アマゾンギフト券、突然「すべて没収」続出…アマゾンと仲介業者、抜本的対策取らない理由

Q.1)貴社サイトで売買が仲介されたオンラインギフト券について、貴社は、売買は売り手と買い手の自己責任という立場を取られています。しかし、アマゾンギフト券を不正な手段で購入した売主から、貴社サイト上でそのアマゾンギフト券を購入してアマゾン上で利用しようとした顧客が、当該アマゾンギフト券を没収される事象が発生しています。また、盗難など不正に入手されたクレジットカードによってアマゾンギフト券が購入され、それが貴社サイト上で売買され、アマゾン上で利用される可能性も指摘されています。利用者保護の観点より、プラットフォーマー企業として何か対策をお取りになるご予定はございますでしょうか。

Q.2)これまで不正な手段で入手されたアマゾンギフト券をめぐる対応について、貴社からアマゾン側に協力を求めたことはございますでしょうか。また、今後求める予定はございますでしょうか。

Q.3)貴社サイト上で不正なギフト券を購入したと気づいた買い手が、購入から30分以内にエラー報告を出せば、売り手に代金が渡るのを阻止できる仕組みになっています。売り手と買い手の交渉中、ギフト券の代金は貴社サイト管理下に置かれますが、もし、この状態で売り手か買い手のアカウントが失効した場合や売り手が交渉に応じない場合、貴社サイトが管理する代金はどのような取り扱いになりますでしょうか。もし貴社の資産として計上されている場合、顧客の金を貴社がトラブルに乗じる形で資産計上するかたちになるのでないかという指摘がありますが、貴社のご見解をご教示いただけますでしょうか。

 質問状は六本木ヒルズの本社に確かに届いたものの、回答はなかった。

 まず、アマゾンは「お客様を第一に考えております」と返答しているものの、事実上のゼロ回答。これでは、消費者から「顧客ファースト」ではなく「ベゾス・ファースト」と批判されても文句は言えまい。アマテンに至っては回答なしと、質問状を誰かが受け取っている以上、対応が誠実とは言いがたい。消費者を納得させるような対応が必要ではないか。

 アマゾンもアマテンも違法な行為をしているわけではない。しかし、このままではオンラインギフト券の市場規模が拡大するにつれて、消費者だけが極端に損をするギャンブルが延々と広がり続けるだろう。喜ぶのはアマゾンとアマテンなど仲介業者だけではないのか。犯罪収益のロンダリングの温床となっている現状を考えれば、業界や政府当局が動くのが筋だろう。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

アマゾンギフト券、突然「すべて没収」続出…アマゾンと仲介業者、抜本的対策取らない理由の画像2●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)
Kyuzo Matsuoka
ジャーナリスト
マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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