なぜ成功する人たちは図書館に通うのか?他人とは違う知識で独創的発想を生む

 自分の調査法(範囲、発想)、自己流の知識獲得法、活用法の殻を破ってくれるという意味では、レファレンスサービスという一対一で助言、案内をしてくれる司書さんとの対話もイチオシです。勇気を出して話しかけてみましょう。NDC(日本十進分類法)を巧みに活用し、ときにその枠を超えて異分野、別ジャンルの本に重大なヒントが見つかることもあります。

 同書は、メタレベルで(根本的に)自分を変えてくれる可能性があります。高度知識労働者、知能労働者を増やしてくれそうなほど優れた本ですので、ぜひお読みください。図書館法によりサービスのほとんどすべてが無料というのも凄いことですね。

ただの情報ではないオンラインレポートで他人の価値観に触れる

 読書が素晴らしいといっても、大部の本を通読するのは大変ですね。読んでいるうちに、何を知りたかったのか忘れかねません。問題解決や、独自レポート執筆が目的なら、10冊くらい机に積んで、斜め読みして付箋をはさみつつ、マイペースの思考を貫き通すべきでしょう。

 書籍1冊よりは気楽に読め、特定テーマに関する小規模な知識体系であれば、オンラインレポートのサイトを見つけて、自分に合う、読みやすい著者の記事を参照すると良いでしょう。その選び方ですが、知識の編集・提示のスタイルが自分にとってわかりやすい編集方針のサイトを選ぶと良いでしょう。きっかけは「テレワークのこつ」など、目下の関心事項でWeb検索してそのようなサイトを見つけるのも良いでしょう。

 最近でいえば、ビジネスパーソンの多くが関心を持ちそうなポストコロナの市場予測など含む多数の多彩なテーマをわかりやすく載せているサイトの1つとして、ICT系の調査レポート R&Aという、KDDI Researchさんのこちらをあげさせていただきます。下記の最近の記事を少し読みましたが、単に過去の市場数値を読み解くだけの退屈なレポートではなく、「それはなぜなのか?」と人々の心理動向の変化にまで掘り下げて分析することで、初めて、新しいトレンドの誕生が腑に落ちる感じでした。これは、グラフの曲線を未来の年号にまで伸ばしただけの単なる外挿(これを「予測」と呼ぶクダラナイITが跋扈してます)ではありません。今のところ「なぜ?」を思考できる人間にしかできない本物の予測です。

「寄付とテック  マイクロドネーションで 若者の利他の気持ちを受けとめる」

「ラストマイルは『配達まで15分以内』の争いに ニューヨークで即時配送サービスが熾烈な競争」

「ウィズ・ポストコロナ時代の旅行トレンド」

「環境に配慮しただけで、商品は売れるのか」

やはり未知の人との対話が最高に刺激的

 どうしても図書館に足を運べず、レファレンスコーナーで会話する時間がとれないときはどうしたら良いでしょうか? この連載でもときどきご紹介している、オンライン展示会の展示ブースで説明員と対話するという代案があります。

 その説明員が仮に、さほど創造的でない相手だったとしても十分刺激になることがあります。企業の数だけ異なる文化があるので、異質の企業文化で育った人は、話題の振り方や、内容、表現の選び方、その展開の仕方が違っていて、新鮮です。当初お互いに話が嚙み合わないときに、「面白い! なぜだろう?」と考えることで、めちゃくちゃクリエイティブになり、高速で頭が回転するきっかけになることがあります。

 ということで、最後に3つ4つ、筆者が説明員をやるオンライン展示会をご紹介させてください(笑)。上3つは1月26~28日の開催です。

「ヘルスケアビジネス」オンライン展示会に情報漏洩対策ソリューションを出展