Stacklaが発表した「2017年の消費者レポート」では、ミレニアム世代の回答者の90%が、支持するブランドを決める際に最も重要な要素は「信頼性」であると答えました。
/amoネットワークが世界22カ国の525社を調べたところ、日本の上場企業の大半が「誠実さ」を最重要の価値観として挙げ、その数は「革新性」を抜いて第1位でした。
これらのデータで言う「誠実さ」とは、「商品について嘘をつかない」のはもちろん、「過激なビジュアルやメッセージでいたずらにユーザーを煽らない」や「社会的な倫理にもとづいた行動を取る」といった要素を含みます。現代の世界では、若い消費者ほど商売に「誠実さ」を求め、それに応える企業が増えつつあるようです。
世界的に「誠実さ」が重要になった理由には諸説がありますが、プリンストン大学の社会心理学者スーザン・T・フィスクは、世界の消費者研究をふまえたうえで次のように指摘します。
「現代はテクノロジーと情報の増加がすさまじく、それゆえに顧客はブランドや企業の『誠実さ』や『能力』を瞬時に判断する力を備えた。その力は、今後数十年にわたって増大し続けるだろう」
企業が消費者をコントロールできたのは、情報の少なさを武器にできた大昔の話。あらゆる情報が瞬時に流通する現代では、人間の感情を操るような企みはすぐに白日のもとにさらされます。その結果、現代のユーザーは、かつてないほど誠実さを求めるようになったわけです。
かつての広告が私たちの「決する本能」を侵害していたことに多くの人が気づき、「安らぐ本能」が大きく活性化された状態と言えるでしょう。すべてがつながる世界では、 「誠実さ」こそが最大の武器 になるのです。