東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

2024年シーズンを終え、
髙津監督の胸に残る思いとは――

印象に残っているのは、各球団のクローザーを撃破したこと

――さて、今シーズンは62勝77敗4分という結果に終わりました。今シーズンの総括をお願いします。

髙津 ひと言で言えば「後悔することばかり」という感じです。それは、僕自身はもちろん、選手たちもそうだろうし、コーチ、フロント、誰もがそんな思いを抱いていると思います。今年のチームに関してはどう表現すればいいのかな……、強いて言うならば「うまく揃えられなかった」という表現が相応しいのかもしれません。

――開幕戦から離脱者が相次ぎ、今年もまたフルメンバーで戦うことがほとんどできませんでした。

髙津 この連載でも何度も言ってきたように、故障には「防げるケガ」と突発的なアクシデントによる「防げないケガ」があります。細心の注意を払って選手たちの様子を見て、ケアしてきたつもりだったけど、それでもまだ足りなかった。問題があった。来季に向けて、その点はさらに対策を講じていく必要があります。

――今季の143試合の中で印象に残っている試合を教えてください。

髙津 うーん、「印象に残っている試合は?」と聞かれて、最初に頭に浮かんだのは「各球団のクローザーをやっつけた試合」になるのかな?

――今季は、4月25日の対広島東洋カープ戦で栗林良吏投手からサンタナ選手がサヨナラホームランを放つなど、セ・リーグ5球団、すべてのチームのクローザーを打ち崩して、勝利をもぎ取りました。

髙津 ミンゴ(サンタナ)が栗林投手から打ったサヨナラホームランも忘れられないし、(山田)哲人がタイガースの岩崎優投手から打った決勝打も印象に残っています。自分自身もクローザーだった身でこういうことを言うのもアレだけど、相手チームのクローザーが登場する時点で劣勢であることは間違いないんです。でも、そこから粘りを見せて勝利をつかむことができた。それはやっぱり印象に残っています。……でも、ここまで言っておいて申し訳ないですけど、やっぱり勝った試合よりも、負けた試合ばかりが頭に浮かんできますね。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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