実家で犬を飼っていたこともあって、昔から犬が大好きです。猫カフェに行けば胸キュン不可避で、餌を購入してあやしますし、何時間でも入り浸れるくらいに猫も好きではありますが。でも、犬のほうが戯れやすい。そして、人に対しても、犬を飼っている人やこれまで飼っていたことのある人のほうが付き合いやすい。
犬を飼っている人と猫を飼っている人って、なんだか根本的なところで違う気がするんです。
本題に入る前に、現在の日本の犬・猫の飼育頭数を把握しておきましょう。日本ペットフード協会による2020年「全国犬猫飼育実態調査」では、犬:848万9000匹(飼育世帯数約680万)、猫:964万4000匹(同550万6000)、計1813万3000匹となっています。
ちなみに、総務省統計局が2021年1月20日に公表した「人口推計」では、日本の総人口は1億2512万人(概算値)で、そのうち15歳未満の人口は1488万6000人(推計値)。つまり、日本において犬・猫の飼育頭数は、15歳未満の人口より多いということになります。
一方、博報堂生活総合研究所の「生活定点」を見ると、「今後してみたいことは何ですか?」という質問に「ペット(犬・猫・鳥など)を飼いたい」と答えた人の割合は、2020年は34.1%で、過去最も高かった2004年の43.3%には及ばないものの、ここ10年間35%前後で推移しており、今後も極端に下がることはないでしょう。
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さらに、「ペットも家族の一員だと思う」という人も、51.5%だった2006年以降増えており、今後も家族同様に手間やお金をかけるとすれば、日本のペット関連市場は引き続き盛り上がりを維持しそうです。
そう考えると、犬派・猫派について知ることは、単なる雑学を超えて、大きな経済圏を動かすヒントを知ることにもつながりそうです。
今回、犬派と猫派の違いを調べるために使用したのは、博報堂オリジナルの調査データベース「HABIT/ex」の2020年調査です(調査概要は文末に記載)。
調査対象者の中から、「犬を飼っている」「猫を飼っている」と回答した20~69歳のデータを抽出。両者を比較していきます。そのため、犬派=犬を飼っている人であり、どんなに犬愛が深くても飼っていない人の回答は集計に入りません。同様に、猫派=猫を飼っている人のデータとなります。なお、犬・猫両方を飼っている人はそれぞれに含まれています。
また、今回は犬派・猫派の“女性”に話を絞りたいと思います。理由は2つあります。
1つは、男女の性差から生じる差を除いて、純粋に犬派・猫派の差を見るため。もう1つは、生活総研では毎月「来月の消費予報」調査を実施しており、翌月に「モノを買いたい」「サービスを利用したい」という欲求が100点満点で何点か尋ねているのですが、聴取を開始した2012年5月から2021年10月までの全114回のうち、113回は女性の消費意欲が男性を上回っているため。