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中学一年生の空羽(そらはね)あいねは、クリスマスの夜、街中を疾走していた。
見上げればそこには、羽の生えた怪物が襲い掛かってきている。
なのに道行く人は誰もそれに気づいていない。
「私にだけ見えるんだ」
必死に逃げるあいねだったが、路地裏で無数の怪物たちに囲まれてしまう。
そこに現れたのは、吸血鬼の少年だった。
あいねを助けてくれた少年時雨は、そのせいで自分の帰るべき群れに捨てられてしまう。
そんな時雨をほうっておけず、家に連れ帰るあいね。
二人に間に少しずつ絆が生まれていく中、時雨は、あいねをまもるために自らしもべとなることを決める。
襲い来る怪異と、ボディガードのしもべ吸血鬼・時雨。
あいねを取り巻く怪異たちとのホラーアドベンチャーです。
文字数 70,094
最終更新日 2024.07.12
登録日 2024.07.12
九月。
学生の青四季海(あおしき・かい)は、去年まで、女性相手の売春(手と口だけで、挿入はなし。そのため童貞)を繰り返していた。
しかし今は気心の知れた女性だけを相手に、彼女たちの欲求不満を鎮めるべくほぼ無料で奉仕をしている。
海の手と口で体を満足させられる女性たちとは別に、海の同級生に、「委員長」というあだ名の女子、鮎草亜由歌がおり、彼女は海に恋慕していた。
一方で、海は義理の姉(母の再婚相手の連れ子)であるなるみに、以前から淡い恋心を抱いている。
空虚な心と性欲を強める体を持て余しながら、最後の一線を越えないままに女たちの欲望を処理し続ける海。
そんな中、なるみへの気持ちを胸に秘め続けていた海は、彼氏持ちのなるみの手で射精させられてしまう。
変わっていく気持ち、新たに得るもの、気づいていくもの。
海はやがて、ある女性と初体験を迎える。
ままならない心と体を与えられて、彼らは時に慰めあい、自分の価値を垣間見ていく。
文字数 114,793
最終更新日 2024.04.29
登録日 2024.04.29
同人誌でマンガを描いている三織は、二十歳の大学生。
ある日、一人の男子高校生と出会い、危ないところを助けられる。
後日、友人と一緒にある女装コンカフェに行ってみると、そこにはあの男子高校生、壮弥が女装して働いていた。
しかも彼は、三織のマンガのファンだという。
思わぬ出会いをした同人作家と読者だったが、三織を大切にしながら世話を焼いてくれる壮弥に、「女装していても男は男。安全のため、警戒を緩めてはいけません」と忠告されつつも、だんだんと三織は心を惹かれていく。
自己評価の低い三織は、壮弥の迷惑になるからと具体的な行動まではなかなか起こせずにいたが、やがて二人の関係はただの作家と読者のものとは変わっていった。
文字数 92,080
最終更新日 2024.01.26
登録日 2024.01.26
地球で高校生だった江藤瑠璃は、異世界であるベルリ大陸へ転移する。
その後の修業を経て大陸最強クラスの魔道士となった瑠璃は、ルリエル・エルトロンドと名乗り、すっかりベルリでの生活になじんでいた。
そんなルリエルが営んでいるのが、男娼館「ハルピュイア」である。
女性の地位がおしなべて低いベルリ大陸において、女性を癒し、励ますために作ったこの男娼館は、勤めている男子が六人と少ないものの、その良質なサービスで大人気となった。
ルリエルにはもう一つの顔があり、それは夜な夜な出没する近隣のならず者を魔法で排除する、治安安定化と個人的な趣味を兼ねた義賊のようなものだった。
特に、なにかしらの悩みを抱えていることが多いハルピュイアのお客の女性には、肩入れしてしまうのが常である。
ルリエルを信頼する六人の男子は、それを知った上で毎日の女性奉仕に精を出している。
元北国の騎士団長、キーランド。
元素手格闘(パンクラティオン)の王者だった、筋骨たくましいダンテ。
草花に詳しく、内気ながら人好きのするトリスタン。
美少女と見まがうばかりの金髪の美形、カルス、などなど。
彼らと共に目の前の女性たちのために尽くそうとするルリエルだったが、彼女の持つ力ゆえに、時には大陸の人類全体の敵である「六つの悪魔」を相手取ることもある。
大陸人類最強クラスの者に与えられる称号である「七つの封印」の一人であるルリエルは、今日も彼女なりに、精一杯生きている。
文字数 140,358
最終更新日 2023.12.15
登録日 2023.12.15
現代。
人間が触れると、強烈な自殺願望を発症して死んでしまうという謎の発光体『夜煌蟲』に脅かされながらも、人々はおおむね平穏な生活を送っていた。
高校一年生の時森エリヤは、第四文芸部に所属している。
家には居場所が無く、人付き合いも極端に下手なエリヤだったが、おせっかいな部員とともにそれなりに高校生活になじみ始めていた。
いつも通りに過ぎて行くはずだったある日、夜まで部室棟に残っていた第四文芸部のメンバーは、日が暮れた校庭に奇妙なものを見つける。
少量でも人間を死に追いやる夜煌蟲の、それは、かつてないほど巨大な塊だった。
慌てて学校から脱出しようとするエリヤ達だったが、それを阻むように、脳も思考も持たないはずの夜煌蟲が次々に襲い掛かって来る。
明らかになって行く、部員達の過去。
夜煌蟲がもたらす、死の衝動の理由。
それぞれの選択、それぞれの生死。
生き残るべき者と、そうでない者。
己の生命に価値など感じたことの無いはずの、時森エリヤの意志と、選び取った結末。
少年と少女が、求めたものの物語。
文字数 101,130
最終更新日 2022.06.18
登録日 2022.06.18
生きていたいと願うべきだと分かっている。
でも心からそう思える瞬間が、生きているうちに、何度あるだろう。
五月女奏は、不登校の高校生。
彼はある日、幽体離脱のように、自分の「幽霊」を体の外に出せるようになった。
ただし、幽霊がいけるのは自分のいる世界ではなく、それとよく似た並行世界。
そして並行世界では、彼の幽霊は、けが人や病人に触れることで、そのけがや病気を吸い取ることができた。
自分の世界ではなくても、人を癒すことには意味があると信じて「治療」を続ける奏だったが、ある雨の日、彼は自分の世界で、誰かの「幽霊」らしきものを見る。
その「幽霊」の本体は、奏の幽霊がいける並行世界に暮らす、ある女子高生だった。
名前は、水葉由良。
彼らは幽霊を「ゴースト」と呼ぶことにして、お互いの世界の病院で人々を治し続ける。
いくつかの共通点と、いくつかの違いを感じながら。
次第に交流を深めていく奏と由良だったが、それによって奏は、由良の身に何が起きていたのかを知る。
二つの世界に住む二人の交流と決断を描いた、現代ファンタジーです。
文字数 84,230
最終更新日 2022.06.17
登録日 2022.06.17
少し昔。
ある全寮制中学校のプールで、生徒であるキサラギ・サラの死体が見つかった。
彼女は自殺とみられたが、「僕」はその死の真相に迫るべく、二人の友人とともに事件を探る。
キサラギ・サラの恋人を怪しんだ「僕」だが……
文字数 16,771
最終更新日 2019.12.13
登録日 2019.12.13
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