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第十八話

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  またもやいきなり正社員やフルタイムのバイトはきついと思った俺は仕事体験というのに応募した。自宅から10分ほどのところで募集しており体験ながら日当1万2千円ももらえるとなっていたからである。さっそく面接の予約を取り付けた……というか面接は体験の後にすると書かれていたはずでもうこの時点で何かおかしい気がしたのだがまあとりあえず面接に行ってみることにした。面接では採用担当が何やら困った顔をしながら言葉に詰まっていた。経験者を募集していたのに未経験者が来たからである……いやそもそも募集要項に経験者なんて言葉はどこにも書いていなかったのだが……結局中途半端に時間だけ取られその場で不採用を言い渡されて帰った。もちろん体験もできないため1万2千円は幻となった。

 道路を挟んだ自宅のほとんど真向いにある大型倉庫でバイトを募集していた。時給は千円で夕方の5時半までだというのでとりあえず応募した。実はここに応募するのは初めてではない、以前にも一度応募しようと電話したことがあるのだがそのときは
「もう定員に達したから!」
と何も言う前に軽くあしらわれた感じだった。アパレル関係のものを取り扱っているらしいので主婦など実質女性しか取らない予定だったため男の声が聞こえた時点でこうなったものと思い今回はウェブ応募にしたものの、たぶんそのままスルーされるものだろうと考えていたのだが普通に電話とメールで面接予定が返ってきたのは意外だった。面接では多少早めに来たとはいえ、予定時間を過ぎても待合室のようなところでけっこう長いあいだ待たされることになった。どうやら一度に複数名の面接をしていたようで順番が来たら呼ばれる形式らしい。やっと順番が来るとアパレル関係には見えない年配の男性が数人並んでいた。まあ自分も決して若くはない(本来ならアルバイトどころか正社員としてそこそこ重要なポストを任されていて当たり前の年齢である)のだがここでは若い部類と言われた。また残業が一日一~二時間あるとも言われちょっとやりたくなくなった。そして応募要項には何も記載されていないのだが倉庫業だけにフォークリフトの資格があることについては少し突っ込まれた。(まあ置かれていたのは全然乗ったことがないリーチ式のフォークリフトだったが)だから特にどうということはなかったのだが完食は悪くないと思った。採用の場合は電話、不採用の場合は履歴書を郵送すると最後に言われその場を後にしたが電話が来ることはなかった。まあ、外に出れば必ず視界に入る場所なのでもしバックレたり嫌な辞め方をしてしまったら下手をすればその後もそこのスタッフと顔を合わせてしまうという心配がなくなっただけでも良かったと思うことにしている。

「そうやって落ちたことに安心材料見つけてるんじゃないわよぉおおおおおおおおお!!」

ビリビリビリリイィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

だってしょうがないだろう……。
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