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第3章 冒険 -グランツ編-
問題
しおりを挟む俺たちがコスタを出た日。
何度かゴブリンとの戦闘があったくらいで、夕方になる前には最初の村に到着した。
早速、宿の手配をしたところで問題が発生した。
この村に宿が1軒しかない影響で、空き部屋が1部屋しかなかったのである。
俺がどうしようか困っていると、横からセレナがさも当然のようにその部屋に2人で泊まることを伝えて、『何か問題でも?』というような表情を浮かべながらこっちを向いた。
俺はブンブンと首を横に降って問題ない意思を示したら、セレナがニコッと笑顔になったので、これでよかったのだろう。
ん?よかったのか?
うーん………。
部屋に入ったらベッドが1つだった…。
それについても、セレナは何とも思ってないようだ。
そうか。
俺がソファで寝ればいいんだ。
俺はそう勝手に納得して、夕食とお風呂を済ませた後にまた問題が発生した。
俺がソファで寝ようと準備していた時だ。
「シーマ何してるの? 一緒に寝るわよ」
「えっ?」
「えっ?じゃないわよ。私たち婚約したんだもん問題ないでしょ?」
「まぁ…そうだね」
確かに俺たちはこの前婚約したばかりだし、世間的には問題はないんだけど、俺の心に問題があるんだよな。
前世も含めて全く彼女がいなかった中で、突然?婚約者が出来て、さらに同衾するってかなりハードル高いです。はい。
「じゃあ、いいってことで。早く来てシーマ。」
セレナがベッドの上で上半身だけを起こして、自分の隣りをポンポン叩きながら、そこに来いと言っている。
俺も何だかわからない覚悟を決めてベッドへとインする。
セレナの匂いがしてドキドキするが、それを隠すように、そのまま横になった。
「ねぇ、シーマ」
「何だい?」
「手を繋いでいい?」
「あぁ、いいよ」
ヤバい。
セレナが可愛い過ぎて寝れる気がしない。
もういいか。寝れなくても…(苦笑)
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