仕事が上手くいく人が「送らない」イラっとメール

相手を不快にさせないメールのポイントとは(写真:USSIE/PIXTA)
「以前にもお伝えしたと思いますが、早期発送はできませんのでご了承ください」「完璧でございます!」「ほかに急ぎで行うことがあるので、その日できるかはお約束できません!」――。
これらは、現役ビジネスパーソン223名(20~60代)へのアンケートでわかった相手を不快にさせる表現です。上に挙げたようなメールを送ったことがあるという方や、取引先や同僚から来たことがあるという方、意外と多いのではないでしょうか。
これらはどのように言い換えればよいのでしょうか? 『社会人になったらすぐに読む文章術の本』より一部抜粋し再構成のうえ、本稿ではイラっとメールトップ5とOKメールへの書き換えについてご紹介します。

1位は自己都合

(画像:『社会人になったらすぐに読む文章術の本』)

イラっとメール1位:自分都合/一方的

【CASE(状況):社内の別部署に送るお願いメール/社内メール】

× 「NGメール」
○日の○時までによろしくお願いします。もし変更のある場合でしたら○時までだったら対応できますので、よろしくお願いします。
〇「OKメール」
お忙しいところ恐縮ですが、○日の○時までにお願いできないでしょうか。難しければ、日程調整をしますので、ご連絡ください。

■自分の都合より「相手の都合」を優先する

読み手を不快にさせる「イラっとメール」の1位は、「自分都合/一方的」でした。

メールの書き手(送信者)は、「協力をあおぐ立場」である以上、自分の意見を押し通さないこと。「相手に対する気づかいを謙虚な言葉で伝える」ことが大切です。OKメールは、以下の3つのポイントを意識して修正した例文です。

■依頼・お願いメールの3つのポイント

① 「クッション言葉」を盛り込む

「お忙しいところ恐縮ですが」「ご多用中とは存じますが」「ご面倒をおかけしますが」など、「忙しい中で調整いただく」ことを気づかう言葉を添えます。

② 「依頼形(疑問形)」にして、おうかがいを立てる

「よろしくお願いします」「してください」は、目的や理由を述べる前に使うと、「命令口調」と受け取られることがあります。

「お願いできないでしょうか」「していただけますか」と、相手の意向を尋ねる表現にすると、身勝手さがなくなります。

③相手の都合、状況に配慮する

「難しければ、ご連絡ください」「対応が難しい場合は、お声がけください」など、「相手の都合」を配慮した1文を添えると、敬(うやま)う気持ちや気づかいが伝わります。

「以前にもお伝えしたと思いますが…」

イラっとメール2位:余計なひと言

【CASE:納期の前倒しを断るときのメール/社外メール】

×「NGメール」
以前にもお伝えしたと思いますが、早期発送はできませんのでご了承ください。
〇「OKメール」
納品日の短縮が可能かどうか、あらためて担当部署に確認しました。ですが、○○○○○○といった理由から、期日を早めることができかねる状況でございます。○○様のご要望にお応えできず申し訳ございません。何卒ご了承ください。

■悪気がなくても、相手を責めてしまうことがある

2位は、「余計なひと言」メールでした。

余計なひと言が相手を不快にさせるのは、相手を遠回しに非難しているからです。

NGメールの受信者は、「以前にもお伝えしたと思いますが」の言い回しに「イラっとした」そうです。送信者に悪気はなく、「念を押す」意味で書いたのかもしれません。ですが、「同じことを何度も言わせないでほしい」「以前伝えたことを覚えていないのか」と、責められているように受け取る人もいます。