茶系ペットボトル飲料、なぜ年々増量化?600ml超も

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自動販売機でも缶飲料、ペットボトル飲料が一緒に販売されていた(筆者撮影)

飲料の好みはどうなっていくか

 清涼飲料市場は全体で5兆円を超える巨大市場だが、コロナ禍初年、2020年の実績は17億7850万ケース。前年比93.5%と落ち込んだ(「飲料総研」調べ)。コロナの影響で、ビジネス出張や観光旅行の自粛、学生からシニアまで各種スポーツ大会や発表会も中止となり、移動時に携帯されるペットボトル飲料も影響を受けた。2021年の実績は回復基調にあるが、コロナ以前(2019年)には戻り切っていない。

 別の調査結果では、健康志向を反映して、国内市場全体での「無糖飲料製品」構成比は「2018年は約49%」(全国清涼飲料連合会調べ)と、半数が無糖になっている。

 前述した麦茶人気でも紹介した健康志向だが、一方で消費者の選択意識は、その時の気分でも変わる。無糖の炭酸水が年々拡大する一方で、有糖のコーラやサイダーも一定の支持があり人気は落ちないのだ。ただし、糖質・カロリーゼロを打ち出す派生商品も増えるなど、健康志向に配慮する流れにある。

 飲料メーカー各社を取材すると「夏の亜熱帯化」という言葉で説明を受けたりもする。これからの時期は、特に大容量が好まれそうだ。

(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

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駅のホームに置かれた自販機にも600ml容器(右上)があった(筆者撮影)