要領のよさを決める「効果的な脳の使い方」とは

●メモのとり方

「同時系」の人は、罫線は無視して自由にメモします。資料の空いているところにメモをしたり、関係図を描いたりすることも多いです。「他人が見るとわかりにくいけれど、自分にはわかりやすい」という感じですね。

「継次系」の人は、罫線どおりにメモします。箇条書きにしたり、ノートを分割して使ったりすることもあり、他人が見てもわかりやすいのが特徴です。

●ノートのとり方

「同時系」の人のノートは、結論や重要な点が枠で囲んであったり、大きく目立つように記載してあったりします。情報は要約されているため、書かれていないこともあれば、関係ないことが書かれていることもあります。これを継次系の人が見ると、「情報が抜け落ちてる」と感じます。

「継次系」の人のノートは、「順番どおり」「事実のとおり」に記載されています。情報がくまなく網羅されているのですが、どこが重要か、なにが結論か、というハイライトが付けてあるわけではありません。そのため同時系の人が見ると、「要点が絞れておらず、ただ書いてあるだけで要領が悪い」と感じます。

逆のスタイルを取り入れるとうまくいく

このように要領がいいやり方は、自分の情報処理系統によって決まるのです。ただ、自分が得意な系統だからといって、いつもその方法でうまくいくとは限りません。

たとえば、プレゼン資料をつくっているとき。

「同時系」の人は、「これもついでにやっちゃおう」となんでも関連づけようとして、実際の作業が複雑になってしまうことがあります。

イラストを使おうと調べていたら、「同じようにイラストを使用する別の資料も一緒につくっちゃおう!」と思いついて、複数のイラストを探し出す。その結果、時間ばかりかかって目的のプレゼン資料が仕上がらなかったりするケースです。

そんなときは、「継次系」の、ジャンル分けをして1つずつ区切る戦略が突破口になります。資料をつくるなら1つずつ、順番に仕上げていくという戦略にすれば要領がよくなります。

「継次系」の人は、正確に順序立てしようとするあまり、「やることが多すぎて、なにから手をつけていいかわからない」と行き詰まってしまうことがあります。

そんなときは、「同時系」の、まず作業に手をつけてしまう戦略が解決の糸口になります。

あなたが普段、無意識に使っている「型」を知り、ときにはその「型」を思い切って手放してみると、要領よく仕事を進めることができ、速度も格段にあがるはずです。

「同時系」「継次系」別のコミュニケーション法

ここまで読んでいただくと、家族や友人、職場の人間関係であれば、「この人は同時系(継次系)だ」と思い浮かべられるのではないでしょうか。
そこで、この分類をコミュニケーションで応用する方法をお伝えします。

たとえば、「同時系」の人は、情報を関連づけて発展させていくので、質問するときには、決まった選択肢のない質問である「オープンクエスチョン」が向いています。

「○○についてどう思う?」「なにが好き?」と、選択肢を設けずに聞いてみましょう。

「継次系」の人は、情報の関係性を整理していくので、質問するときには、選択式の質問である「クローズドクエスチョン」が向いています。

「○って△かな、それとも□かな? どっちだと思う?」「〇と△ならどっちがやりやすい?」と、選択肢を設けて聞いてみましょう。

ほかにも、「同時系」「継次系」別のコミュニケーション方法は、こんなときに使えます。

ケース①部下が締め切りを守らない

・同時系の部下

締め切りよりは「面白さ」「斬新さ」などの新奇性を優先しているので、それが浮かばないうちは提出することができない、と考えています。