現在、最高の経営者ランキング…3位の永守重信、2位の柳井正を抑えて1位は?

 2月1日付でみずほFGの新社長に昇格した木原正裕(56)は準備不足が心配されている。「営業のほか経営戦略を立案する経験も乏しい」(金融庁幹部)とみられており、みずほFGは企画力に優れた幹部を木原の周辺に配置する方向だ。

 自動車業界はホンダの三部敏宏社長(60)とSUBARUの中村知美社長(62)。マツダの丸本明社長(64)あたりだろう。ダイバーシティという観点から女性経営者を1人、すでに候補に挙げた。外国人を1人挙げるとすると、三菱ケミカルホールディングスのJ.ギルソン社長(58)か。事業再編がうまくいけば、候補になるが、現時点では裸の王様になる懸念が強い。ギルソン社長は経営戦略説明会で「向こう10年、再生医療Museが利益貢献することはない」と発言。株式市場で「Muse細胞開発縮小」と受け止められ、株価が急落するという苦い経験をしたばかりだ。三菱グループの社長会「三菱金曜会」での評判をギルソン社長の取り巻きが気にしているという情報もある。外国人社長が日本の経済・産業界のリーダーになるのは難しいことだ。

 世襲は取り上げないとしたが、1人選ぶならアイリスオーヤマの大山晃弘社長(43)か。ヨドバシカメラの藤沢和則社長(生年月日は不明、20年7月1日付で社長になった時の年齢は54歳)。ヨドバシ・ドット・コムがECサイトの顧客満足度でアマゾンや楽天を上回っている。

 日清食品ホールディングスは副社長の安藤徳隆(44)を取り上げたい。LIXILの瀬戸欣哉(61)も候補だ。高炉メーカーでは日本製鉄の橋本英二社長(66)。“けんか英二”、トヨタにかみついた。おもしろいキャラクターである。

 話題の半導体では東京エレクトロン社長の河合利樹(58)、アドバンテストの社長の吉田芳明(64)、レーザーテックの岡林理社長(63)あたりが5年先に注目を集めているのかどうか。半導体業界は浮き沈みが激しいので、すんなりこのメンツで決まるという自信はない。

 才気走ったリーダーが何人か思いつくが、こけるような気がするのでリストアップしてなかった。総合的に判断して第1位はソニーGの吉田憲一郎会長兼社長。第2位はリクルートホールディングスの出木場久征。第3位は日本製鉄社長の橋本英二(66)。橋本は5年後、経団連会長になっているだろう。

 小生の5年後のベスト経営者の条件である年齢を少しオーバーするが、目をつぶろう。4位はホンダの三部敏宏社長。EV傾斜の経営戦略と米国市場での知名度の高さ、新車の1台当たりの利益率はSUBARUの次である。5位はダイバーシティの観点から高橋真知or J.ギルソンとしたが、番外としたヨドバシカメラの藤沢和則社長or日清食品HDの安藤徳隆副社長を場合によっては繰り上げることも可であるとしておく。

設問3【過去「最高」の経営者】

 日本では大正時代に、大衆文化が花開いた。映画、歌謡曲、大衆演劇、野球などが大衆的人気を博した。戦後の大衆消費社会の先鞭をつけた先達たちを取り上げる。

 1位は、阪急・東宝グループの創始者、小林一三。無から有を生み出すのが独創であり、それを形にするのがベンチャー起業家なら、大衆の夢を結ぶことで娯楽・サービス産業の礎を築いた小林一三は、近代日本が生んだ大先達といえる。鉄道沿線の宅地開発をやり、郊外住宅、終着駅には宝塚歌劇、始発駅には百貨店。大衆の求めるものを安く提供することで、事業を広げていく。当時、だれも思いつかなかった先駆的事業ばかりだ。今日の私鉄経営は、小林イズムを踏襲している。

 2位は、松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助。一代で世界的な総合家電メーカー、松下電器産業を育て上げた松下幸之助は、“経営の神様”と呼ばれた。幸之助は、産業人の使命は生活に役立つものを安く、誰にでも買えるようにすることだと考えた。彼が選んだ方法は、大量に生産し、大量に販売することであった。テレビ、冷蔵庫、洗濯機の大衆消費の先鞭をつけた。