生まれたときから音を聞いたことがないろう者は、声を出すこともスムーズにはできない人がたくさんいます。咽頭に病気などがあって声を出せない人、出しづらい人もいます。そんななかで、ろう者であるがゆえ、ときにいじめや偏見を受けて生きてきた岡部さんは、今、世界のアスリートとして、社会人として、ダイバーシティの溢れる社会の実現に向けて、まっすぐに突き進んでいます。
きっと少し先の未来では、デフリンピックの表彰台が岡部祐介を待ちあぐねていることでしょう。彼を支える大勢の人の笑顔とともに。
(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)
●岡部祐介(おかべゆうすけ)さん
1987年(昭和62年)11月25日生まれ、秋田県由利本荘市出身。筑波技術大学産業技術学部を卒業。家族は両親と姉と祖母と猫(茶々丸)。
●鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュ協会を設立。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも活躍。