話を聞くのがどうもヘタな人に伝えたいコツ4選

【2 眉毛にしゃべらせよう】

設定が決まったら、次は小手先中の小手先。眉毛です。

知り合いの心理士は「話を聞くには眉毛が大事」と眉をひそめながら断言していました。

別に眉毛じゃなくてもいい。話を聞くためには反応がオーバーであったほうがいい、ということです。

眉毛のいいところは、眉をあげるかひそめるか、表情が二通りくらいしかないので、大変シンプルで、使い勝手がいいことです。

誰しも得意な表情の動かし方があると思います。動かしやすい部位をフル活用しましょう。

目を見開く、口を引き締める。耳と鼻はたいして動かないんで、役に立ちにくいけど、鼻をぴくぴくさせる人もいるかもしれません。あと、身を乗り出すみたいな、姿勢で反応するのもありですね。

ようは「反応している」のが大事です。反応があると人はうれしいものです。眉毛がクイっとあがるだけで、ちゃんと聞いてもらっている感じがして、もっと話をしたくなる。

ただし、嘘はだめです。

眉毛は心に起きたことをオーバーに表現しているのであって、何も感じていないのに眉毛だけ動かしてはいけません。それだと、ただの眉毛を鍛えてる人です。

あるいは、いつもは眉毛が動いているのに、今は眉毛が動いていないというのも立派なコミュニケーションです。話がうまく伝わっていない、ということを動いていない眉毛が伝えてくれます。そうすると、相手は説明を重ねてくれることでしょう。

とにかく、眉毛にしゃべらせましょう(鼻でしゃべれる人はそれでもOK)。

【3 正直でいよう】

嘘はダメ、というのは大事な話なので、もう少し詳しく。

倫理的にだめという話ではなくて、嘘は話を止めちゃうのが問題です。嘘をつくと、こっちの気持ちが萎縮してしまうんですね。それで話が盛り上がらなくなってしまう。

それから、あとから嘘がばれてしまったときに、相手に話したことを後悔させてしまうのも大問題です。

思ってもないことを言うのが、だめ

ただし、これは気持ちを正直にすべて言おう、という話ではありません。

言いにくいことについては、黙っておくのはありです。「言わないでおく」のは嘘じゃない。思ってもないことを言うのが、だめです。

だから、ちょっと思っていることであれば、あえてオーバーに言うのはあり。.

たとえば、とりあえず味方になってほしいという会話ってありますよね。「私が悪かったと思う? 彼が悪かったと思う?」と聞かれたとき、9割彼女が悪いけど、1割でも彼が悪いと思った場合には、「彼が相当悪いよ」と言ったらよい。

その1割は本当の気持ちですし、そう言わないと、彼女は続きを話してくれないでしょうから。とはいえ、1割もそう思っていなかったならば、何も言わずに「うーん」と沈黙しているのがいいですね。

正直でいましょう、馬鹿正直でなくてもいいから。

【4 沈黙に強くなろう】

ここで小手先の王様である沈黙について、話しておきましょう。沈黙を増やすだけで、話を聞けるようになります。

学生にカウンセリングのやり方を教える授業があります。カウンセラー役とクライアント役に分かれてもらって、カウンセリングのロールプレイをやってもらうのですが、このとき学生がもっとも苦手なのが沈黙です。

カウンセラー役なのにひたすらしゃべっちゃうんですよ。

とりあえず黙ってみて間をつくる

というのも、気まずい沈黙になるのを恐れているからです。相手の話が途切れるタイミングで、何かしゃべらないといけないという強迫観念があるかのようです。

誰かが話したら、ツッコミを入れて、場を盛り上げないといけない。現代にはそういうノリの良さを強制するところがあるのかもしれません。そうすると、場の空気は保たれるかもしれないけど、残念ながら話は聞けなくなります。