ゆっくり近づく距離小説一覧
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「ルシナお姉さまよりも私のことが好きだと言うのだから、仕方がないじゃない」
なんでも欲しがるわがままな妹に婚約者を奪われた私、ルシナ・アルベール。
事業に失敗続きの父に加えて、義母と妹の散財。おかげでわが家は没落寸前。
そんな時、アルベール家に手を差し伸べてきたのは若き実業家の男、グレン。交換条件は私との結婚。
「この結婚には裏があるはずよ」
怪しむ私の前に現れたのはスラッとした高身長に、金髪碧眼の端正な顔立ちの男性。内心、ときめいてしまった私。
だが、参加した舞踏会で彼の愛人と思わしき女性からけん制され、挙句には彼と友人の会話を聞いてしまった。
「お嬢さまはお嬢さまらしく、綺麗な鳥かごにいるのがお似合いだ。せめて大事にしてやるさ」
平民出身の彼が欲しているのは身分。彼は貴族社会に進出したいがために、私を選んだのだ。
……上手い話は、そう転がっているわけではないわね。
それならいっそ、政略結婚だと思って割り切るわ!!
我が家の借金を払ってくれてありがとうございます!!
将来的に離婚したいのなら、私は田舎に引っ込みましょう!! 愛人がいるもよし!!
だけど隠し子だけは事前に言ってくださいね。
「私たち、白い結婚にしません?」
「――ふざけるな」
彼に切り出したが、バッサリ拒絶された初夜。
それになぜか結婚後もドレスに装飾品、山のような贈り物。
どうした、旦那さま。借金を払ってくれただけで十分です。もう贈り物は結構ですから。
そして最近、妹と一緒にいるのを見かけたのですが。
あなたも妹がいいって言い出すのかしら?
元婚約者のようにーー。
文字数 136,910
最終更新日 2024.06.21
登録日 2024.05.24
私はフェブリール男爵家の次女として生まれた。
名は──もうなんだったか、忘れてしまったけれど。
皆、私を“出涸らし”と呼ぶ──。
姉のローゼリアが聖女として認定されてから、いつしか名前すら呼ばれることなく、家事を一手に引き受けてきた彼女は、お風呂場の掃除中に滑って頭を打ち、前世を思い出した。
「生まれてきて……ごめんなさい……」
涙を流し今世に絶望する彼女は、昔姉に聞いた森に住む怖い魔法使いの話を思い出す。
そして思い至った。
そうだ、来世に期待しよう。──と。
嫌というほど叩かれた。鞭でぶたれた。もう痛いのは嫌だ。
できるだけ痛み無く、楽に、綺麗に来世に行きたい。
彼女は森へと旅立った。噂の悪い魔法使いに、【痛み無く、楽に、綺麗に】来世へ送ってもらうために。
悪い魔法使いと言われる若き公爵オズ・ジュローデルと出会い、彼に【セシリア】という名前をもらい、居場所をもらった彼女は、そこでオズやケットシーの【まる子】、グリフォンの【カンタロウ】と共に、魔法薬茶の薬草を育てながら人々と触れ合い生きていく。
やがて彼女の本当の力が目覚めて──?
出涸らしと呼ばれた死にたがり令嬢と、クールで実はうぶな悪い魔法使いの、ハートフル恋愛ファンタジー。
セシリアの明るい来世は──!?
他サイトでも連載中。
文字数 143,586
最終更新日 2024.04.22
登録日 2024.04.10
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