世の中には、論理思考の勉強に関するコンテンツがあふれています。たとえば、「フレームワーク」「ロジックツリー」「仮説思考」などの論理思考のツールに関するコンテンツや、「何かしらのテーマに関する問題解決の例」を解説したコンテンツなどです。
しかし、これらのコンテンツで勉強したのにもかかわらず、実際に自力で論理思考を実践すると、「論理的でない」「視野が狭い」「考えが浅い」などの指摘を、他者(上司、先生など)から受けてしまう人も少なくないのではないでしょうか?
私は、経営コンサルティング業界の採用試験でよく使われている「ケース問題」という「論理思考力を評価するための問い」をもとに、多くの学生・新社会人に対して、論理思考の指導を「継続的」かつ「個別」に実施してきました。
さまざまな人への指導・成長の経過を見てみると、論理思考というのは、単に「勉強すればすぐに習得できる」タイプのスキルではありません。実際は、勉強したことが原因で、かえって変な論理思考になってしまう人も少なくありません。
私が指導してきた学生の多くは、「東京大学」「慶応義塾大学」「早稲田大学」などの一流大学の学生ばかりです。しかし、それでも、最初は論理思考をうまく学習できない人が少なくないのが現実です。
ちなみに、私自身も、最初から論理思考をうまく自力で実践できたわけではありません、そもそも、現在でも、「後からミス・見落としに気がつく」ことも少なくないのが現実であり、まだ思考力向上の必要があると認識しています。
それでは、なぜ、うまく論理思考を実践できないのでしょうか。以下、「ケース問題」という”具体的な問い”をもとに、詳細を解説していきます。
本記事(第1回)では、ケース問題の中でも、比較的簡単な「フェルミ推定」という問いを解いてみましょう。
(注:「フェルミ推定」とは、「ケース問題」と同様、論理思考力を測るための問いとして、よく利用されている問いです。そのため、本記事では、ケース問題の一種として取り扱います)