リーダーシップに必要なのは理性より楽観主義

楽観性はリーダーシップに欠かせない要素である。それは生まれつきの性格みたいなものだから、「心配性の私には、とってもムリ」と思ってしまう。ただし、そんなに悲観的にならないように。性格は変わるというのが、現代の心理学では主流の考え方だ。

頭に浮かんだ考えやイメージに、楽観的なラベルづけをすれば、悲観中枢である扁桃体の働きを抑えることができる。悲観的な人でも、認知のトレーニングによって、楽観的に変わっていく。悲観的な脳であっても、訓練の仕方で、楽観的な脳に変わることをお忘れなく。

もちろん、ビジネスでは直感というのは分が悪い。ロジカルに物事を考え、理性的に判断していくのがベストという考え方が支配している。直情的でいつも熱く語りかけ、高い理想に向かって周りに働きかけるような人は、うっとうしがられるだけだ。

反対に、人間味には欠けるが、金銭的感覚とリスクにはきわめて明るく、つねに沈着冷静で理性的に物事を判断できる人を、組織では尊重してきた。

会社組織であれば、ふつう、auのCMに出てくる「意識高すぎ!高杉くん」より、「細かすぎだよ!細杉【こますぎ】くん」のほうが一目置かれている(松本さんは別だ)。しかし、高杉くんがいなければ、将来の組織もビジネスも立ち行かなくなってしまう。そんな高杉くんの姿に、リーダーシップが重なって見える。