忘却の彼は元婚約者を愛す

「私は、彼女と婚約して夫婦になるみたいなんだ」  


従者であるマナトに主人はそう言った。いつも通り興味なさげに返事をしようと思ってたマナトだったが、それは無理だった。

かつて自分が約束していた婚約を他の人とする……それを聞いたマナトの瞳からは涙がこぼれ落ちた。


どうして……僕のことだけ忘れてしまったのですかっ……


そんな動揺を隠せない時を狙われ、主人は暗殺者によって怪我を負わされてしまう。マナトはもう彼の護衛をすることもままならないと感じ、彼から離れることを決意した。
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