中野区、奇抜すぎる図書館が物議…ツタヤ図書館インスパイア系、10mの高層書架

――高いところの作業は、どうするのか?

教育政策課 裏側にネジがあって、ネジから開閉ができる。裏側に本を配架する場所がある。基本的に表に配架して、裏には関連する本を置くことを考えている。はしごを使わなくても裏側はフロアに面している。7階は表から手にとれ、8階と9階は裏側に書架がある構造になっている。

中野区、奇抜すぎる図書館が物議…ツタヤ図書館インスパイア系、10mの高層書架の画像2
中野区教育委員会公式サイトより

――高い場所には、本は貼り付けるのか?

教育政策課 固定するか、いろいろご意見をいただいているところなので、そこについては検討重ねているところ。

――この書架は誰のアイデアなのか?

教育政策課 こちらの要望に基づいて、設計者が基本設計、実施設計をした。何度か折衝したと聞いている。基本設計の段階から吹き抜けは出ていない。2018年の途中から実施設計から変わった。

――パースはどうして出さないのか?

教育政策課 自治体でも、パースを公開しているところと、ないところがあると思う。うちでは、指定管理者決まってから、区民に対してパースを見せることはあまりしていない。一部見せているかもしれないが、大々的には出していない。

――高所作業については資格が必要か?

教育政策課 高所作業も含めて、どういうふうにするのか、指定管理者とも検討重ねているところ。必要な場合は足場組んで行う。

――それは指定管理者が資格を持った人を手配するのか?

教育政策課 基本的には、そこは外部委託。司書には難しい。

――見た人の感想として、地震が起きた時は怖いと思うが?

教育政策課 バー以外でも固定は必要だろうという想定はしている。バーはあくまでも補助的なもの。

――本の表紙を表にして配架するのか?

教育政策課 面出しについては、企画系を出すことを考えている。企画に関するもの関連は裏側に配架する。あくまでも書架として、本を選ぶひとつの誘導というか、展示になる。

――同じ本が表と裏にあるのか?

教育政策課 そこに置くのは必ずしも本ではなく、あくまでも検討中の案だが、たとえば表面に手芸に関する展示をし、裏に手芸に関する本を配架するとか。

――裏側からも見られるのか?

教育政策課 (裏側には)誰でも入れる。この書架とトイレの間がある。それは横幅があり入れます。普通にフロアなので。

――どこから見られるのか?

教育政策課 各フロアは吹き抜けになっているので、9階だったら9階の真正面から見られるところがある。8階は8階で見られるところがある。そこに興味を持ってもらって、裏に回ると関連本があるというかたち。

――たとえば、あそこにピンポイントで手芸の本があるとして、その真裏がどこかすぐわかるのか?

教育政策課 そういったアナウンス、見せ方は必要だろうなと思う。手芸とかで興味を持ってもらう。真裏に関連本が配架されているようなイメージ。

――具体的に(配架を)どうするのか?

教育政策課 いま指定管理者と話し合っている。【※1】

――いつごろ決定する予定なのか?

教育政策課 一応、12月頃までには決めたい。2月に開館するので、たぶん1月には完成していると思う。

――批判が殺到しているようだが、今後、この公式アカウントのリプライを制限したり、消したりすることはないか?

教育政策課 そういうことをするつもりは一切ない。ご意見はどしどしお寄せいただきたい。我々はそれを今後の広報の方法やサービス提供に反映していきたい

 専門家は、今回の件をどのようにとらえているのだろうか。中野区で過去に区内図書館の新設にもかかわったことのある人物に話を聞いた。

――手が届かないところに本を置くのは、図書館としての実用性がないだけでなく、安全性などデメリットもさんざん指摘されている。それらを犠牲にしてでも、デザインを優先するのはどうしてか?