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第8章 偽シンデレラの正体

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 そのまま抱き上げられ、バスタオルで包まれ、隣の部屋のベッドに運ばれた。

 そこはいつもの寝室ではなく、ゲストルーム。
 濃紺のベッドカバーを乱暴にはぐると、彼はすぐにわたしに覆いかぶさってきた。

「ごめん、もっとゆっくり可愛がってあげたいんだけど……だめだ、今すぐ、欲しい……」

 その余裕のなさがなぜかとても嬉しくて、はしたないと思いつつ、思いを素直に口にした。

「大丈夫……わたしも早く……玲伊さんが……欲しいから」

「優紀……」

 咬むような口づけを施しながら、彼の手はわたしの脚にかかった。
 少し前なら、とても考えられなかった。
 けれど今は、もうわたしも彼を受け入れる準備がすっかりできていた。

 彼の指が狭間をかき分ける。
 そして、その直後、一気に貫かれた。
 はじめの衝撃が収まると、わたしの心は彼と一つになっている喜びに包まれてゆく。

「はぁっ……」と快感にあえぐ彼の吐息さえ、愛おしくて。

「ああ、ゆう……き……」
「れ……いさ……ん」


 彼は腰を使いながら、指先でわたしの敏感な場所を探りはじめる。
 二重の快楽に襲われ、わたしの唇から言葉がほとばしる。

「ああ、ああん、や、いゃぁぁっ」

「優紀……一緒に……」
 荒い息遣いのなか、彼の声がわたしの耳に届いた。
 わたしは素直に快楽の波に身を任せはじめた。

 それを感じ取った彼の動きもひときわ激しくなり。
 そして……
 わたしたちは、はじめて同時に極みに達した。

 
 ベッドで並んで横たわって、激情の波が静まってゆくのに身を任せていたとき、玲伊さんがはっと半身を起こした。

「まずい。優紀の髪、ちゃんと乾かしてなかった。濡れたまま寝るのは厳禁なんだよ」

 彼はわたしの手を取ってベッドから起こすと、洗面所へと向かった。
 
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