一方、日本でもアバターを通してマッチングが行われる「POPO」というマッチングサービスが生まれています。このアプリには「特別タグ」というものがあり、好きなものや興味のあるものを1つだけ登録することができます。トップ画面でタグ検索を行うと、同じ特別タグを設定している人が優先的に表示されるため、同じ趣味や特技を持つ人と出会いやすいサービスです。
世界最大級のマッチングアプリである「Tinder(ティンダー)」も仮想通貨やメタバースへの参入について検討していることをすでに明かしています。プレミアムサービスの支払いに使用できる仮想通貨についてはすでにテストを実施していると報道されており、オンラインとオフラインの世界の境界線をどのようにつなげていくかを模索しているとのことです。アメリカでは現在、メタバース出会いアプリの「Nevermet」というサービスも人気を博しているそうです。
すでに、インターネットのハードユーザーには平日の日中は生きるための仕事を淡々とこなし、アフター5と休日には、メタバース上で出会ったパートナーと、メタバース上のイベントに出かけたり、建てた家で過ごしたりする。そのメタバース上のパートナーの本当の性別は知らず、もしかしたら実は同性同士。オンラインで会話するときに、相手はボイスチェンジャーで女性の声で話すため、相手が同性であることはわからない。このような幸せを選択肢として選んでいる人も出てきています。
VRChat(アメリカ発のソーシャルVRプラットフォーム)上にパートナーがいるという男性(24歳・フリーランス)は、このように話します。
「ゲームワールドで一緒に遊んでいるうちに仲良くなったフレンドがいるのですが、つい最近、夜の海辺で告白されました。VR睡眠している時に一緒に寝てくれたりしていたので、すでにお砂糖のような関係ではあったのですが……。デートは、一緒にいろんなワールドを巡ることが多いですね。あのイベントに出かけてみようかなどと話して、遊んでます。あとは、一緒に音楽を流しながらお酒を飲んだりって感じかな。ただ、相手の中身は男性なんですよ。だから、リアルで会うことはないかなと思ってます」
現在、VRChatはプレイ人口の80%が男性ということもあり、どうしても男性同士のカップルになってしまうケースが多いのですが、これも次第に変わっていくでしょう。
インターネットが普及し始めた90年代後半、iモードで出会い系がスタートした当初など、いずれも男性が多く、女性が極端に少ないという現象がありました。しかし、次第にサービスが浸透していくにつれ、女性の割合も増えていきました。今後、VRChatをはじめとしたVR空間でも女性が増えていくでしょう。