今年、もう「自分と他人を比べる」のはやめよう…自己肯定感が低いほど人間関係を損なう

 これも「自己肯定感が低い人」の特徴的な行動パターンのひとつです。自己肯定感が低いがゆえに、自分の価値観の方が正しいのだと確認したい。相手を否定すれば自分が上になるという優越感を得たいのです。相手には相手の事情や都合や考え方があるということに思いが及ばず、自分の考えがすべて正しいと思いたいのです。

自己肯定感が上がる習慣 いろんな世界、いろんな生き方があっていい、と認める

 成熟した大人は、自分に寛容であり、他人にも寛容です。自我が確立すれば、自分は自分でいいんだと信じることができます。また、私たちは人に迷惑をかけながら生きているわけですから、他人のことも許すことができます。

 しかし自己肯定感が低い人は、自分に不寛容で、自分の性格が好きではありません。むしろ嫌いです。だから他者に自分の評価を求めてしまう。あるいは他人と比べて自分の方が価値が高いと確認したくなる。そして自分を嫌いな人は、他人も嫌いです。自分とは違う他人、自分の期待通りに動いてくれない他人にイライラしがちです。

 そんな彼らがネット上で不適切な写真や発言を見つけると、あるいは芸能人や政治家の不倫報道などを見ると、一斉に叩き始めます。いわゆる炎上です。そうやって彼らは自分の正義をぶつけられる対象を探しては溜飲を下げようとしています。自己肯定感が低い人はつねに不満が渦巻いていて、世の中は厳しいと感じ、人生が好転することがありません。

 さわやかな感情で生きるためにまず必要なのは、自分とは違う他者を認め、受け入れることです。人はみな不完全ですから、そんな不完全な他人を許せる自分になれば、不完全な自分も受け入れられるようになります。

 あるいは逆に、不完全な自分を認めることができれば、不完全な他人も受容できるようになります。「他人は他人でがんばって生きているんだろう。そのあり方は自分の考えるものとは違うけど、それもアリ」「そして、自分も他人とは違うけど、それなりにがんばって生きている。だからそれもアリなんだ」というイメージです。

 仮に自分の嫌いなところがあったとしても、それも含めて自分です。無理に変えようとするのではなく、そんな自分でも快適に生きられるよう、捉え方、関わり方を変える。自分を好きになろうとごまかすのではなく、ありのままでいいと受け入れるのです。

(文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役)