つなぎとしての天然ガス(LNG)を徐々に再生可能エネルギーでカバーしつつ、原子力発電の再稼動で石油と石炭発電を抑え、CO2を削減しつつ、エネルギーの安定供給を図ろうという考えだ。
今年3月報道では、電気代の高騰が報じられた。値上がりの根本はLNG価格の高騰だ。急速な発展を続ける中国のLNG消費量が増えた上に、世界中の船便がコロナ禍で通販などの物流で増加し、輸送費そのものも高騰している。
自国のエネルギーが乏しい日本においては、安価な電力を安定して供給するためには、よりいっそうの再エネの推進が重要課題となる。
4月から電気代の「再エネ発電賦課金」が値上がりするが、これは地熱やバイオマス(動植物由来の資源を使った)発電の開発に加速度をつけるための研究開発費の意味合いが強い。しかも賦課金の額を決めるのは政府なので、税務署に納めないものの税金に近い。
ここまで沖縄電力の取り組みをベースに、日本のエネルギー事情まで視野を広げてきた。「再エネ発電賦課金」の値上がりを機に電気代の節約について考える方も多いと思うが、賛否両論ある原子力発電も含めて、10年先の2030年の電力事情も併せて考える必要がありそうだ。
(文=藤山哲人/体当たり家電ライター)
●藤山哲人/体当たり家電ライター
あらゆる家電を使い込んで比較して、性能を数値やグラフにする「家電道 裏千家 家元」の技術系ライター。「家電おじさん」や「体当たり家電ライター」の異名をもつ。『マツコの知らない世界』(TBS)番組史上最多出演の6回や『スッキリ』(日本テレビ)、『羽鳥真一モーニングショー』(テレビ朝日)、『カンテレ ワンダー!』(関西テレビ)、『華大の知りたい!サタデー」(BSフジ)などにも多数出演。