副業1年生の確定申告「うっかり大損」頻発4大ミス

悩む女性
「確定申告未経験の副業初心者がやってしまいがちな4つの失敗」をご紹介します(写真:熊澤充/PIXTA)
働き方の多様化が進む中、コロナ禍で一気に加速した「副業ブーム」。ビジネスパーソンの「副業への関心」はとどまることを知らず、多くの方が副業をスタートさせている。
「税金というと、本業の合間を縫って副業をしている方にとっては面倒な存在だと思います。でも、知らないだけで数万円単位の損をしてしまうことがあるのが税金の世界です。そのため、必要最低限の税金の知識を持っておくことは、じつはとっても大切なんです」
個人事業主を専門に13年間活動を続け、副業の事例も多く扱ってきた、税理士の福島宏和氏はそう語る。そんな福島氏が、副業の儲けの額に応じて「そのとき本当に必要な税金の知識」を厳選して解説した著書、『副業をはじめたいんですけど、税金ってどうしたらいいですか?』が刊行された。
ここでは、1300件以上確定申告を代行してきた福島氏が、しばしば出会う「確定申告未経験の副業初心者がやってしまいがちな4つの失敗」を紹介する。
 

税金の知識不足は「損」を生む

近年の副業ブームということもあり、副業に興味を持っている方も多いと思います。そんな副業を考えている方、あるいはもうはじめているという方に立ちふさがる壁が、「税金」、そして「確定申告」です。

『副業をはじめたいんですけど、税金ってどうしたらいいですか?』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

副業でも利益が出たら、当然、確定申告をして税金を支払う必要があります。このこと自体はご存じでしょう。

しかし、税金の知識がまったくないまま確定申告の準備を進めてしまうと、手痛い失敗をしてしまうことがあります10万円もの損をしてしまうこともありますし、最悪のケースでは、「すべてやり直し」なんてこともありえるのです。

確定申告で失敗しないためには、最低限の税金知識が必要になります。今回は、私が個人事業主・確定申告専門税理士として仕事をする中でよく見る、副業の確定申告の致命的な「4つの対応間違い」について解説します。

まず、副業をはじめる前、あるいは、はじめたばかりの人がよくやってしまう間違いです。

間違い①売上があがる前から税金を気にしすぎる

申告して納税すること自体は、とても大事なことです。しかし、税金はあくまで利益に対してかかるもの

したがって、副業での収入がまったく出ていないという状況であれば、確定申告の必要はありません。副業の初期は、何はともあれ売上をあげることに集中してください。

では、どのくらいの売上があがったら、確定申告が必要なのでしょうか?

副業の場合、年間の利益が20万円を超えたら、所得税の確定申告が必要となります。利益というのは、売上から経費を引いた残りの金額です。ですから、売上が仮に1万円だったとしても、そのためにかかった費用が1万円以上あるようなケースでは、そもそも申告の義務がありません。

「青色申告」は副業スタートの絶対条件

間違い①は、はじめから気にしすぎるケースですが、逆に気にしないことで失敗する(税金が多くなってしまう)ケースもあります

間違い②青色申告の申請をしていない

副業の確定申告のお手伝いをしていて、いちばん残念なケースが、青色申告の申請をしていない場合です。青色申告を行うと、条件にもよりますが、1万5000円~10万円以上も税金が安くなる可能性があります。そのため、副業をはじめるなら、最低でも青色申告の申請はするようにしましょう