近年の副業ブームということもあり、副業に興味を持っている方も多いと思います。そんな副業を考えている方、あるいはもうはじめているという方に立ちふさがる壁が、「税金」、そして「確定申告」です。
副業でも利益が出たら、当然、確定申告をして税金を支払う必要があります。このこと自体はご存じでしょう。
しかし、税金の知識がまったくないまま確定申告の準備を進めてしまうと、手痛い失敗をしてしまうことがあります。10万円もの損をしてしまうこともありますし、最悪のケースでは、「すべてやり直し」なんてこともありえるのです。
確定申告で失敗しないためには、最低限の税金知識が必要になります。今回は、私が個人事業主・確定申告専門税理士として仕事をする中でよく見る、副業の確定申告の致命的な「4つの対応間違い」について解説します。
まず、副業をはじめる前、あるいは、はじめたばかりの人がよくやってしまう間違いです。
申告して納税すること自体は、とても大事なことです。しかし、税金はあくまで利益に対してかかるもの。
したがって、副業での収入がまったく出ていないという状況であれば、確定申告の必要はありません。副業の初期は、何はともあれ売上をあげることに集中してください。
では、どのくらいの売上があがったら、確定申告が必要なのでしょうか?
副業の場合、年間の利益が20万円を超えたら、所得税の確定申告が必要となります。利益というのは、売上から経費を引いた残りの金額です。ですから、売上が仮に1万円だったとしても、そのためにかかった費用が1万円以上あるようなケースでは、そもそも申告の義務がありません。
間違い①は、はじめから気にしすぎるケースですが、逆に気にしないことで失敗する(税金が多くなってしまう)ケースもあります。
副業の確定申告のお手伝いをしていて、いちばん残念なケースが、青色申告の申請をしていない場合です。青色申告を行うと、条件にもよりますが、1万5000円~10万円以上も税金が安くなる可能性があります。そのため、副業をはじめるなら、最低でも青色申告の申請はするようにしましょう。