沖縄電力の試算によれば、エコキュートやIHコンロに買い替えオール電化なども併用すると、年間約5万円の光熱費の節約になるという(LPガスから切り替えで4人家族を想定)。
沖縄は台風の通り道のため、本土とは住宅事情が少し違う。本州のような木造の三角屋根を持つ住宅ではなく、コンクリートでできた平たい屋根を持つ家が多い。それゆえ屋根を特に強化することなく、太陽光パネルをしっかり設置ができる。
さらに台風の通り道なので、停電時に電力確保できるという点もあってか、4月サービスインに際して1月末の先行予約をスタートしたところ、申し込みが殺到し、現在予約を中止しているということだ。
なお、一般的な太陽光発電と違い、発電した電力はすべて沖縄電力のものとなるため、室内に発電状況や電力売買の情況を表示するHEMS端末は付いていない。これについては、将来的に沖縄電力のウェブなどで発電状況などを可視化できるサービスを開始するということだ。
また、自宅で発電した電力は割引価格で購入が可能だが、それ以上に電力を使う場合は通常料金で電気を購入する必要がある。足りない場合のスイッチの切り替えなどは一切ないので、電気を使う上での煩わしさはまったくない。しかし太陽光で発電した電力量と沖縄電力から購入した電力量を知る必要があるため、自宅に電力メーターが2つ付くことになる。これについての機器代や工事費も一切無料なので安心だ。
さらに停電時の電力供給は、停電時にのみ有効になるコンセントが1個増設される。つまり停電すると家のコンセントすべてから電力が取れるわけではなく、増設した停電時専用コンセントからのみ電力が取れることになる。なので停電時にも冷蔵庫を動かしたい場合は、コンセントを差し替える必要がある。
契約期間は15年間で、以降も継続するかどうかの選択が可能。契約打ち切りにした場合、太陽光発電設備の撤去や配線の復帰などが必要になるが、これらの費用も沖縄電力が責任を持って無償で行うという。継続の場合の価格設定は現時点では未定となっている。とはいえ沖縄電力によれば「屋根をお借りして発電するので、お客様に一切のご迷惑をかけないようにする」とのことだ。
なお近年、中国製の安価な太陽光パネルを使った設備も多いが、かりーるーふで使われている施設一式はパナソニック製で、15年という長期間におよぶ使用でも問題ないとしている。
沖縄だけでなく日本全国で主流になっているのは、石油や石炭を燃やし、その熱で蒸気を作りタービンを回転させ発電機を回す火力発電所だ。長年の改良により、もくもくと煙を出すとはなくなり、エネルギー効率も高くはなっているが、燃料の石油や石炭を燃やしたときのCO2排出量は非常に多い。