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——私は音に恋をした。
——でも、恋の音とは、どんなものかわからない。
結婚をしていない三十三歳の女、眞野しほり(まのしほり)。
甘えたがりの性格から、元彼から「甘えるな」と言われ続け、人に甘えてはいけないと考えている。
母親から彼氏はいるのか、結婚はまだかと責められる中、会社の先輩奈良栄楊(ならさかやなぎ)に優しくされる。
ある日、〝練習〟の帰り道、後ろを付いてくる人影が。
実は落とし物を届けにきてくれた、高校生の福岡湊(ふくおかそう)だった。
親友の日野和夏希(ひのわなつき)と一緒にフルートとピアノのコンサートを開く予定だったが、ある人物に大切なフルートと夏希を傷つけられ、開催が困難な状況へ。
音を通して、改めて音楽と、高校生という年の差がある湊への気持ちを見つめ直す、音の恋愛物語。
「ずっとそばにいたい」
「湊くん、好きになって……ごめんなさい」
「年齢差の壁は、高いなぁ」
「私、嘘をつきたくない」
表紙:神葉あすと様(@kanburst)
私の突然の申し出に対応いただき、ありがとうございました!!
当作品は、「風のフルーティスト」の改稿版です。
内容、キャラクターの容姿、口調、性格の微調整、文章などを訂正しました。
文字数 152,981
最終更新日 2022.06.07
登録日 2022.04.14
一九四四年。戦時中。まだ特別攻撃隊があらわれる前のこと。
海軍の航空隊がある基地に、須古銀次(すこぎんじ)という男がいた。その者は、身長が高く、白髪で、白鬼と呼ばれる。
彼が個室の部屋で書類に鉛筆を走らせていると、二人の男達がやって来た——憲兵だ。
彼らはその部屋に逃げ込んだ二人組を引き渡せと言う。詳しい事情を語らない憲兵達に、須古は口を開いた。
「それは、正義な(正しい)のか」
言い返された憲兵達は部屋を後にする。
すると、机下に隠れていた、彼杵(そのぎ)と馬見(うまみ)が出てきた。だが、須古はすぐに用事があるのか、彼らに「〝目を閉じ、耳を塞ぎ、決して口を開くな〟」と言って隠れるように促す。
須古が部屋を出て行ってすぐに憲兵達は戻ってきた。
※当作品はフィクションです。
作中の登場人物、時代、事情、全てにおいて事実とは全く関係ありません。
文字数 11,942
最終更新日 2020.10.27
登録日 2020.10.24
文字数 50,068
最終更新日 2020.06.07
登録日 2019.01.14
文字数 86,080
最終更新日 2019.09.28
登録日 2019.02.14
文字数 9,972
最終更新日 2019.01.27
登録日 2019.01.15
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