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「エルドレッド様。私この指輪が欲しいですぅ」
「じゃあこれにしよう、大好きなロロンとの一周年記念だからね」
なんだか、見知った声が聞こえてくるなと思った。
たくさんの指輪が棚に並べられている街一番の宝石店。
私の背丈を優に超す棚の向こうで、その二人は話しているようだった。
偶然、エルドレッドという名前には馴染みがある。
私の婚約者もちょうどその名前だったのだ……
文字数 16,124
最終更新日 2025.01.28
登録日 2025.01.27
伯爵令息のユリウスと結婚して三年目。
開け放たれた扉の先には、私ではない女性と交わる彼がいた。
文字数 14,723
最終更新日 2025.01.23
登録日 2025.01.21
「アリシア、お前はもうこの家に必要ない。ブライト家から追放する」
父からの予想外の言葉に、私は目を瞬かせる。
我が国でも名高いブライト伯爵家のだたっぴろい応接間。
用があると言われて足を踏み入れた途端に、父は私にそう言ったのだ。
困惑する私を楽しむように、姉のモンタナが薄ら笑いを浮かべる。
「あら、聞こえなかったのかしら? お父様は追放と言ったのよ。まさか追放の意味も知らないわけじゃないわよねぇ?」
文字数 12,799
最終更新日 2025.01.18
登録日 2025.01.16
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