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私には、前世の記憶というものがある。それを思い出したのは、中学生の頃。
前世の時代はおそらく大正時代ごろ。その当時は体が弱かった私だけど、桜が大好きで、死期を悟った私は旦那様に連れて行ってもらって、『来世、でもまた、愛を誓いあってくれますか?』といって、そのまま亡くなるのだ。
前世を思い出してから桜の時期になると、この小さな神社にある樹齢何十年の桜の木のもとに通う。ただ、あの人が来るのを私は待ち続けているのだ。
文字数 4,065
最終更新日 2023.03.27
登録日 2023.03.27
人間世界と隣合うように存在する妖怪世界。
ある真夜中、赤鬼と一緒に酒盛りをしていた大入道。話の中で赤鬼が自分が大入道よりも強いと言い始めた。
それに眉間に皺を寄せる大入道。赤鬼は今すぐ決着をつけようとするが、証人がいないと言って、
とある催しを検討する。そして開催されることになったのは、妖怪大運動会であった。
文字数 7,073
最終更新日 2023.03.17
登録日 2023.03.17
とある町にある木造建築の駄菓子屋、七。近くに小学校に中学校、公園まであるので、よく子どもたちの憩いの場として親しまれていました。
駄菓子屋ですから、子どもたちが帰ると普通ならお店を閉めてしまいますが、ななの商売相手は子どもだけではありません。今日もとある噂を聞いて、ホームレスの男がやってきました。男の目的は、店の奥の個室にあるスロットマシーンでした。
文字数 6,301
最終更新日 2023.03.17
登録日 2023.03.17
私は深夜の散歩が好き。毎日は仕事の関係で無理だから週末だけだけど。
いつものように家の近くにある土手の遊歩道を、今日は川上へ向けて歩く。
するとそこにはうずくまる影が一つ。近づいてみると……。
文字数 2,860
最終更新日 2023.03.10
登録日 2023.03.10
ある若い生物学者は、学会で言った。
「このまま環境破壊を続けていけば、動物はもちろん、人間もいずれは住めなくなる!」と。
だが、会場で沸き起こったのは大きな笑い声だった。
悔しくてたまらなかった彼は、ある計画を思いついた。それは……
文字数 5,101
最終更新日 2023.03.08
登録日 2023.03.08
メアリーは3歳の誕生日の時に、プレゼントとして両親からテディベアをもらいました。
メアリーはそれを大事に大事にしていました。大人になっても大切にしていました。しかしある日、別れの日がやってきます。
文字数 4,129
最終更新日 2023.03.06
登録日 2023.03.06
ここではちょっと不思議な本屋さんのお話をいたしましょう。
本屋の店主は、いつも膝に三毛猫を乗せたおばあさん。
お店の中は人が一人やっと通れるくらいの間隔で並べられた沢山の本棚。入りきらない本は床に積まれているほどです。
一見、どこにでもある古本屋さんですが、最も不思議なのは、その本屋に入った人が出てくるところを誰も見たことがないというのです。
さて、この本屋さん秘密はいったいなんでしょうか?
文字数 2,379
最終更新日 2023.03.03
登録日 2023.03.03
山奥にある小さな村。日照りが続いていて作物がうまく育たず、苦労していたこの村で一番の働き者である一太郎は、雨を降らすことができるという旅装束の青年に、雨を降らせてほしいと頼む。その願いの対価は命の次に大切なものを差し出すこと。一太郎は、かまわないと返事をする。その日の夜から雨が定期的に降るようになり、豊作を迎えたとき、青年が再び一太郎の前に現れる。対価をもらいにきたと。
文字数 7,881
最終更新日 2022.07.31
登録日 2022.07.30
人は忙しくて手が回らないとき、思わず『猫の手も借りたい』という。そんな猫の手を提供しているのは、人間の姿をした化け猫お蘭。彼女は同じく化け猫族の猫又たちと、『化け猫亭』を経営。今日も店には、猫又たちの手を借りに、お客がやってくる。
文字数 30,449
最終更新日 2021.06.22
登録日 2021.05.09
「逢魔が時。あなたはこの意味を、知っていますか? これは読んで字の如く、人と人ならざるモノたちが出逢う時のことをいいます。
人ならざるモノ。彼らは、人の心の闇を好みます。甘い言葉で、人間を誘惑するのです。
お聞かせいたしましょう。魔に魅入られてしまった、哀れな人間たちの末路を……」
文字数 25,445
最終更新日 2021.03.29
登録日 2020.10.31
昼から夜へとかわる逢魔が時。
悩みを抱えて歩いていると、不思議な神社に辿り着きます。
そこは、お賽銭を投げ入れると、狐の神さまが現れて、悩みを聞いてくれるという黄昏神社でした。
文字数 4,185
最終更新日 2020.10.20
登録日 2020.10.18
花屋を営む瑞希のもとに、親友の毅が相談を持ちかけてくる。
相談内容は、付き合っている彼女にプロポーズするための花束を作って欲しいということだった。
しかも定番のバラではない、別の花で。
花言葉に詳しい瑞希は、プロポーズに相応しい言葉を持つ花を候補で出し、彼に選ばせる。
瑞希が候補に挙げた花はどんな花か。
毅が選んだ花はどんな花か。
花に想いをのせて
文字数 4,311
最終更新日 2020.10.09
登録日 2020.10.09
強者を示す二つ名を持つ双子の兄妹、夜斗と夜那。
〈紫金の魔剣士〉の二つ名を持つ夜那は、かつて魔物の生贄にされた影響で、驚異的な再生力と魔力を持つ一方で、外見が十二歳で成長が止まる。
〈剣銃の死神〉の二つ名を持つ夜斗は、剣闘士の過去を持つ。魔法は使えないが、全属性の魔晶石を扱うことができる。
夜那は自分が死ねる方法を探し、夜斗は妹の体を元に戻したい。そんな考えのもと二人は、フリーの冒険者〝暁〟として旅をしていた。
商人の護衛依頼でシャンデルト王国王都クリスティルパラードにやってきた兄妹。
そこで二人は、王子のリチャードと従者のファル、情報屋のロイと知り合うことになる。人と必要以上の関わりを拒む兄妹だが、彼らと関わっていくうちに、国の陰謀に巻き込まれていく。
ファンタジーの中でもハイファンタジーや王道ファンタジーのジャンルになります。
文字数 133,244
最終更新日 2020.09.30
登録日 2020.08.29
人間と妖怪が共存する大江戸の町。人間の中には稀に異能を持って生まれてくる者がいる。比奈(ひな)は、異能の中でも万物を癒す力を持っていた。そのため幼い頃から狙われ続けていたが、父が連れてきた法力僧の守護を受ける代わりに、父によって金儲けの道具にされていた。だが彼女はその生き方を仕方ないと受け入れており、城の番方(警備のこと)の仕事をしている兄の神流(かんな)は、その事に頭を悩ませていた。
ある日、将軍の息子、黎明(れいめい)が神流の悩みを聞く。二人は身分違いだが、昔、神流が黎明を刺客から守ったことをきっかけに、交流を持つようになった。黎明は神流から比奈のことを聞き、その日の夜、会いに行く。そこから、黎明と比奈の交流が始まった。
文字数 44,122
最終更新日 2019.05.30
登録日 2018.11.25
真島千尋は、幼馴染み九条颯人の結婚式に着ていくドレスの用意をしているとき、一枚のある写真を見つける。そこから、彼女は過去へと思いをはせる。
文字数 20,861
最終更新日 2019.04.29
登録日 2019.03.24
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