アップルはアメリカ太平洋夏時間10月13日午前10時(日本時間10月14日午前2時)に新製品発表会を開催し、2020年モデルとなるスマートフォン、「iPhone 12」シリーズを発表した。今回も、カリフォルニア州クパティーノにある本社を使った映像表現で、テンポ良く発表が進んだ。
大きなトピックは、デザインが久しぶりに大きく刷新されたことだ。
2014年に登場したiPhone 6は、丸みを帯びた側面で登場し、背面がアルミからガラスに変更されてもなお、2019年モデルまでその意匠を引き継いできた。今回発表の2020年モデルのiPhoneでは、側面の丸みがなくなり垂直に7.4mm立ち上がるデザインへと変更された。2010年登場のiPhone 4や、iPad Pro、iPad Airの雰囲気に近い。
iPhone 12はiPhone 11と同じ6.1インチのディスプレーだが、エッジのデザイン変更、ディスプレーの有機EL化などでサイズは15%減少し、厚みも11%薄く、また16%の軽量化を実現した。
ディスプレー側のガラスにはコーニング社との協業で作り出したクリスタルシールドが採用された。スマートフォンの中で最も硬く、落下に耐える性能が4倍であるとしている。なおアップルは、アメリカ向け先端製造業ファンドを通じて2019年、コーニング社に2億5000万ドル(約270億円)出資した関係にある。
新しいiPhone 12には2つのグレードと3つの画面サイズが設定された。
いずれのグレードにも、5G、A14 Bionic、コントラスト比200万:1のSuper Retina XDRディスプレー、前述のクリスタルシールド、F1.6と明るくなった広角レンズ、すべてのカメラでのナイトモード・Deep Fusion(合成による写真の高精細化処理)、Dolby Visionに対応するHDRビデオ撮影、磁石で位置合わせが可能で15Wに高速化されたワイヤレス充電「MagSafe」といった機能は共通で、2020年のiPhoneのスタンダードとなる。
2つのグレードはiPhone 12とiPhone 12 Proだ。それぞれのグレードに2つの画面サイズが用意され、iPhone 12とiPhone 12 Proは6.1インチで共通化され、フレームの材質とカメラで差別化される。
今回真新しいのは、新たに5.4インチ有機ELディスプレーを備えたiPhone 12 miniだ。
幅64.2mm、長さ131.5mmというサイズは、4.7インチのiPhone SE(iPhone 6~8と同じサイズ)よりもコンパクトに仕上がっている。にもかかわらず、5.4インチへと画面サイズを拡大させており、「アップルマジック」ともいえるデザイン性を実現した。
A14 Bionicチップ、2つのカメラ、強化されたセラミックシールドなど、6.1インチのiPhone 12の機能をすべて備える製品となる。アップルによると、5Gに対応する最も小さく、薄く、軽いスマートフォンだという。
この製品でアップルは、若年層のターゲットを狙っていくことになる。かろうじてミドルレンジに属する価格帯と、小さな手に馴染むサイズ、ハイエンドスマートフォンのフル機能を備えた製品は、2020年にApple Watch SEやiPad Airで取り組んできたミドルレンジ製品の充実と付加価値向上とも合致する。