食べ方としては、温かくても冷たくしても美味しく食べることができるが、地元では富山湾で採れる海の幸を使ったかき揚げうどんや、天ざるうどんなどが人気の食べ方。うどんそのものの味を楽しみたければ、釜揚げうどんやざるうどんなどのシンプルな食べ方がオススメだ。
最後は長崎県五島列島の“五島うどん”だ。遣唐使の時代に中国から伝わったとされ、稲庭うどんと同じく“手延べ製法”の乾麺だが、“打ち粉”で伸ばさず、特産品の“椿油”を表面に塗って細長く伸ばしてつくっている。生地には上五島で製造された塩が練り込まれており、断面は直径2mmほどのパスタに似た丸状だ。食用の椿油を使用しているため、長く茹でても伸びにくく、煮込んでも強いコシが残るという特徴がある。
地元でオススメの食べ方は“地獄炊き”。鍋にたっぷりの湯を沸かして麺を7~8分茹で、そのまま溶き卵や五島名産の焼きアゴ(トビウオ)出汁のつゆにつけて食べるのが定番となっている。口の中につるんと入り、少しモチッと弾力がある食感は、まさに“生パスタ”に近い。
このほかにも埼玉県の“加須うどん”、山梨県の“吉田のうどん”、三重県の“伊勢うどん”、福岡県の“博多うどん”なども有名なご当地うどんである。これまで日本全土で数多くのうどんが生まれ、時代の流れや風土とともに発展してきた歴史がある。そう考えると、そもそも無理やり3つを決める必要はないのかもしれない。
(文=上杉純也/フリーライター)