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文字数 8,398
最終更新日 2023.09.15
登録日 2023.09.15
生きるということが形を伴うものであるとしたら、僕は生きるということを放棄している。
僕はいつまでも逃げ続けている。それを人々は怯懦と呼ぶのかもしれない。
または嘘吐きと。
文字数 3,370
最終更新日 2023.03.25
登録日 2023.03.25
世界から殆どの人間の姿が消えた時代。
女性は、特殊なエネルギーを運搬する仕事を淡々とこなしていた。
彼女は何故、自ら危険な仕事を選び、運び続けるのか。理由のなさが、彼女の身の内を内側から傷付ける。
旅を続けていく中で、彼女は様々な生き方を見つめることになる。
彼女の生き方、それぞれの他者の生き方、そして、己の生きている理由。
世界が真実の一様を明らかにするにつれ、女性の疑問も、やがては氷解していく。
私達が何故、生きているのか。
不条理の支配する世界の中で、彼女が選ぶ、最後の選択は。
己と世界の歴史と、生きる理由に悩む者たちに共通する、愚かで静謐な悦びのある、小さな物語。
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第一稿
2022 10/末→2023 1/15. 完結
長編になりますが、良ければ覗いてみて下さい。
文字数 146,814
最終更新日 2023.02.22
登録日 2022.10.13
私はどんな場所よりも、空の中に抱かれていることの方が好きだった。
空は、私の全てを肯定してくれていた。
私は、この世界の事が好きではない。ただ、嫌いでもないのだ。ただただ、合わないというだけ。私と私の今いる世界とは、出会うべきではなかった、ただそれだけなのだ。
あれ程美しかった空も、今は重たい雲に覆われて、太陽の姿も見えない。街は水没し、私のいる電波塔のすぐ側まで、水位は昇ってきている。
私は何のために、今更になって、こんな事を書いているのだろう。一体、誰の為に。
窓の外の、豪雨の作る幾つもの細い線の先に、私が憎んでやまなかった雷の壁が揺らいで見えている。
私は書くのをやめた。
・・世界が終わる雨の日に 花澤カレン
文字数 29,384
最終更新日 2022.08.13
登録日 2022.07.21
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