストを使って訴求し、政策や国会の状況を率先して伝えていきたいと考えています。

(構成=Business Journal編集部)