非課税枠が1500万円だと、3000万円の贈与を受けても、毎年の基礎控除110万円に1500万円を加えた1610万円を引いた1390万円が課税対象になります。税率は40%で控除額は190万円なので、(3000万円-110万円-1500万円)×0.4-190万円で366万円の贈与税がかかります。非課税枠が3000万円になれば、それがゼロになるのですから、メリットははかりしれません。
実際、消費税増税に合わせて非課税枠が3000万円に引き上げられていた19年度には、グラフにあるように贈与する人が増え、平均贈与額が急増しました。たいへん効果が大きいことが明らかなだけに、再度非課税枠が引き上げられる可能性は高いのではないでしょうか。
もちろん、まだまだ断言できる段階ではありませんが、もしこれらの住宅取得支援策が実現されれば、21年のマンション購入環境は急速に改善します。住宅ローンの金利も超低金利が継続されるでしょうから、いよいよチャンスのときかもしれません。
そうなると、多くの人がいっせいに住宅取得に動き始めることになります。人気物件にお客が殺到して、なかなか希望の物件を買えないといった事態も想定されます。それだけに、今から準備を進めておき、施策が揃った段階で迅速に動けるようにしておくのがいいのではないでしょうか。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)