この仕組みを活用して、残りの返済期間は30年だけれど、借換えによって返済額が減るので25年にしよう、あるいは返済額は多少増えるけれど、思い切って20年返済にしよう――というわけです。
返済期間を短縮すれば、年代によってはリタイア前に完済できるようになって、精神的に安心感が高まるという人もいるでしょう。
コロナ禍のいま、住宅ローンの借換えは、単に返済負担を軽くするという意味合いだけではありません。返済額はさほど減らなくても、あるいは多少増えても、より安全な住宅ローンに借り換えることで、先行き不透明感の強いいまを乗り切る心強い味方になってくれる可能性があるわけです。
住宅ローンの返済を続けている人は、「借換えは一度やったので、もうそんなに効果はないだろう」と諦めるのではなく、いま一度、別の角度から見つめ直してみてはどうでしょうか。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
●山下和之/住宅ジャーナリスト
1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に、新聞・雑誌・単行本・ポータルサイトの取材・原稿制作のほか、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(執筆監修・学研プラス)などがある。日刊ゲンダイ編集で、山下が執筆した講談社ムック『はじめてのマンション購入 成功させる完全ガイド』が2021年5月11日に発売された。