ラスベガスはロックンロールマラソンだけでなく、至るところでウエルネスに注目が集まっている。
ベネチアンでは、ボルダリング(壁を登るスポーツ)を体験することができるほか、「キャニオ・ランチ・スパクラブ」は全80室と全米でも最大規模。併設されたカフェはメニューが120を超えている。さらに、「トゥルース&トニック」は豆腐など健康食材をテーマにしたレストランとして人気。
「ゴードン・ラムゼイ・ステーキ」はヴィーガン、ベジタリアンメニューを取り入れている。MGMグランドではウエルネスに特化したステイウェルルームと呼ばれる客室があり、特別の照明などが施され、ビタミンCシャワーや空気清浄機などを体験できる。ベラッジオのスパ&サロンでは日本式、インド、タイ、スウェーデンなどの世界中の施術を受けることができる。ちなみに、和と洋を融合した「ワッツマッサージ」が一押しだという。
さらに、ラスベガスで今人気のウエルネスはヨガだ。ミラージュのシークレットガーデン&ドルフィンハビタットでは水族館のようにガラス越しにイルカを見ながらヨガを楽しむことができるほか、マーベリックヘリコプターズのヘリで赤レンガ色の岸壁が広がるバレー・オブ・ファイア(炎の谷)州立公園の山頂に向かい、そこでヨガをする「ヘリヨガ」なども人気だという。
ルクソールでは、昨年10月24日からシルク・ドゥ・ソレイユ(太陽のサーカス)の新作『R.U.N』が上演されている。シルク・ドゥ・ソレイユは火喰い芸人のギー・ラリベルテが1984年にカナダのケベック州に設立したエンタテインメント集団で、大道芸、サーカス、オペラ、ロックの要素をふんだんに取り入れたヌーボー・シルク(新サーカス)。
体を自由に曲げる軽業やジャグリング、道化、空中ブランコなどがよく登場するが、ルクソールで上演されている『R.U.N』は映画『シン・シティ』の監督ロバート・ロドリゲスが手がける、誰も見たことのないライブアクションスリラー。モーターバイクを使用した大胆なアクション、炎や花火を多用した過激な演出で、刺激的でスリリングなショーとなっている。
カジノ以外のラスベガスのもうひとつの顔を見に行くのも、また一興なのかもしれない。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)