――さて、今シーズンは62勝77敗4分という結果に終わりました。今シーズンの総括をお願いします。
髙津 ひと言で言えば「後悔することばかり」という感じです。それは、僕自身はもちろん、選手たちもそうだろうし、コーチ、フロント、誰もがそんな思いを抱いていると思います。今年のチームに関してはどう表現すればいいのかな……、強いて言うならば「うまく揃えられなかった」という表現が相応しいのかもしれません。
――開幕戦から離脱者が相次ぎ、今年もまたフルメンバーで戦うことがほとんどできませんでした。
髙津 この連載でも何度も言ってきたように、故障には「防げるケガ」と突発的なアクシデントによる「防げないケガ」があります。細心の注意を払って選手たちの様子を見て、ケアしてきたつもりだったけど、それでもまだ足りなかった。問題があった。来季に向けて、その点はさらに対策を講じていく必要があります。
――今季の143試合の中で印象に残っている試合を教えてください。
髙津 うーん、「印象に残っている試合は?」と聞かれて、最初に頭に浮かんだのは「各球団のクローザーをやっつけた試合」になるのかな?
――今季は、4月25日の対広島東洋カープ戦で栗林良吏投手からサンタナ選手がサヨナラホームランを放つなど、セ・リーグ5球団、すべてのチームのクローザーを打ち崩して、勝利をもぎ取りました。
髙津 ミンゴ(サンタナ)が栗林投手から打ったサヨナラホームランも忘れられないし、(山田)哲人がタイガースの岩崎優投手から打った決勝打も印象に残っています。自分自身もクローザーだった身でこういうことを言うのもアレだけど、相手チームのクローザーが登場する時点で劣勢であることは間違いないんです。でも、そこから粘りを見せて勝利をつかむことができた。それはやっぱり印象に残っています。……でも、ここまで言っておいて申し訳ないですけど、やっぱり勝った試合よりも、負けた試合ばかりが頭に浮かんできますね。