朝のネガティブな気持ちがなくなるルーティン

「楽な目覚め」を習慣化するにはコツがある(写真:kouta/PIXTA)
「書評執筆本数日本一」に認定された印南敦史氏は、その秘訣として「先延ばしをしないこと」を挙げています。なんとなくやる気がでない日も、毎日締め切りを守り続けるにはコツがあるとのこと。本稿では、印南氏の著書『先延ばしをなくす朝の習慣』より、憂鬱な朝を乗り切る方法をご紹介します。

朝に目が覚めたとき、あるいは目が覚める直前で意識が朦朧としているときなどには、ともするとネガティブな気分になってしまいがちです。「ああ……起きたらきょうもまた、仕事に追われることになるのか……」というように。

ましてや月曜日となれば、さらに落ち込んでしまうことになるかもしれませんね。そう強く実感できるのは、かつての僕がまさにそういう感じだったからです。

とくに会社勤めをしていたころは、鬱な気分のまま起床すること自体が通常ルーティン。どよーんとした空気を身にまといながら起きるわけですから、あのころの朝は家庭内にもピリピリとした空気が流れていた気がします。

朝を乗り越える術

しかも、そのあとには通勤地獄が待っており、会社に着いたら着いたでいろいろなことが起きるので、さらにネガティブ感が上書きされてしまったりしたのでした。

ただし、フリーランスになったからすべてが解決した……というようなことはまったくなく、当然ながらフリーランスにはフリーランスならではの苦悩があるもの。ですから振り返ってみれば、なかなか楽ではありませんでした。

でも、幸いなことに、そんないくつもの壁を乗り越えてきた現在は、比較的穏やかな朝を迎えられるようになっています。この先、また新たな壁にぶつかる可能性だって大いにあるでしょうが、それを「とりあえず乗り越える」術は身についたような気がしているのです。

なぜなら、少しでも楽な気分で起きるためにはどうしたらいいかを考え、それを実践してきたから。その結果、「楽な目覚め」を習慣化できるようになったわけです。

穏やかに目覚めるために僕が実践してきた「意識すべきポイント」は次の2点です。

①「この朝」を受け入れる

②目覚める直前に1日の「ゆるいスケジューリング」をする

「ゆるいスケジューリング」で朝を受け入れる

①については、「なにを当たり前のことを」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その当たり前のことをクリアできないまま起きている人も少なくないのではないでしょうか。だから、朝が重たくなってしまうのです。

たしかに、朝が必ず爽やかなものであるとは限りません。とはいえ、明るい気分で起きようが、暗い気分で起きようが、その先には間違いなく1日が待っているのです。だとすれば、少しでもいい方向に向けたいと考えるのは自然なこと。だからこそ、始まろうとしている1日を受け入れるべきなのです。

とはいえ、意気込む必要はありません。「ああ、始まってしまう……嫌だ……」とネガティブになるのではなく、かといって「絶対に素晴らしい1日にしてみせるぞ!」などと無理をして張り切るのでもなく、ただ冷静に「朝が来た」ことだけを受け入れるのです。

大切なのは、それ以上のことを考えそうになったら、思考をバシッと断ち切ること。そのまま放っておいたらまた「……嫌だ……」となってしまう可能性があるので、そうならないようにする必要があるわけです。

ただ、単に遮断するだけでは、時間が経てばまた余計なことを考え始めてしまうことになるかもしれません。そこで代わりにすべきが、?の「ゆるいスケジューリング」です。

「つらい」「嫌だ」というようなことを考えないように意識しながら、「きょうはこれをして、あれをして、それが終わったらこれをして……」というように、機械的に1日の段取りを組むのです。「やるべきこと」を俯瞰するのです。