10歳の子供が「手紙1枚」で大儲けした秀逸な方法

いつも渋谷郵便局に受け付けギリギリの時間に大量に持ち込んで、「風景印でお願いします」とお願いして嫌がられていたのは、懐かしい思い出です。これが本当に効果抜群だったのです。ほかの手紙と並べたときに、インパクトがまるで違いました。まさに、受け手がどんな気持ちになるか、その気持ちをいかに利用するかというケインに学んだマーケティング思考をもとに出した工夫です。

ちなみに検索サイトで「風景印」と入れると、日本郵便のホームページに飛び、都道府県ごとに検索できます。47都道府県すべてに「風景印」を実施している郵便局があるようです。どれも趣向が凝っていて面白いですよ。

加えて、実際に試したことがあるのが、巻物風DMです。時代劇に出てくるようなくるくる巻いてある、あれです。実現しなかったものの、アイデアで出たのが「河原の石」にメッセージを書くこと。石も定型外郵便で届くのですよ。ミカンの汁で書いて、あぶり出しでメッセージを読んでもらうという案もありました。いい悪いは別にして、いずれもとにかく受け手の気持ちを揺さぶり、目立ち、なおかつ費用の負担は小さいアイデアだと思います。またオーソドックスですが、あえて手書きDMに立ち返るのもいいと思います。

相手の心に響く、手書きの一筆作戦

例えば、顧客にプレゼンテーションする際、配布する資料の表紙の隅に、「今日はよろしくお願いします」など、何か手書きのメッセージを一筆添えるだけでも、随分と印象は良いものです。字の上手い、下手は関係ない。手書きの文字には気持ちが乗ります。

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最近送られてきた郵便物の中で印象的なものがありました。差出人は、先日、私が講演をしたときの参加者のおひとりです。とにかく、宛名の書き方が特徴的でした。筆ペンで、封書の前衛的な書道家が筆を走らせたかのように、全面を埋め尽くす大きな文字で書かれていて、それはもはや文字というより一種のデザインでした。

差出人の名前が珍しかったことも相まって、強烈なインパクトがありました。読み終わった後も、保管しているくらいですから。こうなると、もはや手紙の内容は二の次。「この人はいったい、何をしている人なのだろう」と興味が湧いてきます。

この先、この方とビジネスでつながるかどうかはわかりませんが、100人ほどの講演会参加者の中で、この方の存在は深く私の記憶に刻まれました。もし今、このタイミングでフォローの電話がかかってきたら、間違いなく、「あっ、あの手紙をくださった方ですね。先日はありがとうございました」といったように会話が弾むと思います。

このように、紹介したDMでの工夫は、どれも特別変わったものではありません。中には誰でも考えつきそうなものもありますが、実際にやる人は少ないのではないでしょうか。

相手の印象に残るために必要なのは、必ずしもお金を使うことではなく、ちょっとしたアイデアと行動力なのです。