東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

2024年シーズンを終え、
髙津監督の胸に残る思いとは――

(インタビュアー:長谷川晶一)

――10月5日をもって、2024年全日程が終了しました。「ヤり返せ!」をスローガンに臨んだものの、昨年に続いて今年も5位という結果に終わりました。まずは現在の率直な思いをお聞かせください。

髙津 神宮最終戦のセレモニーでも言ったけど、苦しいシーズンだったにもかかわらず、常に大きな声援を送ってくれたファンのみなさまには、心から「どうもありがとうございました」という感謝の気持ちとともに、「悔しい思いをさせてしまって申し訳ありませんでした」という思いの両方があります。今シーズンのスワローズはV奪回を目指してスタートしましたが、なかなかうまくいかないことばかりで悔しい気持ちでいっぱいです。

――現在はフェニックスリーグが始まり、秋季キャンプも控えています。やるべきことは山積していると思います。

髙津 今年の反省を生かし、「何がいけなかったのか?」「どこに問題があったのか?」を振り返って、しっかりと「勝てるチーム」にすること。心と身体の強いチームを作り上げるために、また一から出直していきたいと考えています。おっしゃる通り、やらなきゃいけないことはたくさんあると思います。

――シーズン終盤の9月24日には、来シーズンも指揮を執ることが決まりました。報道によると1年契約、背水の陣で2025年シーズンを迎えることとなります。

髙津 これも、当日コメントしましたけど、今年のこんな成績にもかかわらず、来季も監督要請をしていただいたことに感謝しています。さっきも言ったように、やるべきことはたくさんあります。チームを再建するのは簡単なことではないですけれど、自分の身を削る覚悟で、できることはすべて取り組んでいく。昨年、そして今年のような悔しい思いは二度としたくないし、選手たち、ファンのみなさんにもさせたくない。これまで、先輩方が築き上げてきたスワローズの伝統を継承すると同時に、新しい歴史を作り上げられるように全身全霊で頑張りたい。そんな思いを改めて強くしています。

――2年連続でのフェニックスリーグ視察も決まり、若手野手に対しては「複数ポジションを守れるようにしてほしい」と発言もしています。

髙津 実際のゲームを客観的に見る機会はなかなかないし、自分の目で見て感じることも多いと思うので、貴重な機会になると思います。何でもトライできるこの時期だからこそ、若手に対しては外野なら3つ、内野なら4つと「どこでも守れる選手」を目指してほしい。そんな思いは強いです。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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